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第三章 幸福論の四季
幸せのコンサート
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早いもので、大学の一年目も、もう11月になる。
冬の味覚である、県の特産品の牡蠣が旬を迎えつつある頃だ。
プリプリした食感の牡蠣は、僕も大好物で、地元なら良品が安く手に入る。
山脈から木枯らしが吹き下ろし、葉の落ちた街路樹や電線にヒューヒューと寂し気な音を立てる。
佑夏と初めてデートらしきものをしたのは、このあたりだ。
既に、彼女の卒論のテーマがアラン、ヒルティ、ラッセルの「三大幸福論」であるとは聞いている。
すごいな~、一年の今の内に決めているなんて、よほど好きなんだろう。
最初は、例の宗教団体を想像してドキドキしてしまったが、佑夏には怪しげところなど少しも無く、宗教の話など、これっぽちもしない彼女を疑う理由は無い。
デートというか、なんというか、そんなこの子と一緒に行ったのは、イギリス人男性アーティストのコンサート。
音楽にあまり興味の無い僕が、なぜかこの40代のアーティストだけは好きで、嫌だった中学時代からこの人の曲が心の支えになっている。
人気のアーティストで、チケットは取りにくいが、大学の同級生が取ってくれた。
須藤竜矢、バイト仲間でもある彼はこういった方面にツテがあるのである。
むむ!頼んでもいないのに、須藤は「誰か誘え」と言って、チケットを二枚手配してしまう。
ありがたいが、オイオイ!
エエイ、ダメ元!いつものように、ぽん太のブラッシングをしている佑夏に
「佑夏ちゃん、このコンサート、一緒に行ってくれない?」
ところが、いたって簡単に
「私でいいの?ありがと~!」
しかしな~、僕とデートしたい訳じゃなく、アーティスト目当てなんだろうけど。
でも、いーや。
そんな訳で、僕と佑夏、須藤と須藤の彼女の四人で行くことに。
このアーティストは、南米アマゾンの森林伐採に反対するキャンペーンで、アマゾンインディオの酋長と共に、世界中を回っており、日本も訪問地の一つ。
佑夏はそれを知っていて、教育大生らしく地球環境の問題に、興味津々だったものだ。
冬の味覚である、県の特産品の牡蠣が旬を迎えつつある頃だ。
プリプリした食感の牡蠣は、僕も大好物で、地元なら良品が安く手に入る。
山脈から木枯らしが吹き下ろし、葉の落ちた街路樹や電線にヒューヒューと寂し気な音を立てる。
佑夏と初めてデートらしきものをしたのは、このあたりだ。
既に、彼女の卒論のテーマがアラン、ヒルティ、ラッセルの「三大幸福論」であるとは聞いている。
すごいな~、一年の今の内に決めているなんて、よほど好きなんだろう。
最初は、例の宗教団体を想像してドキドキしてしまったが、佑夏には怪しげところなど少しも無く、宗教の話など、これっぽちもしない彼女を疑う理由は無い。
デートというか、なんというか、そんなこの子と一緒に行ったのは、イギリス人男性アーティストのコンサート。
音楽にあまり興味の無い僕が、なぜかこの40代のアーティストだけは好きで、嫌だった中学時代からこの人の曲が心の支えになっている。
人気のアーティストで、チケットは取りにくいが、大学の同級生が取ってくれた。
須藤竜矢、バイト仲間でもある彼はこういった方面にツテがあるのである。
むむ!頼んでもいないのに、須藤は「誰か誘え」と言って、チケットを二枚手配してしまう。
ありがたいが、オイオイ!
エエイ、ダメ元!いつものように、ぽん太のブラッシングをしている佑夏に
「佑夏ちゃん、このコンサート、一緒に行ってくれない?」
ところが、いたって簡単に
「私でいいの?ありがと~!」
しかしな~、僕とデートしたい訳じゃなく、アーティスト目当てなんだろうけど。
でも、いーや。
そんな訳で、僕と佑夏、須藤と須藤の彼女の四人で行くことに。
このアーティストは、南米アマゾンの森林伐採に反対するキャンペーンで、アマゾンインディオの酋長と共に、世界中を回っており、日本も訪問地の一つ。
佑夏はそれを知っていて、教育大生らしく地球環境の問題に、興味津々だったものだ。
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