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第九章 ヤマネの夜
ヤマネとは
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「私が初めてヤマネの写真集を出版した頃は、まだヤマネのことを知っている人は少なかったです。
山で見かけても、野ネズミだと思っていた人が多かったようですね。」
東山さんの写真集は、大変な苦労の賜物だったのだ、水野さんが感謝するように
「私も、あの写真集見て、初めてヤマネを知りました。本当に感動して。
もしかして、箱根の森にも、いたのかな?って。帰省する度に、森でヤマネを探すようになったんです。」
「水野さん、近隣の伊豆高原では生息が確認されていますが、箱根では現在まで、記録がありません。」
小林さんが解説を入れる。
「ああ、そうだったんですね。」
少し、がっかりしたようナース嬢、いや、でも、箱根にもいい所はたくさんあるし。
そして、山田さんがおずおずと
「東山先生、あの写真集、うちの保護猫カフェにも、置いてあります。
お客様に勧められたのが、始まりなんです。」
「そうですか、ありがとうございます。
最近は、小学校の自然観察会に呼ばれて、子供達に、ヤマネを知っているか聞きますと、大体、三分の二くらいの子が手を挙げます。
知ってる子は、小さい、可愛い、冬眠するというイメージを持ってますね。
ええっと、世界で二十.......、」
やはり、小学校の話になると、佑夏は目を輝かせ、小林さんが引き継ぐ
「世界で二十六種の仲間がいます。日本、アフリカ、中国、中央アジア、ヨーロッパ、アフリカに生息しています。
日本にいるのは、二ホンヤマネの一種のみ。
日本の固有種であることから、国の天然記念物に指定されています。」
すると、佑夏が子供達が氣になったらしく
「やっぱりレッドデータの?
子供達になんて言ったらいいでしょうか?”いなくならないように、仲良くしてね~!”とか?」
小林さんはキツイ
「白沢さん、小学校の児童には、そんな曖昧な表現ではなく、環境破壊の実態を述べるべきです。」
だが、子育て経験者のルミ子が止めてくる
「子供に、そないな怖いこと言うたら、逆効果ですえ。こんなん言うたらなんですけど、親が環境破壊の会社に勤めとる子供かているんです。反対派は今の内に潰そなんて思われたら、大変です。」
ここで、東山さんが、場をまとめてくれる
「はい、ヤマネは残念ながら、環境省のレッドリストの準絶滅危惧種に指定されています。
白沢さん、私はね、小学校の自然観察会では、まず、子供達に五感で楽しむようにしてもらってるんです。
知識を得るだけのやり方は二の次ですね。」
いかにも、姫の喜びそうな答えである。
山で見かけても、野ネズミだと思っていた人が多かったようですね。」
東山さんの写真集は、大変な苦労の賜物だったのだ、水野さんが感謝するように
「私も、あの写真集見て、初めてヤマネを知りました。本当に感動して。
もしかして、箱根の森にも、いたのかな?って。帰省する度に、森でヤマネを探すようになったんです。」
「水野さん、近隣の伊豆高原では生息が確認されていますが、箱根では現在まで、記録がありません。」
小林さんが解説を入れる。
「ああ、そうだったんですね。」
少し、がっかりしたようナース嬢、いや、でも、箱根にもいい所はたくさんあるし。
そして、山田さんがおずおずと
「東山先生、あの写真集、うちの保護猫カフェにも、置いてあります。
お客様に勧められたのが、始まりなんです。」
「そうですか、ありがとうございます。
最近は、小学校の自然観察会に呼ばれて、子供達に、ヤマネを知っているか聞きますと、大体、三分の二くらいの子が手を挙げます。
知ってる子は、小さい、可愛い、冬眠するというイメージを持ってますね。
ええっと、世界で二十.......、」
やはり、小学校の話になると、佑夏は目を輝かせ、小林さんが引き継ぐ
「世界で二十六種の仲間がいます。日本、アフリカ、中国、中央アジア、ヨーロッパ、アフリカに生息しています。
日本にいるのは、二ホンヤマネの一種のみ。
日本の固有種であることから、国の天然記念物に指定されています。」
すると、佑夏が子供達が氣になったらしく
「やっぱりレッドデータの?
子供達になんて言ったらいいでしょうか?”いなくならないように、仲良くしてね~!”とか?」
小林さんはキツイ
「白沢さん、小学校の児童には、そんな曖昧な表現ではなく、環境破壊の実態を述べるべきです。」
だが、子育て経験者のルミ子が止めてくる
「子供に、そないな怖いこと言うたら、逆効果ですえ。こんなん言うたらなんですけど、親が環境破壊の会社に勤めとる子供かているんです。反対派は今の内に潰そなんて思われたら、大変です。」
ここで、東山さんが、場をまとめてくれる
「はい、ヤマネは残念ながら、環境省のレッドリストの準絶滅危惧種に指定されています。
白沢さん、私はね、小学校の自然観察会では、まず、子供達に五感で楽しむようにしてもらってるんです。
知識を得るだけのやり方は二の次ですね。」
いかにも、姫の喜びそうな答えである。
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