【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?

俊也

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最後の賭け

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453: 俊也:16/12/20(火)00:23:24 ID:efD主 ×
天王寺付近


この周辺まで、豊臣方中央軍は押し込まれていた。

「あれを破れば秀頼本陣じゃ!!」
「我らが一番槍をつける!」
「大将首はわしが!!」

前田、浅野、黒田、松平忠直、秀忠そして譜代衆。


幕府軍の実に9割、10万弱が大坂方、そして豊臣家に最後のとどめを刺すべく

砂塵を巻き上げ怒涛の如く押し寄せた
454: 俊也:16/12/20(火)00:24:20 ID:efD主 ×
大坂方は、いまにも引きちぎられそうなぼろ布のようであった。

上空から見るとたわみ続ける逆Uの字に見えよう。


密集隊形で驀進してくる幕府軍の圧力が臨界点に達したら、中央突破及び本陣への直撃を許してしまうに違いない。

それはならじと、恩慈英、毛利勝永、木村重成が鬼の形相で前線にて槍を振るう。


455: 名無し:16/12/20(火)00:26:06 ID:DBz ×
アカンこれじゃ秀頼が死ぬゥ!


456: 俊也:16/12/20(火)00:27:19 ID:efD主 ×
「時間の問題じゃな、あとは・・・・・・」

黒田長政は、この「最後の大攻勢」の只中でひとりごちた。

「この総寄せには加わりつつも、あまり我らは出過ぎるべからず。」

特に譜代衆は先を争って敵本陣及び大坂城一番乗りを競っているようだが、

外様の我々が妙に張り切って軍功を立ててしまうと、駿府及び江戸に睨まれるだけでろくなことはない。関ヶ原の時とは違うのだ。

そうおもいつつも、総進撃そのものの大きな流れには、黒田勢も乗っていかざるを得ない。
457: 俊也:16/12/20(火)00:37:09 ID:efD主 ×

・・・・・・・・・・



「それにしても、いささか密集し過ぎではないか?」


ふとそう思う。

なにかを見落としている・・・・・

そう胸騒ぎを感じたとき。

459: 俊也:16/12/20(火)00:38:18 ID:efD主 ×
「後方に・・・・・・!!」


!!!!


がばっと振り返る長政。

あれは後藤又兵衛隊!?


いや、のみならず長曾我部盛親・・・・・

両側面からは明石全登、大野治房・・・・・・・・

そして正面からは宇喜多秀家、木村重成、毛利勝永が押し込んでくる・・・・・・






まさか・・・・・まさか・・・・・・・・
460: 俊也:16/12/20(火)00:39:32 ID:efD主 ×
「かか、囲まれたアーッ!!」
「ば、ばかな・・・・・・・・・」
「我らの優勢ではなかったのか・・・・・・」




幕府軍は一挙にパニックに陥った。


中心部は押し合いへし合い、もはや進むも退くもままならぬ状況であった。
461: 俊也:16/12/20(火)00:40:57 ID:efD主 ×
「い・・・・いかん!後ろを向くな!立ち止まるな!前へと突き進め!!でなくば囲みは破れぬ!!」

長政が、前田利常が、浅野長晟が声を枯らすが、幕府軍は地獄の窯で煮たてられたようにのたうち回った。
人間は、視界の外・・・・・側面や後方からの脅威に直面するとあまりにも脆い。
だからこそ、古今東西の軍事指揮官は包囲されることを忌避し、逆に攻め手としては包囲網を完成することを目指す。



「ば・・・・・ばかな、兵数が上回る我らが囲まれるだと・・・・・・」


秀忠はうめく。


「と、とにかくお味方の陣を立て直すことを考えませんと・・・・・」

老臣本多正信にとっても初めての窮地であった。
462: 俊也:16/12/20(火)00:42:22 ID:efD主 ×
家康本営。

ようやく傷の手当てを終え、元の位置に本陣を戻した家康の目に、悪夢のような光景が映し出されていた。
「な・・・・・なんたることじゃ!!」
「ばかな・・・・・兵数が劣る側が包囲するなど・・

