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第十四章 礼拝堂で
愛弟子と
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「風鈴の 音色が告げる 暑さかな」
八月のお盆前、佑夏は、教員採用試験の一次試験を無事、突破!
後は、最終二次試験のみ!頑張れ!佑夏ちゃん!
恋人である佑夏の一次試験終了に合わせて、潮崎一馬は来日。今度は、夏休み期間で、一ヶ月以上に渡る長期滞在だ。
この町を拠点に、ライブに、講演に、サーフィンに日本各地を回るらしい。まあ、あまり詳しくは知らない。
不思議なのは、潮崎氏とサーフィンに出掛ける度に、佑夏が僕も誘ってくることだ。もちろん、断り続けているが。
しかし、僕がいくら断っても、姫は引き下がらず、毎回、絵文字入りのおもろかしいメールで、サーフィンの魅力と楽しさを伝えてくる。
そんなに、恋人といちゃつく姿を、他の男に見て欲しいのか?優しい彼女の意外な一面だね。
ところで、今年は大変な酷暑である。
こんな時にも、今、僕は千尋と二人、合氣道の稽古なんぞを。
他の道場生達はまだ、来ていない。相変わらずの早出である。
この後は、まず、大人クラスの前に、子供クラスの生徒がやって来る。
大学の学食などで、千尋と子供の指導の打ち合わせをすることも多く、このところ、佑夏と一緒にいるより、すっかり、千尋と過ごす時間の方が長い。
正直、まだ心に迷いがあって、技に影響を与えているような氣がする。
佑夏のことは、もう諦めたつもりなのに、まだ彼女の影が脳裏から離れず、内定先に、このまま進むべきかも、決心がつかない、何とも情けない話だ。
そういえば、千尋は恋人はいるのだろうか?美人だし、合氣道の達人である、この子は普通の女の子よりスペックが高い。モテないはずはないが、そんな話はしたことが無い。
まさか、師匠の立場で、弟子に「彼氏いるの?」なんて聞けるはずもない。
この子は、自分を心から信頼し、慕ってくれている。
信頼を裏切るようなマネができるか!
!!しまった!苛立ちが技に出た!つい、千尋を本氣で投げてしまった!自分の感情さえ、うまくコントロールできないとは、この未熟者め!
千尋は空中で一回転、合氣道の受け身で、難なく着地してくれたから、いいようなものを。
本氣で人を投げたのは何年ぶりか?
僕が手加減無しで技をかければ、相手が地面に落ちるのは、ほんの一瞬、0.5秒もかからない。
千尋のような高段者でなかったら、首の骨を折って即死してしまう。
「ゴ、ゴメン!鈴村さん!大丈夫!?」
武術家だというのに、うろたえて、僕は千尋に駆け寄る。
「すご.......い。」
千尋は、すぐに起き上がると、澄んだ目を僕に向ける。
「このところ、中原先輩の技の切れ、素晴らしいです!何か、あったんですか?」
そりゃ、佑夏にフラれて、合氣道に打ち込んで.....。
「え?いや、何もないけど?」
「そうですか。あ、あの、中原先輩。今日、私、ちょっと相談に乗って欲しいことがあるんですけど......。」
「何?」
千尋が正座をするもので、僕も正座して、聞く体勢に。
「中原先輩、今、お付き合いしてる女性、いますか?」
え!?ええ~!?
八月のお盆前、佑夏は、教員採用試験の一次試験を無事、突破!
後は、最終二次試験のみ!頑張れ!佑夏ちゃん!
恋人である佑夏の一次試験終了に合わせて、潮崎一馬は来日。今度は、夏休み期間で、一ヶ月以上に渡る長期滞在だ。
この町を拠点に、ライブに、講演に、サーフィンに日本各地を回るらしい。まあ、あまり詳しくは知らない。
不思議なのは、潮崎氏とサーフィンに出掛ける度に、佑夏が僕も誘ってくることだ。もちろん、断り続けているが。
しかし、僕がいくら断っても、姫は引き下がらず、毎回、絵文字入りのおもろかしいメールで、サーフィンの魅力と楽しさを伝えてくる。
そんなに、恋人といちゃつく姿を、他の男に見て欲しいのか?優しい彼女の意外な一面だね。
ところで、今年は大変な酷暑である。
こんな時にも、今、僕は千尋と二人、合氣道の稽古なんぞを。
他の道場生達はまだ、来ていない。相変わらずの早出である。
この後は、まず、大人クラスの前に、子供クラスの生徒がやって来る。
大学の学食などで、千尋と子供の指導の打ち合わせをすることも多く、このところ、佑夏と一緒にいるより、すっかり、千尋と過ごす時間の方が長い。
正直、まだ心に迷いがあって、技に影響を与えているような氣がする。
佑夏のことは、もう諦めたつもりなのに、まだ彼女の影が脳裏から離れず、内定先に、このまま進むべきかも、決心がつかない、何とも情けない話だ。
そういえば、千尋は恋人はいるのだろうか?美人だし、合氣道の達人である、この子は普通の女の子よりスペックが高い。モテないはずはないが、そんな話はしたことが無い。
まさか、師匠の立場で、弟子に「彼氏いるの?」なんて聞けるはずもない。
この子は、自分を心から信頼し、慕ってくれている。
信頼を裏切るようなマネができるか!
!!しまった!苛立ちが技に出た!つい、千尋を本氣で投げてしまった!自分の感情さえ、うまくコントロールできないとは、この未熟者め!
千尋は空中で一回転、合氣道の受け身で、難なく着地してくれたから、いいようなものを。
本氣で人を投げたのは何年ぶりか?
僕が手加減無しで技をかければ、相手が地面に落ちるのは、ほんの一瞬、0.5秒もかからない。
千尋のような高段者でなかったら、首の骨を折って即死してしまう。
「ゴ、ゴメン!鈴村さん!大丈夫!?」
武術家だというのに、うろたえて、僕は千尋に駆け寄る。
「すご.......い。」
千尋は、すぐに起き上がると、澄んだ目を僕に向ける。
「このところ、中原先輩の技の切れ、素晴らしいです!何か、あったんですか?」
そりゃ、佑夏にフラれて、合氣道に打ち込んで.....。
「え?いや、何もないけど?」
「そうですか。あ、あの、中原先輩。今日、私、ちょっと相談に乗って欲しいことがあるんですけど......。」
「何?」
千尋が正座をするもので、僕も正座して、聞く体勢に。
「中原先輩、今、お付き合いしてる女性、いますか?」
え!?ええ~!?
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