5 / 16
潮道進向編
はたらくしかない
しおりを挟む
「と、とあたん、、、」
目の前、しかも同じ次元という普通ではありえない空間に固まりついてしまった。
トアはゲーセンにある舞台の上にいて、そこから、LIVE配信をしているようだった。
「お疲れ様でした、齋藤選手。大会の結果はいかがだったでしょうか?」
「そうですね。まずは、負けてしまったことへの反省をしないといけないと思います。チームで全敗してしまって、日頃の成果を発揮できませんでした。応援していただいた方、本当にありがとうございました。」
そう言うと、ゲーセンの舞台にいたトアが、楽屋に戻っていった。
「あ、ほ、本物だあ……」
「よし、一人目はお前に決定だ!」
高生は進向の背中を押して、ゲーセン内へと入っていった。
先程トアがいた舞台の横にあったスタッフルームに行って、四人は、ここで働きたいという旨を伝えた。
「ここで、バイトってできますか?」
「バイト希望の方ですね。それでは、面接を行いますので、それまでは、ここでしばらくお待ち下さい」
店長らしき人がそう言うと、楽屋に入っていった。それまではゲームをして過ごそうかなと考えた四人は、アミューズメントコーナーの方に行った。そこには、音ゲーやパチンコのようなギャンブル機械、クレーンゲームのようなものもあった。
「うおお!楽しそう!!」
「やろーぜ!!」
「金、ねーじゃ~~~ん!!!」
「あ」
そうして陰キャたちは、二次元のゲーム機をよだれを垂らして見ている奇人になったのであった。
「そうだあ、スズコさん。僕たちにお金貸してくださいよお」
「残念ながら、それはできません。ロボットにお金という概念は無いのです」
「ちぇっ。」
信が悲しそうにしていると、それを振り払うようにスズコが言った。
「それより、みなさん。面接についてですが、二次元の面接は思ったよりも大雑把、適当でいいです。ただ、敬語や最低限のことさえ守っていれば、きっと受かります。三次元ほど厳しくないですからね。でも、余計なことだけは絶対に言ってはいけません。二次元は、ゆるいですが、スキャンダルにつながりそうなことは、絶対に許しませんからね」
「それでは、津田高生さん。辻原信さん。細井義志斗さん。潮道進向さん。お入り下さい」
「はい!」
四人は元気よく楽屋の中にある一室に入ると、面接官の前にある4つ並べられた椅子に座った。
「こんにちは!よろしくお願いします」
「みなさん。こんにちは。では、早速、みなさんはなぜこのゲーセンを志望しているんですか?それでは、まずは、津田さん」
「はい。私は、御ゲームセンターのバイトとして精一杯働きたいと考えております」
面接ってこんな感じか???
「それでは、辻原さん」
「私も同じであります」
「それでは細井さん」
「私もです」
よしよし、流石二次元。適当にやってもうまくいくじゃあないか!
「それでは、潮道さん。なぜこのゲームセンターで仕事を?」
「私は、とあたんが大好きだからです!!!!」
「!!!」
高生たちは驚いた。余計なことは言うなってスズコさんに言われたばっかりでしょ!!!
「は、はあ、具体的にどのようなところが好きなんですか?」
「はい、あの美しい瞳。透き通った肌……ツヤのある頬……ああ、言い出したらキリがないですう。楽屋で会えるのが楽しみだなあ……大好きだあ!トア!結婚してくれぇぇぇぇ!!」
馬鹿やろおおおおおお!!!!三人は進向を睨みつけた。余計なことは言うな!!
