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超天才女子選手のスキャンダル!?なお。
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熱狂から一夜開けた。
ネットSNSも表メディアのスポーツ紙、とテレビのワイドショーも連日の特集…である。
日本人メジャーリーガーの毎日の成績ともいちいち紐付けして語りたがるコメンテーター達。
あながち失笑では済まされない実力を持っているのが、熱狂の中心、総見寺彩奈である。
一緒に宿泊しているチームメイト達にとっても…普段からテンションの上下動は激しいし、何を考えているかわからない。
だけどもう、そう言う普通の物差しはどうでもいいじゃないか。
そう思わせる、巨大な才能以外にも人を惹きつける、でもつかみどころのない。そんな少女が彩奈であった。
で、その彩奈はいま、全体練習から引き上げ、オフの宿舎のロビーに居る。
宿舎の旅館ニュー芦原がほぼ貸切状態なので、おかみの了承頂いてライブ中継をロビーでベンチ入り部員全員で見ていた。
(と言うか野球部員の総数とイコールだが)
彩奈自身は相変わらずマイペース。
スマホ画面と交互に目を配ると言う有様だが、改まったミーティングの場となると来なくなってしまうよりはマシ。
と内田が考えていたのである。
そして、「その男」がマウンドに立った時。
彩奈も少し視線と表情を改める。
きょ、巨人!?
身長209センチ、体重98キロ。
ただのジャンボではなく、鍛えあげられてのそれとすぐわかる。
大阪虎狼高校、エースで4番の室戸重信であった。
左スリークォーターやや下からの150キロ後半の豪速球とスライダー。
ほとんどこれだけで愛知、三河城東高校打線を手玉に取る。
通常時の彩奈と同じく、明らかに軽く流している。
「やべえな。こいつは今までの誰よりも。」
成川が呻くように言った。
頷きはしないが皆が同じ思いだったろう。
ただ1人、彩菜を除いては。
瞳孔が開き、頬が上気している。
完全に猫科の肉食動物モードであった。
大阪虎狼打線はすでに2点リードを奪い、打者室戸が左打席に入る。
ランナー1人を置き、ここまで連続完封の三河城東の好投手から…。
『アウトローボールゾーン、それを捉えたあー!伸びる、センターも諦め…。
スコアボード直撃のホームランッッ!』
うおっ…。
明智が今度は声に出してしまう。
(インハイを攻めてもコンパクトに悠々打ち返す。
長い手足をデメリットにせず最大限に使い切っている…パワーと体格に頼りきらず、とにかく上手い…。)
確かにこれまで戦った中で、最強の怪物。
しかもチームとしての総合力も…。
結局この試合は10ー0。
全試合で二桁得点。
一回戦は2年生が先発して6回まで無失点である。
結局…俺たちが全力を尽くしつつ彩奈を盛り立てていくしかない、か。
明智や、あるいは内田も同じような思考を巡らしていた時。
「うん、確かに凄いね。ちょっと今はわかんない。
でも、明日明後日を勝つのが先決じゃない?」
彩奈の言葉に、皆ははっとした。
正直空気だった鈴井監督が改めて存在感を示そうとする。
「そ、そうだ!
のんびり観戦してんじゃねえぞお前ら!
全体練習は終わってもやれることあるだろ素振りとか!しめてかかれ!」
「「あっはーい」」
鈴井が続けて何か言おうとしたころには、全員が立ち上がりどこかへ散っていた。
そして、夕食後…。
主力組でもう一度動画を見ようとミーティング用の部屋に集まった時。
なんだこれは!
内田がスマホを見て声を上げた。
たまたまネット記事で見かけた、週刊センスプの暴露記事…!
明智、成川も目を剥いた。
「只今人気沸騰のJK野球令嬢、過去お忍びでクラブ出入り。シーシャ含め喫煙&飲酒画像公開!」
独特の照明の中、見づらいとは言え映っているのは確かに総見寺彩奈であった。
ネットの文章によれば昔の「遊び仲間」の男性の1人がアレやこれやと読むに堪えない内容を語っている。
「クソッ!よりによってこんな時に…。
これ明日の朝雑誌になって出るんだろ?」
「こんな時だからこそだろうよ。
あのセンスプ砲に狙われたかっ。
まぁ、彼女の過去やプライベートにノータッチ過ぎた俺らにも責任はあるが…。」
「本人は部屋か?こう言う時、事前に親や本人には連絡行くんだよな。
黙っていたのは責められねーが、しかし学校や監督はもう切り捨てにかかるだろうな…。」
「多分な…こうなった以上仕方ない。
最悪を覚悟するしかない。」
ファラリス学園の中軸ふたりがため息をつく中…。
「俺ちょっと話してくるわ。」
!?
他ならぬ内田俊之が大股で部屋を出る。
「内田!?やめろって、時間もアレだし、せめて生田マネを通すかしろ!」
成川の肩に、明智が手を置く。
「待て、ちょっとキャプテンに任せてみよう。
頼りなくもあるが、反面俺たちに開けられない扉を開けられるかもしれない。そう言う男だ。」
コンコン…。
ノックをするが応答はない。
5分ほど経って、やはり裏目るかもなあなどとあれやこれや悩みつつ踵を返しかけた時。
「うっちー?あー大丈夫だよ。」
なっなんだよ。。
内田はお邪魔します…。
おそるおそると言う感じでドアを開ける。
中で彩奈はなんと、I字バランスを取っていた。バレエはほんのいっ時やったことがあると言う程度。
いやいやいや、それよりその格好!レオタード代わりなのかもしれないが普通にスクール水着!?
「なっ、うわっ、ちょっごめん!?」
「ん?なんか言いに来たんじゃないの?」
今度はヨガかピラティスか、そう言うストレッチの発展系のような姿勢に切り替える。
もしかしたら彼女独自の心技体のトレーニングなのでは?
いやそれよりも!
「あっあのう!その今回の報道の件なんだけど。
ぼ、僕、いや俺は。キャプテンとしてみんなを守る義務がある。
君も勿論例外じゃない。
と言うか、みんなが君がいたからこそここまで来られたってことは十分承知していて。
そのだから…。」
あはははっ。と彩奈は笑い出した。
「君は相変わらずキャプテンぽくないねえ。
でも頑張っちゃうんだね。頼りないけど。
でもみんながほっとけないのがいいとこなんだろうね。」
「え?あ、うんいやそのだから…。」
「どの報道の話か知らないけど大丈夫だよ。私はね。
リーダーこそ色々疲れないの?」
あ、いや…
これじゃどちらがどちらをフォローやケアしに来たかわからない…。
「ま、いいや、今日はこれで。
ねー、ちょっとゲームしていかない?
リアル対戦久々にしてみたくてさー。」
「は?いや…。」
「マ○オカートくらい出来るでしょ。
ホラホラ突っ立ってないで。」
何しに来たのかわからなくなってしまったが、なんとなく全てが彼女にかかると大丈夫に思えて来た。
立てかけた液晶画面の前で、2人で結局ゲームに興じる。
「なんか不器用だなー。うっちーの最初のバッティングみたい。
てか、見づらいでしょそんな遠くじゃ。
いいよここ座って…
あ、ああそうそう。
それなら私もそれなりに出来るから…」
翌朝。
「はい。その画像は私です。
だけどそれ、中3の春ですよ?」
案の定試合への出発時、宿舎前に押しかけた報道陣の前に第一声、総見寺彩奈はそう言い放ったのだ。
「ど、どう言うことでしょうか…!?」
代表して女性レポーターが話しかける。
「どうも何も、幼いでしょ私、ほらこっちが甲子園でスポーツ紙が撮ったときの顔。
すこし輪郭も違うし…?」
爆弾を投げたつもりが打ち返された報道陣がどよめく。
ご丁寧に最初に公開した画像をセンプリ編集部がわざわざ鮮明化した事が仇となり、
「同一人物の年代の違う写真」と言うのが万人の目に明らかになってしまった。
彩奈はいつになく饒舌に語り出す。
「私は、その時は多分父への反抗で荒れてたんです(今も微妙だけど)で、ちょっと道を踏み外しかけてそう言うこともしてました。
大学生の彼氏とかもいたし。
でも、父にバレて殴ら…酷く叱られてからは、そういう付き合いはしてません。
それとも3年以上前の事遡って問題になったりするんでしょうかね?
後、多分誰がそちらに画像売り込んだか見当はつきますけど、いつどこでとか、ちゃんと確認しましたか?」
そ、それは…と詰まるレポーター達。
後はいつの間にか現れた執事平八爺と、成川、山倉らが立ちはだかり、悠々バスに乗る彩奈。
「なんだよお前、そう言うことなら最初から…」
走り出したバスの中で、言いかけた成川の口を内田が塞ぐ。
「さあみんな、これで試合に専念できるゾ。
優勝まであと3つだ!やってやろうぜ!」
応ッ!!
…結局、高野連は、関知していないの一点張り。
その間に準々決勝をファラリス学園は、神奈川の横浜LP相手に12ー0の快勝。
彩奈は1ホームランに加えて21奪三振、大会2度目の完全試合で健在ぶりを見せつける。
しかし、ナインが驚いたのはキャプテン内田の打棒爆発であった。
2打席連発のホームラン含め5打数5安打の暴れぶり。
確かにこの夏打撃が飛躍したにせよ…。
一体何があった。覚醒してんじゃねえか。
顔つきも明らかに自信に満ちてるし…。
明智、成川にもわからない謎であった…。
ネットSNSも表メディアのスポーツ紙、とテレビのワイドショーも連日の特集…である。
日本人メジャーリーガーの毎日の成績ともいちいち紐付けして語りたがるコメンテーター達。
あながち失笑では済まされない実力を持っているのが、熱狂の中心、総見寺彩奈である。
一緒に宿泊しているチームメイト達にとっても…普段からテンションの上下動は激しいし、何を考えているかわからない。
だけどもう、そう言う普通の物差しはどうでもいいじゃないか。
そう思わせる、巨大な才能以外にも人を惹きつける、でもつかみどころのない。そんな少女が彩奈であった。
で、その彩奈はいま、全体練習から引き上げ、オフの宿舎のロビーに居る。
宿舎の旅館ニュー芦原がほぼ貸切状態なので、おかみの了承頂いてライブ中継をロビーでベンチ入り部員全員で見ていた。
(と言うか野球部員の総数とイコールだが)
彩奈自身は相変わらずマイペース。
スマホ画面と交互に目を配ると言う有様だが、改まったミーティングの場となると来なくなってしまうよりはマシ。
と内田が考えていたのである。
そして、「その男」がマウンドに立った時。
彩奈も少し視線と表情を改める。
きょ、巨人!?
身長209センチ、体重98キロ。
ただのジャンボではなく、鍛えあげられてのそれとすぐわかる。
大阪虎狼高校、エースで4番の室戸重信であった。
左スリークォーターやや下からの150キロ後半の豪速球とスライダー。
ほとんどこれだけで愛知、三河城東高校打線を手玉に取る。
通常時の彩奈と同じく、明らかに軽く流している。
「やべえな。こいつは今までの誰よりも。」
成川が呻くように言った。
頷きはしないが皆が同じ思いだったろう。
ただ1人、彩菜を除いては。
瞳孔が開き、頬が上気している。
完全に猫科の肉食動物モードであった。
大阪虎狼打線はすでに2点リードを奪い、打者室戸が左打席に入る。
ランナー1人を置き、ここまで連続完封の三河城東の好投手から…。
『アウトローボールゾーン、それを捉えたあー!伸びる、センターも諦め…。
スコアボード直撃のホームランッッ!』
うおっ…。
明智が今度は声に出してしまう。
(インハイを攻めてもコンパクトに悠々打ち返す。
長い手足をデメリットにせず最大限に使い切っている…パワーと体格に頼りきらず、とにかく上手い…。)
確かにこれまで戦った中で、最強の怪物。
しかもチームとしての総合力も…。
結局この試合は10ー0。
全試合で二桁得点。
一回戦は2年生が先発して6回まで無失点である。
結局…俺たちが全力を尽くしつつ彩奈を盛り立てていくしかない、か。
明智や、あるいは内田も同じような思考を巡らしていた時。
「うん、確かに凄いね。ちょっと今はわかんない。
でも、明日明後日を勝つのが先決じゃない?」
彩奈の言葉に、皆ははっとした。
正直空気だった鈴井監督が改めて存在感を示そうとする。
「そ、そうだ!
のんびり観戦してんじゃねえぞお前ら!
全体練習は終わってもやれることあるだろ素振りとか!しめてかかれ!」
「「あっはーい」」
鈴井が続けて何か言おうとしたころには、全員が立ち上がりどこかへ散っていた。
そして、夕食後…。
主力組でもう一度動画を見ようとミーティング用の部屋に集まった時。
なんだこれは!
内田がスマホを見て声を上げた。
たまたまネット記事で見かけた、週刊センスプの暴露記事…!
明智、成川も目を剥いた。
「只今人気沸騰のJK野球令嬢、過去お忍びでクラブ出入り。シーシャ含め喫煙&飲酒画像公開!」
独特の照明の中、見づらいとは言え映っているのは確かに総見寺彩奈であった。
ネットの文章によれば昔の「遊び仲間」の男性の1人がアレやこれやと読むに堪えない内容を語っている。
「クソッ!よりによってこんな時に…。
これ明日の朝雑誌になって出るんだろ?」
「こんな時だからこそだろうよ。
あのセンスプ砲に狙われたかっ。
まぁ、彼女の過去やプライベートにノータッチ過ぎた俺らにも責任はあるが…。」
「本人は部屋か?こう言う時、事前に親や本人には連絡行くんだよな。
黙っていたのは責められねーが、しかし学校や監督はもう切り捨てにかかるだろうな…。」
「多分な…こうなった以上仕方ない。
最悪を覚悟するしかない。」
ファラリス学園の中軸ふたりがため息をつく中…。
「俺ちょっと話してくるわ。」
!?
