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2巻
2-1
しおりを挟む1 調子に乗ると大抵ろくなことがないが、激運な俺の場合はこうなった1
氷のように冷たい風が吹き荒れ、雲すら突き抜ける山の頂上。そこに一体のドラゴンが鎮座していた。
いや、最早ドラゴンなどという次元は超えているのかもしれない。
普通のドラゴンの数十倍にもなる巨体、体中を包む雪より白い純白の鱗、そして見た者全てを恐怖の底へ突き落とす紫の瞳。
普通、ドラゴンの一生は戦いと共にあり、その影響でほとんどの個体はある程度成長したところで敵に討たれ、息絶える。
だがドラゴンの中でもほんの一部、その一生で一切の負けを知らず、勝ちだけを積み重ねて生き続ける猛者が生まれることがある。
死なぬまま数千年にも及ぶ成長を遂げ、ついには食物連鎖の頂点に君臨した、世界に数匹しかいないと言われるドラゴンの一匹が、この山頂に君臨していた。
ゆったりとその巨体を起こし、空を包み込まんばかりに大きな翼を広げ、羽ばたかせる。
その姿はあまりにも雄大で、そして神秘的だった。
この世の生き物とは思えない神々しさを放つそんな姿を見て、人間たちはこのドラゴンをこう名付けたのだ――
《神龍》と。
その神龍は、巨体が空に浮かぶと同時に紫の瞳をスッと細め、ぼそりと呟いた。
『さて、ドラゴンやめるか』
◇◇◇
「ふぅ…………」
一つ息をつき、前より少し装飾の凝った服と新調した剣を装備した俺――カインは、ゆったりとした足取りで国を出入りする門に向かった。
「おっ、あんたは噂の新Sランク冒険者、カインじゃねぇか! 今日は一人なのかい?」
「ええ、少し外の風に当たりたくて」
守衛さんに軽く挨拶し、一面の緑の中に身を投じる。
なぜ国の外に出たのかと言えば、特に理由はない。本当になんとなく風に当たりたかっただけ。
はぁ……俺もSランクか…………
「――風が泣いているな」
目を細め、小さく呟く。自分でも言ってることの意味は全く分からない。
でもまぁ俺Sランクだから。
うん、Sランクならこんなあまりにも痛いセリフを誰かに聞かれても、こっ、こいつ只者じゃねぇ……みたいな感じで多分許されるから問題なし。
「――雄大な自然たちの声が、風に乗って聞こえてくる」
ただ野草が風に靡く音が聞こえただけである。
「こんなに世界が綺麗だったなんて……俺、知らなかったな……」
別にいつもと変わらない普通の景色である。
それからも自分に浸り、意味不明なことを連呼しながら歩いていると、ふと大きな声が聞こえてきた。
「た、助けてくれえぇぇ!!!」
「ん?」
声の方に目をやると、大きな荷車を馬に引かせた小太りの商人が、ゴブリンに絡まれているところだった。
運悪く狙われてしまったらしい。
どうやら護身用の武器は持っているようだが、いざ本当に襲われたら怖くて逃げることしかできなくなってしまったみたいだな……
「やれやれ……」
――これは……俺が行かなきゃだな。
うん、だって俺、Sランクだから。Sランク冒険者なんだから!
「Sランク冒険者であるこの俺が、困った人を見捨てるわけにはいかないからなー!」
剣を構え、ゴブリンに向かい突撃していく。
「Sランク冒険者であるこのカインが、今助けるぞおぉぉ!!!」
そう、実のところ今の俺はSランク冒険者になれたことが嬉しすぎて、半端じゃなく調子に乗っているのである!