・・・古今東西そんな兵法は聞いたことがござらぬ・・・・・・・!!」


本多正純はそう言ったが、家康の脳裏にはかつて織田信長が侍らせていた宣教師から聞いた、

古の戦役の話が浮かんでいた。

(し、しかし古のそれを上回る規模で再現して見せるとは・・・・・・
幸村以外にどんな軍師がおるというのじゃ・・・・・・・)
463: 俊也:16/12/20(火)00:43:57 ID:efD主 ×
もはや一方的虐殺であった。

極度に密集した幕府軍は、、まともに身動きもままならず、中央部では圧死するものが相次いだ。
それを免れたものも、四方八方から大坂方に突き立てられ、斬り伏せられ撃ち殺された。
浅野長晟、戦死。
前田利常も麾下の侍大将の多くを失い、自身も重傷を負った。

黒田長政は自らの隊のみでも脱出しようと自ら槍を振るい勇戦するが、

麾下の将兵のパニック状態を押さえることができず悪戦苦闘していた。





まさに阿鼻叫喚であった。
464: 俊也:16/12/20(火)00:46:00 ID:efD主 ×

野戦史上最大級の包囲殲滅戦 成る!!



恩慈英は馬上で督戦しつつ、内心で大きく息をついた


彡(゚)(゚)(計算通りに・・・・いったで・・・・・なんとか・・・・・・。

毛利殿と・・・・そして幸村殿の命を懸けた突撃がなければ・・・


・・・・・感謝します!!)



465: 名無し:16/12/20(火)00:48:31 ID:InP ×
まさかの大逆転劇とはたまげたなぁ


466: 俊也:16/12/20(火)00:49:05 ID:efD主 ×
そう、毛利勝永と真田幸村があれほど激しい突撃を仕掛けたからこそ、幕府軍はそれを大坂方最後の賭けと思い込み、
それが収束した後は勝敗が決したとばかり思い込んで功を競い合い半ば無秩序にこちらの懐に突撃、密集してくれた。


そして罠に気づきうる家康の本営が、幸村の突撃で一時マヒしていたこともきわめて大きい。

彡(゚)(゚)「これで・・・・・なんとか・・・・・・歴史を変えたで!

あとは・・・・・・」
467: 俊也:16/12/20(火)00:50:35 ID:efD主 ×
半刻後

ようやく家康旗本と合流した伊達政宗らの部隊が、包囲網外周を打ち破り秀忠以下の友軍を救出、収容したが、

この時点で幕府方には7万を超える戦死傷者が出ていた。

惨敗であった。




家康は爪を噛み続けた。指先から血が出るのも構わずに。


「仕舞じゃ・・・・・・・

全軍に伝えい!若江まで陣を退く!!」
468: 俊也:16/12/20(火)00:51:57 ID:efD主 ×
「関東方が・・・・・退いていきます!」

「お味方勝利!!お味方勝利!!」

「か・・・・勝ったでええええ!!!」



大坂方全軍は狂喜乱舞した。




「えい!えいっ!おおおおーーーーーッ!!!」


469: 名無し:16/12/20(火)00:52:42 ID:InP ×
カッタデー


470: 俊也:16/12/20(火)01:00:41 ID:efD主 ×

夕刻

大坂城 本丸



「みな大儀であった!生き残ったものも、そうでない者も・・・・・・!!
そなたたちがいなければ、わたしは炎の中で腹を斬っていたであろう。
すべての将士に、できうる限りの事で報いたく思う!」


豊臣秀頼は諸将に深々と頭を下げた。
471: 俊也:16/12/20(火)01:02:36 ID:efD主 ×
「さてこれからですな、徳川との和議の行く末が・・・・・・」


又兵衛の言葉に、恩慈英が頷く。

彡(゚)(゚)「は。先刻徳川からの軍使が参りまして・・・・・・・

明後日正午に若江にて、大御所と秀頼公の直接談判にて今後の事を決めたいとの由・・・・・・」


「こちらから上様に出向けとな?それはちと・・・・・」


長曾我部の言葉に、秀頼が応じた。

「よい。天下静謐のためじゃ。わたしはどこへでも参ろうぞ。」
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