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常識破壊ガール で、令嬢さま
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「まだ3.4点なら勝機はある。あの女ばかり見ていた結果がこれだ。チームで勝つ。そのことを考えろ。…だそうです。すみません。」
伝令を殴りたい衝動をこらえて、堂林はわかりましたと伝えるよう言った。
湾岸高監督の言う事はもっともだ。
そもそも「投手・総見寺彩奈」が何イニング持つかは本人にも含め分からない。
崩れるか急激に疲労するか?
その間にも点は奪えるし、エースで実績あるとはいえブランクのある明智が上がってきたら全力で攻略する(簡単ではないにせよ)ことでチャンスがいくらでも膨らむ。
今の点差に留めておけば。
とりあえず彩奈は一塁に無言で歩く。
多少のブーイングはあったが。
そして、打順は1番海藤。
後ろを振り返る堂林、が、彩奈はベースを踏んだまま突っ立っている。
これでは牽制も意味がない。流石に走塁テクニックなどないだろう。
そのままサイン通り、インハイに147キロのストレート、それを海藤が見送り…キャッチャーの小松崎が取るなりすぐに態勢に入った。二塁へぶん投げたのだ。
はぁ!?
なんだと、盗塁?走った!?
リードも取らずに?
小松崎は全国でも見劣りしない強肩。
俺もクイックでストレートを投げた。
つまり最速で刺せる。
舐めやがって、あっさりアウトだ。
だが…。
堂林ら湾岸高ナインのみならず、ベンチやスタンドは再び驚愕する。
彩奈は涼しい顔でセカンドベース上に立ち、塁審はセーフを宣告…
スライディングさえしていない。
どんなダッシュ力ならそんな真似が出来るんだ!?
100m走の陸上日本男子トップでさえ…。
どよめきが再び歓声に変わり、少し照れたような笑みを浮かべる彩奈。
なんなんだ、一体こいつはなんなんだ。
「落ち着け堂林!バッターに専念!」
だが…湾岸高監督もナインも気づかなかった。
完全に堂林の中の、ぎりぎり耐えていた細い一本の糸が切れてしまっていたのだ。
今まで信じていた「野球のセオリー、常識」
それの中でトップレベルになる事で、いま強豪校のエース、ドラフト候補にまで上り詰めた。
海藤は2球目のスライダーを逆らわずにレフト前!
軽やかにホームベースを駆け抜けそのまま自軍ベンチに駆け込む彩奈。
皆とハイタッチをかわし、「うっちーえらいぞ!」と頭を撫でるのを忘れない。
あの女が…いや1人のスーパープレイヤーが、俺のよって立つ常識を完全に粉砕してしまったのだ。
2番立浪は右中間真っ二つの素晴らしいタイムリーツーベース!
3番成川…
「クソが!」
思い切りぶん投げた155キロ。
しかし、成川にとってはスピンも抑えも効かない死んだ球であった。
キイイン!
逆方向に飛び込む本日2本目のホームラン。
さらには明智洸太郎もバックスクリーンに!
湾岸高監督は頭を抱えた。
詰んだ…
第二投手を突っ込んでも、2段階は力量が落ちる。
元々軽く堂林に4.5回投げさせ、それまでにコールドか、ダメでも大量リードを奪った上で余裕を持って2番手3番手の投手で締める予定が…。まさか真逆以上の展開に…。
交代の時期はもう逸した。
5番山倉、こいつなら…。
外角スライダーにフルスイング。ひっかけたファーストゴロ…。
が、その打球速度が凄まじかった!
ファーストミットを弾きライト前へバウンド。
強襲にも程があるヒットである。
嘘だろ…先っちょだぜ!?
特に堂林、山倉のバッテリーは唖然。
「見たか!技を超えた筋力こそ正義!マッスルパワー!!」
「わははは!単打でドヤるな山倉ァ!」
どっと沸くファラリスナインとスタンド。
そして6番児島である。
堂林がモーションに入ろうとする刹那。
タイム!
審判が顔をしかめる。
「すみません、スパイクのヒモが。」
ぴょんぴょんと跳ぶ児島。
その一挙一動が、別の角度から堂林の集中を乱した。
ようやく構えに入った児島。
それが思い切りホームベースに近づき、かぶるような構え。
(露骨な揺さぶりだ。普通に来い堂林)
(ふん、インハイでのけぞらせてやる)
147キロのストレート。
少し冷静さを取り戻したか制球は正確。
しかし、腕を振り抜いた瞬間。
いつのまにか児島の構えと脚の位置が通常に?
しまった!軸足は定位置に、クローズドスタンスで大袈裟に被ってカモフラージュして…。
つまり体勢戻したら相対的には打ち頃の…。
キイン!!
彩奈らには及ばないが、綺麗な放物線。
歓声と共にレフトスタンド…10点目となる2ランホームラン!
「うおおおやったぜ大島さん!」
「児島だよ!」
そう、アベレージタイプだが、地味にホームランを狙うと打てる男だったな。
彩奈が起こした「波」に触発されたか…。
次打者の渡部は痛烈だがサード正面のライナーとなり攻撃終了。
10ー0
つまりこの5回表に得点しないとコールド負けなのだ…。
「4番江藤からだ、とにかく打ち負けるな!」
湾岸高監督の思い、そしてベンチの希望は…
「ットライーク!!」
160キロ!!
投げた彩奈のホームラン以来のどよめき、歓声!
粉々に打ち砕かれた…。
ガクッとベンチに崩れ落ちる堂林…。
終わったな。
最後にギアをトップに(まだその先があるとは知らない)持ってくるとは…。
江藤も高速スイングで応えるが、打球音でなく相手捕手山倉のミットへの炸裂音だけが繰り返される…。
そして残り2人の打者も…。
ストライク!バッターアウト!
ゲームセット!
「Yeah!」
聖ファラリス学園、総見寺彩奈。
5回コールド参考ながら打者15人全員三振。
ミートすら許さぬ
「完全なる完全試合」達成!
いつのまにか試合開始時より増えていたスタンドの観衆も熱狂、彩奈コール。
「たーのしーい!
ありがとーみんな!」
彩奈はナインとハイタッチを交わす。
(本当に、軽やかに、なんの気負いも緊張もなくやっちまいやがった。
とんでもないよお前は)
明智も内心苦笑しかない。
当の彩奈も、何かから解放されたような表情。
初めて、あの時背中を押してくれた父親に感謝する気持ち…直接は多分言わないけど。
「ありがとうございました。」
両校が挨拶を交わす。
「行けよ甲子園。まあ、お前にはそんなもんも通過点だろうが。」
堂林はそう言い残して、最後まで堂々と大股で去っていった。
伝令を殴りたい衝動をこらえて、堂林はわかりましたと伝えるよう言った。
湾岸高監督の言う事はもっともだ。
そもそも「投手・総見寺彩奈」が何イニング持つかは本人にも含め分からない。
崩れるか急激に疲労するか?
その間にも点は奪えるし、エースで実績あるとはいえブランクのある明智が上がってきたら全力で攻略する(簡単ではないにせよ)ことでチャンスがいくらでも膨らむ。
今の点差に留めておけば。
とりあえず彩奈は一塁に無言で歩く。
多少のブーイングはあったが。
そして、打順は1番海藤。
後ろを振り返る堂林、が、彩奈はベースを踏んだまま突っ立っている。
これでは牽制も意味がない。流石に走塁テクニックなどないだろう。
そのままサイン通り、インハイに147キロのストレート、それを海藤が見送り…キャッチャーの小松崎が取るなりすぐに態勢に入った。二塁へぶん投げたのだ。
はぁ!?
なんだと、盗塁?走った!?
リードも取らずに?
小松崎は全国でも見劣りしない強肩。
俺もクイックでストレートを投げた。
つまり最速で刺せる。
舐めやがって、あっさりアウトだ。
だが…。
堂林ら湾岸高ナインのみならず、ベンチやスタンドは再び驚愕する。
彩奈は涼しい顔でセカンドベース上に立ち、塁審はセーフを宣告…
スライディングさえしていない。
どんなダッシュ力ならそんな真似が出来るんだ!?
100m走の陸上日本男子トップでさえ…。
どよめきが再び歓声に変わり、少し照れたような笑みを浮かべる彩奈。
なんなんだ、一体こいつはなんなんだ。
「落ち着け堂林!バッターに専念!」
だが…湾岸高監督もナインも気づかなかった。
完全に堂林の中の、ぎりぎり耐えていた細い一本の糸が切れてしまっていたのだ。
今まで信じていた「野球のセオリー、常識」
それの中でトップレベルになる事で、いま強豪校のエース、ドラフト候補にまで上り詰めた。
海藤は2球目のスライダーを逆らわずにレフト前!
軽やかにホームベースを駆け抜けそのまま自軍ベンチに駆け込む彩奈。
皆とハイタッチをかわし、「うっちーえらいぞ!」と頭を撫でるのを忘れない。
あの女が…いや1人のスーパープレイヤーが、俺のよって立つ常識を完全に粉砕してしまったのだ。
2番立浪は右中間真っ二つの素晴らしいタイムリーツーベース!
3番成川…
「クソが!」
思い切りぶん投げた155キロ。
しかし、成川にとってはスピンも抑えも効かない死んだ球であった。
キイイン!
逆方向に飛び込む本日2本目のホームラン。
さらには明智洸太郎もバックスクリーンに!
湾岸高監督は頭を抱えた。
詰んだ…
第二投手を突っ込んでも、2段階は力量が落ちる。
元々軽く堂林に4.5回投げさせ、それまでにコールドか、ダメでも大量リードを奪った上で余裕を持って2番手3番手の投手で締める予定が…。まさか真逆以上の展開に…。
交代の時期はもう逸した。
5番山倉、こいつなら…。
外角スライダーにフルスイング。ひっかけたファーストゴロ…。
が、その打球速度が凄まじかった!
ファーストミットを弾きライト前へバウンド。
強襲にも程があるヒットである。
嘘だろ…先っちょだぜ!?
特に堂林、山倉のバッテリーは唖然。
「見たか!技を超えた筋力こそ正義!マッスルパワー!!」
「わははは!単打でドヤるな山倉ァ!」
どっと沸くファラリスナインとスタンド。
そして6番児島である。
堂林がモーションに入ろうとする刹那。
タイム!
審判が顔をしかめる。
「すみません、スパイクのヒモが。」
ぴょんぴょんと跳ぶ児島。
その一挙一動が、別の角度から堂林の集中を乱した。
ようやく構えに入った児島。
それが思い切りホームベースに近づき、かぶるような構え。
(露骨な揺さぶりだ。普通に来い堂林)
(ふん、インハイでのけぞらせてやる)
147キロのストレート。
少し冷静さを取り戻したか制球は正確。
しかし、腕を振り抜いた瞬間。
いつのまにか児島の構えと脚の位置が通常に?
しまった!軸足は定位置に、クローズドスタンスで大袈裟に被ってカモフラージュして…。
つまり体勢戻したら相対的には打ち頃の…。
キイン!!
彩奈らには及ばないが、綺麗な放物線。
歓声と共にレフトスタンド…10点目となる2ランホームラン!
「うおおおやったぜ大島さん!」
「児島だよ!」
そう、アベレージタイプだが、地味にホームランを狙うと打てる男だったな。
彩奈が起こした「波」に触発されたか…。
次打者の渡部は痛烈だがサード正面のライナーとなり攻撃終了。
10ー0
つまりこの5回表に得点しないとコールド負けなのだ…。
「4番江藤からだ、とにかく打ち負けるな!」
湾岸高監督の思い、そしてベンチの希望は…
「ットライーク!!」
160キロ!!
投げた彩奈のホームラン以来のどよめき、歓声!
粉々に打ち砕かれた…。
ガクッとベンチに崩れ落ちる堂林…。
終わったな。
最後にギアをトップに(まだその先があるとは知らない)持ってくるとは…。
江藤も高速スイングで応えるが、打球音でなく相手捕手山倉のミットへの炸裂音だけが繰り返される…。
そして残り2人の打者も…。
ストライク!バッターアウト!
ゲームセット!
「Yeah!」
聖ファラリス学園、総見寺彩奈。
5回コールド参考ながら打者15人全員三振。
ミートすら許さぬ
「完全なる完全試合」達成!
いつのまにか試合開始時より増えていたスタンドの観衆も熱狂、彩奈コール。
「たーのしーい!
ありがとーみんな!」
彩奈はナインとハイタッチを交わす。
(本当に、軽やかに、なんの気負いも緊張もなくやっちまいやがった。
とんでもないよお前は)
明智も内心苦笑しかない。
当の彩奈も、何かから解放されたような表情。
初めて、あの時背中を押してくれた父親に感謝する気持ち…直接は多分言わないけど。
「ありがとうございました。」
両校が挨拶を交わす。
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堂林はそう言い残して、最後まで堂々と大股で去っていった。
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