2 調子に乗ると大抵ろくなことがないが、激運な俺の場合はこうなった2
よし、これで全部片付いたか。
流石にこの程度なら俺一人でもなんとかなったな。
「おーいあんた! 助けてくれてありがとな!!」
荷車の中に隠れていた商人が、静かになり戦いが終わったことを察して、こちらに大きく手を振りながら走ってくる。
「えぇ! まじ俺Sランクなんで! ゴブリンなんか余裕でしたよ!」
「お、おう? そうか? やけにSランクを強調してくるにいちゃんだな……まぁ助けてくれたんならそんなことどうだっていいな! 俺は商人のガルドってんだ!」
「どうも、俺はカインです」
大きな声でハキハキと喋るその口調は、いかにも商売上手といった感じだ。
話を聞くに、ガルドさんは様々な国を転々としながら、商人兼旅人のような生活を送っているらしい。
本当は単に旅人として世界中を回りたかったが、その為にはやっぱり金が必要、そして自分には戦いで稼ぐ強さはない。
そこで思いついたのが商人と兼業することだった、という。
「いやぁ、いつもは護衛を一人はつけるようにしてるんだが、大抵は襲われないし、護身用の剣も持ってるから今回は大丈夫だろって時に限ってこれだ。本当に助かったよ」
「気をつけてくださいね。油断してた時に襲われて人生終了なんて目も当てられません」
「あぁ、今回の件で骨身に沁みたよ……」
肩を竦めて見せるガルドさん。
うん、一度怖い目にあったんだし、これからはもう大丈夫かな。
「あ、そうだ! 助けてくれたんだから、なにか礼をしねぇとな!」
「お礼ですか……」
う、うーん……なんか見返りを求めるのは少しかっこ悪いような気が…………
「お礼なんて大丈夫ですよ。危険に晒されている人を見たら助けるのが普通です。なにも特別なことはしてません」
「えっ、そうかい? いやぁ、あんた本当にいい人だな! 旅人をやってると色んな人と出会うが、見返りを求めずに助ける人なんて滅多にいないよ」
うん、だって俺Sランクだもんな!
うんうん、Sランクという特別な称号を持っているんだから、その名誉を汚さぬよう、品位のある行動をとらないといけないよな!
「ふっふへへへへへ」
「……カインさん、なんで笑ってるんだ?」
「おっとこれは失礼」
思わず気持ちが顔に表れてしまっていたみたいだ。
「でもまぁ、このまま行くのは俺の気がすまねぇなぁ……あっ! そうだ、こいつなら無駄にはならんだろ」
「ん?」
ガルドさんは荷車の中から一つの袋を取り出した。
袋の中に入っているのは……お菓子?
「前の国で携帯食代わりに買っておいたクッキーだ! もうタムルスはすぐだから俺には必要ない、カインさんにやるよ!」
「は、はぁ……」
クッキーの詰まった袋を半ば強引に渡される。
ま、まぁこれくらいなら貰ってもかっこ悪くないよな?
うへへ、俺結構お菓子とか好きなんだよなー。
「よし! それじゃあ俺はもう行くよ! ギルドの集会所の近くで屋台の店を開く予定だからぜひ来てくれ! カインさんなら特別価格で売らせてもらうよ!」
「はい、時間があれば寄らせてもらいますね」
「おう! ありがとな!!」
再び馬に乗ったガルドさんは、大きな声で礼を言いながら走っていった。
あっ、タムルスまでついていってあげた方がよかったかな……
まぁ、タムルスはすぐ近くだし、俺がここまで散歩してた時も平和そうだったから大丈夫かな。
「あっ、クッキー食べてみるか」
袋から一枚取り出し、口に放り込む。
うん、素朴ではあるが、歯ごたえがあって美味いな、好きな感じだ。
「……ふふふっ」
いやぁ、それにしても人助けってのは気分がいいものだなー!
まぁ俺Sランクだから? 困ってる人を助けるのは当然だし?
Sランク…………Sランクかぁ…………
「ふあっはっはっはっはっはっは!!!」
周囲に人影がないのを確認した俺は、間違いなく自分の人生で一番大きな高笑いをした。
うん、今までクール気取ってたけど、今になって嬉しさが爆発している。
だってSランクだよ? 冒険者の最高位だよ?
ずっと最底辺だった俺がそこまで成り上がったんだから、そんなの嬉しいに決まってんじゃんかー!!
「はーっはっはっはっはっはっは!!!」
ズガシャャャャャャャャンンン!!!!!!
