「こんにちは」から始まる異次元ライフ〜陰キャたちの大逆転物語〜 

わたあめめろん

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潮道進向編

お金?無いじゃ〜〜ん

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「うおお…すげえ…まさか、本当に二次元に来てしまうとはなあ…」
 誰かの空想のような近未来的な建物が、ずらりと並んでいる街を見ながら、義志斗は、呟いた。そこには、ガラス張りでできたタワーや、壁が鏡となって、光を反射しているデパートのようなもの、地面が金属で、できていて、そこから花が生えているなど、田舎者の高生たちには、想定できるものはなかった。しかも、街にはたくさんの二次元キャラがいる。しかし、四人はほとんど見たことないキャラばかりだった。

 この町並みに見惚れていると、後ろからスズコが
 「みなさん、花嫁は、建物の中にいることもありますので、中に入ってみませんか?中にはたくさん楽しいものもありますし、三次元では、体験できないものもたくさんありますよ」
 と誘った。確かに、花嫁を探すことは大切だが、ずーっと、外で歩いて探す訳にはいかない。見つけられそうなところを探さないと。
 「それじゃあ、ここ、入ってみない?」
 信が指さしたところは、中が外から見えるほどにきれいに透けている建物だった。
外から見るに、服屋さんやレストラン、そして、ゲーセンのようなものがある。これは、期待値大だ!

 中に入ると、フードコートのようなものがあり、ふわっと甘い匂いがした。ドーナツやワッフルのような焼き物の匂いだろうか?そこには、たくさんのキャラが席に座って何かを食べていた。
 「なあ、俺、腹減ったよう。なんか飯くおうぜ。」
 信はそう言うと、一人で、フードコートを早足で回っていった。三人とスズコは、ゆっくりと見て回ったのだが、そこには、食事という食事は無かった。
 「なんだよー!ここ、お菓子みたいのしか売ってねーじゃねーか!!!」
 そこには、ドーナツやワッフルはもちろん、口に含むと、膨らむ餅?のようなものや、人型に型どられた菓子パンのようなものを売っている店しかなかった。
 「まあまあ、そんなに怒らないで。まあ、私たちお金、持ってないんですけどネ」
 「あ…」
 そうだった。手ぶらで転送されてきたんだった…。まあ、そうだよな…目的は花嫁と結婚することだもんな……。お金を神様が助けてくれる訳無いか……。
 「大丈夫です!」
 スズコが元気よく言った。
 「あ、流石スズコさん、わかってますねえ!!僕たちに奢って…」
 「働きましょう!!!!!」
 「あ、ハイ」
 でしょーね……ただでおごっていただけるなんてすこしもおもっていませんよーはい。。。
 「まあ、二次元ですし、皆さんからすれば楽しい仕事が多いと思いますよ。三次元を相手にする仕事もありますから」
 ほんとうかなぁ……。でも、このまま金無し生活を送るのはまずいなあ。今のうちにお金を稼いでおかないと……。
 「しっかし、どこで働こうか?」
 高生が首をかしげていると、義志斗が、
 「求人ってかいてるゾ」
 といって、この建物の求人募集ボートを見つけてきた。流石、お仕事が早い。
 「どれどれ~、お、ゲーセンあんじゃん!これは、俺たちを呼んでいるに違いない。さあ、すぐ行くぞ!!」
 そう言って信は、また、一人でゲーセンのある四階に走っていった。流石元サッカー部いや、現幽霊部員。せっかちだなあ。

 高生たちが、着くと、信は既にゲーセンの前で、中を覗きながら興奮していた。
 「うおお~!俺たちが知らねえゲームばっかりだあ!!しかも、なんかすげえぞ!なんか、めっちゃ、すごい、」
 「語彙力ねーんだよ!お前は!でも、本当にすごいな。三次元には無いようなゲーム機がいっぱいある。」
 「いや~俺たちこんなところで働けるのかぁ~二次元最高~」
 「まだ働けるって決まったわけじゃないじゃ~ん。信だけ落ちるかもよ???」
 「そ、そんな事言うなよ!怖いなあ」
 義志斗が、信をいじっていて、高生とスズコは笑っていた。しかし、進向だけが、ゲーセンの中を一人でまじまじと見ていた。
 「どーしたんだよ、進向!口をあんぐり開けてさ……」
 高生が聞くと、ゲーセン内から、アナウンスが聞こえた。

 「STEP FOOT MUSIC BATTLE日本代表、齋藤トア選手インタビューです!!!お疲れ様でした!!!」
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