他ならぬ内田俊之が大股で部屋を出る。
「内田!?やめろって、時間もアレだし、せめて生田マネを通すかしろ!」
成川の肩に、明智が手を置く。
「待て、ちょっとキャプテンに任せてみよう。
頼りなくもあるが、反面俺たちに開けられない扉を開けられるかもしれない。そう言う男だ。」
コンコン…。
ノックをするが応答はない。
5分ほど経って、やはり裏目るかもなあなどとあれやこれや悩みつつ踵を返しかけた時。
「うっちー?あー大丈夫だよ。」
なっなんだよ。。
内田はお邪魔します…。
おそるおそると言う感じでドアを開ける。
中で彩奈はなんと、I字バランスを取っていた。バレエはほんのいっ時やったことがあると言う程度。
いやいやいや、それよりその格好!レオタード代わりなのかもしれないが普通にスクール水着!?
「なっ、うわっ、ちょっごめん!?」
「ん?なんか言いに来たんじゃないの?」
今度はヨガかピラティスか、そう言うストレッチの発展系のような姿勢に切り替える。
もしかしたら彼女独自の心技体のトレーニングなのでは?
いやそれよりも!
「あっあのう!その今回の報道の件なんだけど。
ぼ、僕、いや俺は。キャプテンとしてみんなを守る義務がある。
君も勿論例外じゃない。
と言うか、みんなが君がいたからこそここまで来られたってことは十分承知していて。
そのだから…。」
あはははっ。と彩奈は笑い出した。
「君は相変わらずキャプテンぽくないねえ。
でも頑張っちゃうんだね。頼りないけど。
でもみんながほっとけないのがいいとこなんだろうね。」
「え?あ、うんいやそのだから…。」
「どの報道の話か知らないけど大丈夫だよ。私はね。
リーダーこそ色々疲れないの?」
あ、いや…
これじゃどちらがどちらをフォローやケアしに来たかわからない…。
「ま、いいや、今日はこれで。
ねー、ちょっとゲームしていかない?
リアル対戦久々にしてみたくてさー。」
「は?いや…。」
「マ○オカートくらい出来るでしょ。
ホラホラ突っ立ってないで。」
何しに来たのかわからなくなってしまったが、なんとなく全てが彼女にかかると大丈夫に思えて来た。
立てかけた液晶画面の前で、2人で結局ゲームに興じる。
「なんか不器用だなー。うっちーの最初のバッティングみたい。
てか、見づらいでしょそんな遠くじゃ。
いいよここ座って…
あ、ああそうそう。
それなら私もそれなりに出来るから…」
翌朝。
「はい。その画像は私です。
だけどそれ、中3の春ですよ?」
案の定試合への出発時、宿舎前に押しかけた報道陣の前に第一声、総見寺彩奈はそう言い放ったのだ。
「ど、どう言うことでしょうか…!?」
代表して女性レポーターが話しかける。
「どうも何も、幼いでしょ私、ほらこっちが甲子園でスポーツ紙が撮ったときの顔。
すこし輪郭も違うし…?」
爆弾を投げたつもりが打ち返された報道陣がどよめく。
ご丁寧に最初に公開した画像をセンプリ編集部がわざわざ鮮明化した事が仇となり、
「同一人物の年代の違う写真」と言うのが万人の目に明らかになってしまった。
彩奈はいつになく饒舌に語り出す。
「私は、その時は多分父への反抗で荒れてたんです(今も微妙だけど)で、ちょっと道を踏み外しかけてそう言うこともしてました。
大学生の彼氏とかもいたし。
でも、父にバレて殴ら…酷く叱られてからは、そういう付き合いはしてません。
それとも3年以上前の事遡って問題になったりするんでしょうかね?
後、多分誰がそちらに画像売り込んだか見当はつきますけど、いつどこでとか、ちゃんと確認しましたか?」
そ、それは…と詰まるレポーター達。
後はいつの間にか現れた執事平八爺と、成川、山倉らが立ちはだかり、悠々バスに乗る彩奈。
「なんだよお前、そう言うことなら最初から…」
走り出したバスの中で、言いかけた成川の口を内田が塞ぐ。
「さあみんな、これで試合に専念できるゾ。
優勝まであと3つだ!やってやろうぜ!」
応ッ!!
…結局、高野連は、関知していないの一点張り。
その間に準々決勝をファラリス学園は、神奈川の横浜LP相手に12ー0の快勝。
彩奈は1ホームランに加えて21奪三振、大会2度目の完全試合で健在ぶりを見せつける。
しかし、ナインが驚いたのはキャプテン内田の打棒爆発であった。
2打席連発のホームラン含め5打数5安打の暴れぶり。
確かにこの夏打撃が飛躍したにせよ…。
一体何があった。覚醒してんじゃねえか。
顔つきも明らかに自信に満ちてるし…。
明智、成川にもわからない謎であった…。
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