だが、間違いなく聞く者全てを不快にするであろう調子に乗ったその高笑いは、突如響いた轟音により、一瞬にしてかき消された。
「はー……はっ…………はっ………………はっ」
そして目の前に広がるのは、真っ白な鱗に覆われたドラゴンの顔面。
その顔だけで俺の身長の二倍はある。
二つの紫の瞳が、俺の体を突き刺すように見つめていた。
「は……は…………は……………は………………」
笑いがどんどん乾いたものになっていく――あー、これはあれだな。
完全に調子乗りすぎたなこれ。
いくらドラゴンでもこいつは普通じゃない、そんなの俺でも分かった。
その巨体と圧巻の威圧感、そして思わず目を奪われる程の神々しさ。
一生の中で一度でも目にする方が珍しいとも言われ、神とも讃えられるドラゴンの最上位。
そんな神龍が、たった今俺の目の前に降り立ったのだ。
「……せめて遺書だけでも書かせていただけませんか?」
涙目になりながら思わずそう口にすると、ドラゴンが口を広げた。口内に並ぶ牙は、一本で俺の身長程の大きさがあり、この神龍に比べたらいかに自分がちっぽけな存在かを認識させられる。
『それ……』
「え!? 喋った!?」
身が凍ってしまいそうなくらい恐ろしい声ではあったが、確かに人の言葉として聞き取れた。
『ふははっ! 凄いであろう! 我はたったの五〇年で人間の言葉をマスターしたのだぞ!』
「………………」
思ったよりマスターするのに時間かかってるな、とか言ったらダメだ、絶対に殺される。
『それよりお前!』
「は、はいぃ!? !?」
『それ、美味いのか?』
やばい、このドラゴン、俺の味を俺本人に聞いてきてる。
「あ、俺超不味いです。俺冒険者の中でもEランクのど底辺なんで。そこに転がってるゴブリンの死体の方が一〇〇倍美味いです、はい」
命の危機になれば、人はプライドなんて簡単に捨てられるんだなって思った。
『誰もお前の味なんて聞いてないわ! それ、そのまん丸いのだ!』
「え……」
そこまできてやっと、その瞳が俺を見ているのではなく、俺の持っているクッキーの入った袋に向いていることが分かった。
――え、このドラゴン、もしかしてこれが欲しいの?
「いやあの……美味しくはあるんですけどサイズが…………」
このクッキーは明らかに人間用サイズだ、このドラゴンの巨体からすれば米粒一つ程の満足感もないだろう。
『ふっふっふっふ』
なぜか目を閉じ、笑い声を漏らすドラゴン。
あのー……笑いと一緒に漏れる鼻息だけで俺の体が吹き飛ばされそうなんで、笑うのやめていただけないですかね……
『そう思うであろう?』
「?」
『あまりの存在感と強すぎる力故、いるだけで周囲の生物を怖がらせてしまうから、申し訳なくなって山の頂上で隠居生活すること幾千年……もうそんな暮らしは嫌なのだ』
なぜかドラゴンはそう言うと笑うのをやめ、呼吸すら止めて静止した。
そして数秒後、一気に目を見開いて、こう叫んだのだった――
『我はドラゴンをやめるぞぉぉぉ!!!!』
「え!?!?」
その瞬間、ドラゴンの体から放たれた眩い光に、俺は思わず目を閉じた……
3 調子に乗ると大抵ろくなことがないが、激運な俺の場合はこうなった3
「…………ん?」
眩しさから解放され、やっと目を開けられるようになると、俺の視界全てを覆っていたあのドラゴンの姿は完全に消えていた。
そして代わりにいたのは……
「どうだ! 我は人間になったのだ!」
「……………………」
視線を下に向けると、真っ白な肌に白銀の髪、そしてひと際目立つ紫の目を持った小さな女の子が、俺を見上げていた。
身長一メートルもなさそうな愛らしい女の子が、おしりをつけた状態でぺたんと座っていたのだ。
ちなみに生まれたままの姿、全裸である。
「人間なのだ! これから我は人間として生きるのだ!」