「は、は、は、そうですか……では、面接はこれまでです。後日、受かった方には連絡いたしますので、後に、住所を教えて下さい」
店長は、そう言うと、面接室を出て行った。静まり返る四人。三人は未だに進向を睨みつけていた。
「お前、馬鹿だわ」
高生はそう言うと、ため息をつきながら外に出ていき、義志斗、信もついて行った。進向だけは、その場から動かなかった。
「きっと…きっと…受かってるよね……ははははは」
外に出た高生たちは、先程スズコに招待された部屋がある建物の住所を伝え、報告を待った。
その後、高生たちはスズコの家に戻り、夕食(ゼリー系の格安の飲み物を買って、夜ご飯にした)を飲んで、一夜を過ごした。
(異次元ライフ2日め)
次の日の朝、報告が来た。
しかし、一日目からこんなに眠れないとは……。不安でもう大変だった。
届いていた小包を開けると、採用の報告書と仕事時に着る服が入っていた。
しかし、3着しか入っていなかった。
目の前、しかも同じ次元という普通ではありえない空間に固まりついてしまった。
トアはゲーセンにある舞台の上にいて、そこから、LIVE配信をしているようだった。
「お疲れ様でした、齋藤選手。大会の結果はいかがだったでしょうか?」
「そうですね。まずは、負けてしまったことへの反省をしないといけないと思います。チームで全敗してしまって、日頃の成果を発揮できませんでした。応援していただいた方、本当にありがとうございました。」
そう言うと、ゲーセンの舞台にいたトアが、楽屋に戻っていった。
「あ、ほ、本物だあ……」
「よし、一人目はお前に決定だ!」
高生は進向の背中を押して、ゲーセン内へと入っていった。
先程トアがいた舞台の横にあったスタッフルームに行って、四人は、ここで働きたいという旨を伝えた。
「ここで、バイトってできますか?」
「バイト希望の方ですね。それでは、面接を行いますので、それまでは、ここでしばらくお待ち下さい」
店長らしき人がそう言うと、楽屋に入っていった。それまではゲームをして過ごそうかなと考えた四人は、アミューズメントコーナーの方に行った。そこには、音ゲーやパチンコのようなギャンブル機械、クレーンゲームのようなものもあった。
「うおお!楽しそう!!」
「やろーぜ!!」
「金、ねーじゃ~~~ん!!!」
「あ」
そうして陰キャたちは、二次元のゲーム機をよだれを垂らして見ている奇人になったのであった。
「そうだあ、スズコさん。僕たちにお金貸してくださいよお」
「残念ながら、それはできません。ロボットにお金という概念は無いのです」
「ちぇっ。」
信が悲しそうにしていると、それを振り払うようにスズコが言った。
「それより、みなさん。面接についてですが、二次元の面接は思ったよりも大雑把、適当でいいです。ただ、敬語や最低限のことさえ守っていれば、きっと受かります。三次元ほど厳しくないですからね。でも、余計なことだけは絶対に言ってはいけません。二次元は、ゆるいですが、スキャンダルにつながりそうなことは、絶対に許しませんからね」
「それでは、津田高生さん。辻原信さん。細井義志斗さん。潮道進向さん。お入り下さい」
「はい!」
四人は元気よく楽屋の中にある一室に入ると、面接官の前にある4つ並べられた椅子に座った。
「こんにちは!よろしくお願いします」
「みなさん。こんにちは。では、早速、みなさんはなぜこのゲーセンを志望しているんですか?それでは、まずは、津田さん」
「はい。私は、御ゲームセンターのバイトとして精一杯働きたいと考えております」
面接ってこんな感じか???
「それでは、辻原さん」
「私も同じであります」
「それでは細井さん」
「私もです」
よしよし、流石二次元。適当にやってもうまくいくじゃあないか!
「それでは、潮道さん。なぜこのゲームセンターで仕事を?」
「私は、とあたんが大好きだからです!!!!」
「!!!」
高生たちは驚いた。余計なことは言うなってスズコさんに言われたばっかりでしょ!!!
「は、はあ、具体的にどのようなところが好きなんですか?」
「はい、あの美しい瞳。透き通った肌……ツヤのある頬……ああ、言い出したらキリがないですう。楽屋で会えるのが楽しみだなあ……大好きだあ!トア!結婚してくれぇぇぇぇ!!」
馬鹿やろおおおおおお!!!!三人は進向を睨みつけた。余計なことは言うな!!
「は、は、は、そうですか……では、面接はこれまでです。後日、受かった方には連絡いたしますので、後に、住所を教えて下さい」
店長は、そう言うと、面接室を出て行った。静まり返る四人。三人は未だに進向を睨みつけていた。
「お前、馬鹿だわ」
高生はそう言うと、ため息をつきながら外に出ていき、義志斗、信もついて行った。進向だけは、その場から動かなかった。
「きっと…きっと…受かってるよね……ははははは」
外に出た高生たちは、先程スズコに招待された部屋がある建物の住所を伝え、報告を待った。
その後、高生たちはスズコの家に戻り、夕食(ゼリー系の格安の飲み物を買って、夜ご飯にした)を飲んで、一夜を過ごした。
(異次元ライフ2日め)
次の日の朝、報告が来た。
しかし、一日目からこんなに眠れないとは……。不安でもう大変だった。
届いていた小包を開けると、採用の報告書と仕事時に着る服が入っていた。
しかし、3着しか入っていなかった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
幼馴染は何故か俺の顔を隠したがる
れおん
恋愛
世間一般に陰キャと呼ばれる主人公、齋藤晴翔こと高校2年生。幼馴染の西城香織とは十数年来の付き合いである。
そんな幼馴染は、昔から俺の顔をやたらと隠したがる。髪の毛は基本伸ばしたままにされ、四六時中一緒に居るせいで、友達もろくに居なかった。
一夫多妻が許されるこの世界で、徐々に晴翔の魅力に気づき始める周囲と、なんとか隠し通そうとする幼馴染の攻防が続いていく。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる