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激突
しおりを挟む176: ↓俊也:16/12/06(火)00:08:11 ID:wIR主 ×
「吉継が・・・・・・われらが・・・・・・負け・・・・・・・・・」
呆然と立ち尽くす三成。
「まだ機はありまする!そうであろう!?恩慈英どの!!」
左近の言葉に恩慈英が強くうなずく。
彡(゚)(゚)「はい!最後の賭けとして、石田隊精鋭による突撃を行いまする!
そして三成様、あなたには確実に逃げ延びて大坂まで辿り着いて頂かねばなりませぬ!!」
そう、なにがなんでも歴史に逆らう!
そのための力戦突撃である。
「判った・・・・・武運を祈る。わしはなんとしても落ち延び再起を図ることとする!」
三成は大きくうなずき、具足を脱ぎ捨て、わずかな供回りすらも断り、
本陣後方の笹尾山の山中へと独り消えていった。
177: ↓俊也:16/12/06(火)00:09:51 ID:wIR主 ×
「命が惜しいものは落ち延びよ。」
左近はそう言ったが、麾下の将士たちはことごとくが突撃に加わることを志願した。
「ふ・・・・・・みな物好きなことよ
では参るぞ!!狙うは家康が首ただ一つじゃ!!」
応!!!
島左近を先頭に、蒲生頼郷、舞兵庫ら2000名あまりの勇士が続いた。
178: 名無し:16/12/06(火)00:12:52 ID:U3h ×
さあ逆転なるか
179: ↓俊也:16/12/06(火)00:14:04 ID:wIR主 ×
家康本営
「戦の帰趨は決しましたな。」
崩壊していく西軍を前に、本多正純がそう語り掛ける。
「いや・・・・・まだ少数ながら精兵が残っておる。治部の子飼いどもが・・・・・・・」
家康は馬の手綱を握る手に力を込めた。
180: ↓俊也:16/12/06(火)00:15:42 ID:wIR主 ×
視界を埋め尽くさんばかりの東軍、しかしその前方から、迫りくる砂塵の嵐があった。
「かかれえ!!!かかれえええ!!!!」
左近の咆哮が、東軍兵士には死神の宣告のごとく響いた。
生き残った兵士の多くは、この左近の大音声が耳から離れず、後々まで夢に見ては跳ね起きたという。
細川忠興隊は一撃で粉砕され、ついで生駒隊も蹴散らされた。
井伊直政、松平定吉隊が島左近隊に噛みつき、家康本隊への直撃をなんとしても阻止せんとする。
181: ↓俊也:16/12/06(火)00:18:02 ID:wIR主 ×
一方、島津義弘隊である。
「矢の陣をとれい!」
すでに激戦の中、彼らは1000人を切るまでに討ち減らされていたが、なお戦意は盛んであった。
「最後に島津の退き口、満天下に知らしめるど!!」
彼らもまた、黒田長政隊の中に猛然と突き入った。
「ぬうう薩摩の死に下手どもが!なんとしても阻止せい!!」
黒田勢も必死の形相で応戦する、が、朝鮮戦役で数十倍の敵を撃破し武名を東アジアに轟かせた
島津兵の戦闘力は、戦国史上にもまれなものであった。
完全に分断された黒田勢。その将兵にぬぐいがたいトラウマを植え付けることとなる。
182: ↓俊也:16/12/06(火)00:20:57 ID:wIR主 ×
家康本陣
「上様、なにとぞ後方にお下がりを、万にひとつきゃつらの槍がここに届くことあらば・・・・・・」
正純の言葉に、しかし家康はかぶりを振った。
「ここでよい。わしは動かぬ」
敵の突撃に逃げたという風聞が広まれば、たといこの戦に勝ったとしても、徳川の武名で天下を束ねることが困難になる。
いまは武門の棟梁、徳川家康という個人のカリスマ性が、豊臣恩顧の猛将たちを心服させ、従えている。
裏を返せば徳川家の権勢はまだ、それだけ脆いということだ。
ゆえに、退かぬ。
ここまでほぼ戦線に参加してこなかった虎の子の旗本3万。
それをもって敵の最後の攻勢を防ぐ!
183: ↓俊也:16/12/06(火)00:36:47 ID:wIR主 ×
「平八郎!!」
「ははっ!!」
忠勇無双の豪将が、蜻蛉切を振り立てつつ前線へと駆けて行った。
彡(゚)(゚)「うおおおおおお!!」
(´・ω・`) 「くらえええええ!!」
勇戦する島左近勢は、ついに徳川本隊まで400メートルの距離へと迫った。
彡(゚)(゚)「よっしゃ!!家康を討つ!!突入や!!」
恩慈英がそう叫んだ時、目の前に槍の柄が突き出される
彡(゚)(゚)「ファッ!?左近様!?」
「おぬしらはここまでじゃ。落ちられよ。
ここで命を削ってよい男たちではない。
その膨大なる先の世の叡智を、なにとぞ三成様、そして豊家の為に・・・・・!!」
彡(゚)(゚)「し、しかし・・・・・・・」
(´・ω・`)「左近様が・・・・・それでは・・・・・・・」
「ならぬ!!」
左近の有無を言わせぬ口調、そしてその威に打たれた恩慈英と原住。
ふたりは唇を噛みつつ頷いた。
「・・・・・ご武運を!!」
2人は馬を返し、混乱する戦場を突っ切り伊吹山方面へと駆けて行った。
そして、島左近隊である
すでに左近自身の肉体には数発の銃弾がめり込み、刀傷も数え切れぬほどであったが、それでも死力を振り絞り、大身の槍を旋回させ、徳川の旗本兵をなぎ倒しつつ果てしなく疾駆した。
麾下の将士達も、そこかしこで敵をねじ伏せ、斬り倒し、あるいは刺し違え、前へ前へと突き進んだ。
184: 俊也:16/12/06(火)00:37:57 ID:wIR主 ×
すまん、仕事疲れにより、本日は此処までにて・・・・・
186: 名無し:16/12/06(火)08:27:10 ID:2FU ×
>>185
どうもそれっぽいな
お疲れイッチ
187: 名無し:16/12/07(水)00:07:43 ID:M80主 ×
そこへ・・・・・・・
「おおっ!島左近殿とお見受けいたすが!?」
大柄な騎馬武者が立ちはだかる。
「うむ。貴殿は内府の将、本多忠勝殿か!?」
「いかにも。ここで相まみえるとはまさに天の配剤。いざ尋常に立ち会われたし。」
蜻蛉切を構える忠勝。
188: 俊也:16/12/07(水)00:08:55 ID:M80主 ×
「はははははは!これだからいくさは面白い!!!」
左近も呼応しすさまじい速度で槍をしならせる。
受け止める忠勝。その直後、返礼の一撃!
顔面すれすれに左近は防ぐ。
互いの肉体を中心とした、ふたつの暴風が荒れ狂い、激突した。
周囲の将士達は、手出しをしない、できなかった。
下手に近づけば巻き添えで消し飛ばされかねない。
凄絶な一騎打ちとなった。
189: 名無し:16/12/07(水)00:10:46 ID:9KB ×
まさかの熱い対決
190: ↓俊也:16/12/07(水)00:11:57 ID:M80主 ×
そして、島津隊である。
黒田隊を突破した後、あわよくば内府の本営をと桃配山方面に突き進んだが、行く手に福島、藤堂隊が立ちはだかった。
島津義弘は、馬を止めた。
「豊久!」
「は!叔父上!」
「もうここらでよか。去ぬるぞ!!」
「ははッ!!」
島津隊は一気に旋回し、猛然と南下し烏頭坂方面から戦線離脱を図った。
この後、いわゆるステガマリ戦法を駆使しつつ、多くの将士を失いつつも島津義久、豊久は脱出に成功する。
191: 名無し:16/12/07(水)00:13:34 ID:B3Z ×
豊久生存ルートか
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