興奮した様子で交互に両手を地面にペチペチしている、多分元ドラゴンの女の子。
……可愛い。
俺はつくづく単純な生き物であった。
さっきまで体が動かなくなる程の恐怖を感じていたのに、いざ相手の姿が小さな女の子に変わると、自然と笑顔で脚を曲げ、目線の高さを女の子に合わせていたのだ。
だって可愛いんだから仕方ない、うん。
「なぜ笑っているのだ?」
「なんでもないよー。あっ、クッキー食べる?」
「食べるのだ!!」
クッキーの入った袋を差し出すと、顔を袋に突っ込んで、頬がパンパンになるまで頬張る元ドラゴンちゃん。
ボロボロとクッキーの破片が口からこぼれ落ちている。
「あぁこらこら、ちゃんと手を使わないと」
「フムグフムフムフムグフム!!!」
注意すると、解読不能な言葉を発してなにかを訴えかけてきた。
頬をパンパンにしながら睨みつけてくるその姿に、俺は一種の保護欲のようなものすら感じ始めていた。
「……?」
「フムグ! フムフムフム!!!」
なにが言いたいのか伝わっていないことを察すると、元ドラゴンちゃんは顔の前で拍手をするように両手をパチパチとし出した。
……あっ、もしかしてハイハイしてたせいで手が汚れてるってことかな?
試しに指でクッキーを一枚掴み、差し出してみる。
「ハグッ!!!」
勢いよく噛み付いてきた。若干俺の指も噛まれた、少し痛い。
「んーん!! んーん!!!!」
その後も、まるでもっと! もっと! と催促するように、両手を使い、体を跳ねさせる。
「だーめ! 次は一回呑み込んでから!」
「んむぅ……」
相変わらず睨みつけてくる元ドラゴンちゃん。それでも催促することはやめてくれた。
「はーい。ゆっくり、少しずつ呑み込むんだよー」
「んん……」
頷き、ゆっくりと喉を動かしていく。
その度に頬が少しずつ萎んでいくのが非常に面白い。
あぁ、なんか平和だなぁ……
「ごくっ! 食べたのだ! もう一枚よこすのだ!」
「はいはい」
「ハグッ!!!」
もう一枚クッキーを差し出すと、また勢いよく指ごと噛み付いてくる、今度はすごく痛い。
「ぺろぺろ……」
でも、俺の指についたクッキーの粉を舐めとる姿があまりに可愛かったので、許すことにした。
ん~、この可愛さはリンとかに感じるものとは少し違うな、むしろミーちゃんが近いような。
そう、今の俺は、我が子を見守る親のような心境の気がする……
……はっ! それだ!
この守ってあげたくなる感情……つまり俺は今、この子のお父さんになってるんだ!
「ガアア!!!」
「なに!?」
突如聞こえた、人とはかけ離れた声のした方向に目を向けると、そこには一匹のゴブリンがおり、クッキーを食べている我が子に飛びかかろうとしていた。
「生き残りがいたのか!?」
または遠出していた一匹が帰ってきたのかもしれない。
いや、そんなことはどうでもいい! 俺には守らねばならないものがある!
「この子に危害を加えるなんて、このお父さんが許しません!!」
我が子の盾になろうと飛び出す。
だが次の瞬間……
「もう一枚よこすのだ!」
「ガアアアアア!?!?!?」
「――え?」
まるで虫を払うかのように我が子が振った手が直撃したゴブリンは、一瞬にして空のお星様の仲間入りをしていた。
……あー、なるほど。
可愛すぎて忘れてたけど、この子、神の名がついたドラゴンだったな。
うーん、父親よりはるかに強い娘かぁ。
……やばい、我が子とか言ってたのがすごく申し訳なく感じてきた…………
「お父さん、これから頑張って強くなるからな!!」
「意味分からんこと言ってないで、早くもう一枚よこすのだ!」
涙目になりながらも、俺はこの子が満足するまでクッキーを与え続けたのだった。
ふぅ……指の骨が砕けそう…………
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