188 / 305
第十章 幸せのキャンパスライフ
幸せのロックスター
しおりを挟む
「面白い授業を心掛けて、子供達の興味をどうやって引き出すか、にとっても心をくだいてたのね。
生徒から、教えられることも、多かったんだって。これ、私、すごく良く分かるわ。」
「参考になった?」
「うん!とっても!ステージでも、サービス精神、出てたよね。また行きたいな!」
「佑夏ちゃん........。」
「なに?」
「あ、いや。この人さ、社会派のアーティストで、色んな社会活動してるんだよね。」
違う。言いたいのは、こんなことじゃない、自分と結ばれて、二人で一生、彼のコンサートに通わないか?
来日公演だけじゃもったいない、この人の自国、イギリスまで、一緒に出かけようよ、というのが本音なんだけど、いくら何でもね。
「そうなのよ!このロンドンでやった、チャリティーコンサートのお話、いいな~!
入場料はおもちゃで、集まったおもちゃは、施設に寄付したのね、素敵~!」
「ああ、そうだね。
日本のアーティストで、そういう話、あまり聞かないね。」
「アハハ、何でだろうね?でも、だからかな~?この人の音楽は、何ていうか、深みっていうのかな?
大きな感動がすごく、伝わってきたわ。スケールが地球規模なんだね。」
(おい、ジンスケ。外国の奴らより、日本はずっとお互いに助け合って生きてきた国なんだ。
儲けは全部、自分のモノにしないで、社会の施しに回してたんだよ。
真白様のお父上は、そういう方だったぜ。
今みたいに何でも”慈善事業じゃない”の一言で片づけて、誰も何も感じなくなっちまったのは、つい最近のことなんだよ。)
(そうだろうな、ぽん太。俺だって日本武術の先生やってるんだ。そのくらい分かる。)
「ねえねえ、中原くん。この人、生まれはとっても貧乏だったのね。
お金が全然無い状態で、ロンドンに出て来て、成功できたのは20代後半で、丁度いい時期だったんだのよ。」
ん?何のことだ?分からないな。
ヒルティの”早死の法則”について、彼女から聞くのはまだ少し先だ。
僕の表情を氣に止めず、「熱弁」を振るう佑夏。
「成功できても、”これまで貧しくて、二度とお金に困るような目には遭いたくない。しかし、だからといって自分が変わってしまうつもりも無い。
お金は人をダメにする、堕落が始まるのはこういう時だ”って。
自分を戒めてるのが偉いよね。」
「プロデビューしたばっかりの頃、バンドがまるで売れなくて、アメリカで初めてツアーやった時は、客が四人しかいなかったこともあったらしいよ。
安いモーテルに泊まって、男三人で一つのベッドに寝たんだってね。」
「ああ、それも書いてあったわ。そんなこともいい経験になってるのね。」
生徒から、教えられることも、多かったんだって。これ、私、すごく良く分かるわ。」
「参考になった?」
「うん!とっても!ステージでも、サービス精神、出てたよね。また行きたいな!」
「佑夏ちゃん........。」
「なに?」
「あ、いや。この人さ、社会派のアーティストで、色んな社会活動してるんだよね。」
違う。言いたいのは、こんなことじゃない、自分と結ばれて、二人で一生、彼のコンサートに通わないか?
来日公演だけじゃもったいない、この人の自国、イギリスまで、一緒に出かけようよ、というのが本音なんだけど、いくら何でもね。
「そうなのよ!このロンドンでやった、チャリティーコンサートのお話、いいな~!
入場料はおもちゃで、集まったおもちゃは、施設に寄付したのね、素敵~!」
「ああ、そうだね。
日本のアーティストで、そういう話、あまり聞かないね。」
「アハハ、何でだろうね?でも、だからかな~?この人の音楽は、何ていうか、深みっていうのかな?
大きな感動がすごく、伝わってきたわ。スケールが地球規模なんだね。」
(おい、ジンスケ。外国の奴らより、日本はずっとお互いに助け合って生きてきた国なんだ。
儲けは全部、自分のモノにしないで、社会の施しに回してたんだよ。
真白様のお父上は、そういう方だったぜ。
今みたいに何でも”慈善事業じゃない”の一言で片づけて、誰も何も感じなくなっちまったのは、つい最近のことなんだよ。)
(そうだろうな、ぽん太。俺だって日本武術の先生やってるんだ。そのくらい分かる。)
「ねえねえ、中原くん。この人、生まれはとっても貧乏だったのね。
お金が全然無い状態で、ロンドンに出て来て、成功できたのは20代後半で、丁度いい時期だったんだのよ。」
ん?何のことだ?分からないな。
ヒルティの”早死の法則”について、彼女から聞くのはまだ少し先だ。
僕の表情を氣に止めず、「熱弁」を振るう佑夏。
「成功できても、”これまで貧しくて、二度とお金に困るような目には遭いたくない。しかし、だからといって自分が変わってしまうつもりも無い。
お金は人をダメにする、堕落が始まるのはこういう時だ”って。
自分を戒めてるのが偉いよね。」
「プロデビューしたばっかりの頃、バンドがまるで売れなくて、アメリカで初めてツアーやった時は、客が四人しかいなかったこともあったらしいよ。
安いモーテルに泊まって、男三人で一つのベッドに寝たんだってね。」
「ああ、それも書いてあったわ。そんなこともいい経験になってるのね。」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!


幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる