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第四章 怪奇!化け猫談義
怪猫、主人に励まされる
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(もう、真白様に申し訳が立たねえ。オレが勝手に夢幻なんか見ちまったせいで、ルメイを殺り損ねたんだ。)
それは違うぞ。落ち込むな。
「ぽん太、お前を止めた真白さんは、本物だったんじゃないのか?」
(何?)
「きっと天国から、本物の真白さんが下りて来て、お前を止めたんだよ。」
三毛猫の楓はまだ、ぽん太にピッタリ寄り添ったままである。
ぽん太は
(そんなバカな..........。)
と、まだ信じられない様子。
(なんで、ルメイを殺るのに、真白様が止めるんだ?真白様を殺したのは奴なんだぜ?)
そう、ぽん太が言ってきたもので、僕は
「ぽん太、聞きたいことがある。」
(何だ?)
雨はすっかり上がり、部屋に明るい陽射しが差し込んで、ちょっと暑いくらいだ。
「佐賀と徳島の化け猫は、主人が猫に仇を討つように言ったんだろ?」
(ああ、そうだ。恨みを言い含めてな。)
「それじゃ、真白さんは死の間際、お前に仇を討つように、恨みを思念で送って来たのか?」
(い、いや、そんなことはねえ。)
「ほら見ろ、真白さんは仇討なんか、望んでなかったんだよ。」
(何だと?真白様は先コーになる夢を絶たれたんだぞ?どれだけ、目を輝かせて将来を夢見ておられたか、分かってるのか?ルメイに殺されてさぞや、ご無念だったろう!)
雨上がりの鳥のさえずりが聞こえてくる。
ぽん太、まだ分からないのか?
僕はわざと、このデブ猫を少し怒らせるように
「そうか。すると、亡くなった後も、真白さんは恨みで成仏できなくて、お前にルメイを殺せ!ルメイを殺せ!と言い続けてるんだな?カワイイ顔して、結構怖い人なんだな、真白さんは。」
こう言うと案の定、ぽん太は
(バカヤロウ!真白様は、そんな女性じゃねえ!本当に、本当に、お優しい方だったんだ!
真白様がたとえ仇だろうが、人を殺せなんて言ったりするか!あ、..........うう!!)
やはり、この反応。
「ぽん太、もう分かったろ?」
(うう........。)
「真白さんは復讐なんか望んでない。お前に人を殺めて欲しくなかったんだって。
お前を止めたのは、正真正銘、本物の真白さんだ。
天国から下りて来てくれたんだな、可愛い飼い猫の為に。」
(そんな、真白様.........、真白様.......、ううう......。)
もし、猫が涙を流すことができるなら、ぽん太は今、泣いているだろう。
小さな三毛猫の楓は、目を閉じ、ぽん太の頬にスリスリと頬ずりしている。
よし、ついこの間、佑夏から聞いたばかりの、とても効果的な人の励まし方、今ここでやらない手はない。
(相手は人間ではないけど 草)
出典はもちろん、彼女の聖書、アラン・幸福論だ。
「ぽん太、真白さんは、見た目も性格も、佑夏ちゃんにそっくりだったんだよな?」
(それが、どうかしたか?)
「だったら、想像してみろよ。真白さんが今のお前を見て、どう言うか。」
(.............。)
「佑夏ちゃんなら、まずこう言うぞ。”こんなに私を想い続けてくれて、ありがとう”、と。」
(ああ、あの娘は、そういう子だな。)
「真白さんだって同じだ。そして、こう続けるな。
”あなたが、悲しみに負けたりしない強い人だと、私は知ってる。悲しみに負けない、強いあなたを、私に見せて”。
どうだ?真白さんは、そういう女性じゃなかったか?」
ニャオオオ~~!!
猫又の絶叫。
(真白様ーーーー!ありがとうございますーーーーー!!!ううう。)
泣くことのできない、猫の号泣。
それだけに、大粒の涙以上にもらい泣きしそうになる、感情のこもった激しい慟哭。
雨上がりの優しく柔らかい陽光は、まるで天国から届いた光のように、ぽん太と楓を包んでいる。
あれ?氣のせいだろうか?
光の中、佑夏によく似た和風姿の少女が微笑みながら、ぽん太の頭を優しく撫でているように、僕には見えてしまうのは?
それは違うぞ。落ち込むな。
「ぽん太、お前を止めた真白さんは、本物だったんじゃないのか?」
(何?)
「きっと天国から、本物の真白さんが下りて来て、お前を止めたんだよ。」
三毛猫の楓はまだ、ぽん太にピッタリ寄り添ったままである。
ぽん太は
(そんなバカな..........。)
と、まだ信じられない様子。
(なんで、ルメイを殺るのに、真白様が止めるんだ?真白様を殺したのは奴なんだぜ?)
そう、ぽん太が言ってきたもので、僕は
「ぽん太、聞きたいことがある。」
(何だ?)
雨はすっかり上がり、部屋に明るい陽射しが差し込んで、ちょっと暑いくらいだ。
「佐賀と徳島の化け猫は、主人が猫に仇を討つように言ったんだろ?」
(ああ、そうだ。恨みを言い含めてな。)
「それじゃ、真白さんは死の間際、お前に仇を討つように、恨みを思念で送って来たのか?」
(い、いや、そんなことはねえ。)
「ほら見ろ、真白さんは仇討なんか、望んでなかったんだよ。」
(何だと?真白様は先コーになる夢を絶たれたんだぞ?どれだけ、目を輝かせて将来を夢見ておられたか、分かってるのか?ルメイに殺されてさぞや、ご無念だったろう!)
雨上がりの鳥のさえずりが聞こえてくる。
ぽん太、まだ分からないのか?
僕はわざと、このデブ猫を少し怒らせるように
「そうか。すると、亡くなった後も、真白さんは恨みで成仏できなくて、お前にルメイを殺せ!ルメイを殺せ!と言い続けてるんだな?カワイイ顔して、結構怖い人なんだな、真白さんは。」
こう言うと案の定、ぽん太は
(バカヤロウ!真白様は、そんな女性じゃねえ!本当に、本当に、お優しい方だったんだ!
真白様がたとえ仇だろうが、人を殺せなんて言ったりするか!あ、..........うう!!)
やはり、この反応。
「ぽん太、もう分かったろ?」
(うう........。)
「真白さんは復讐なんか望んでない。お前に人を殺めて欲しくなかったんだって。
お前を止めたのは、正真正銘、本物の真白さんだ。
天国から下りて来てくれたんだな、可愛い飼い猫の為に。」
(そんな、真白様.........、真白様.......、ううう......。)
もし、猫が涙を流すことができるなら、ぽん太は今、泣いているだろう。
小さな三毛猫の楓は、目を閉じ、ぽん太の頬にスリスリと頬ずりしている。
よし、ついこの間、佑夏から聞いたばかりの、とても効果的な人の励まし方、今ここでやらない手はない。
(相手は人間ではないけど 草)
出典はもちろん、彼女の聖書、アラン・幸福論だ。
「ぽん太、真白さんは、見た目も性格も、佑夏ちゃんにそっくりだったんだよな?」
(それが、どうかしたか?)
「だったら、想像してみろよ。真白さんが今のお前を見て、どう言うか。」
(.............。)
「佑夏ちゃんなら、まずこう言うぞ。”こんなに私を想い続けてくれて、ありがとう”、と。」
(ああ、あの娘は、そういう子だな。)
「真白さんだって同じだ。そして、こう続けるな。
”あなたが、悲しみに負けたりしない強い人だと、私は知ってる。悲しみに負けない、強いあなたを、私に見せて”。
どうだ?真白さんは、そういう女性じゃなかったか?」
ニャオオオ~~!!
猫又の絶叫。
(真白様ーーーー!ありがとうございますーーーーー!!!ううう。)
泣くことのできない、猫の号泣。
それだけに、大粒の涙以上にもらい泣きしそうになる、感情のこもった激しい慟哭。
雨上がりの優しく柔らかい陽光は、まるで天国から届いた光のように、ぽん太と楓を包んでいる。
あれ?氣のせいだろうか?
光の中、佑夏によく似た和風姿の少女が微笑みながら、ぽん太の頭を優しく撫でているように、僕には見えてしまうのは?
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