新訳 零戦戦記 選ばれしセカイ

俊也

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再会、奇蹟への戦略

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「具体的に…どういう?」
軍畑司令の当然すぎる疑問。
黙って、紙の束を差し出すめぐみ。
??
目を剥いた軍畑。
今、空自が虎の子のF35以外は頼らざるを得ない、未だ現役のF15、F2系列の簡潔に出来、しかし革新的な性能向上をもたらす改修案。
のみならず簡素で堅実な構造で徴募隊員にも使える小火器から信頼性、精度を上げたレールガンまで、現状の日本でも即量産可能な兵器の設計図の数々であった。
軽く震える手で内線のボタンを押す。
「私だ。至急、統幕本部に繋いでくれ。」
そして久保達に向き直る。
「資料はスキャンして直ぐに東京に送る。
私自身もさっき言ったように直談判してでも、貴官らに然るべき、ここ日本自衛隊における地位を与える。」
その言葉に、久保とカリンは最敬礼。
笠原めぐみはぺこりと頭を下げて応える。

「拓也…本当に拓也なのね…。」
そう、愛妻のまどか。
リモート画面を通しても愛らしく美しい。
「はは、そうだよ。足も着いてる。
そんなに泣くなよ、せっかくの美人が…。」
そんな久保拓也本人も涙ぐんでいた。
「パパー。お絵描きで賞をもらったよー」
「おおーゆず!凄いなあ。来年は小学校だよな。また一緒に絵を描こうな。」
「早く会いたい…拓也。愛してる。」
「俺もだよ。まどか、ゆず。愛してる。
生憎直ぐに前線だが、その前の小休暇程度文句は言わせないさ…飛んで行きたいよ」


その夜は、女性用官舎にカリンとめぐみが泊まり、久保も男性高官用の個室をあてがってもらった。
「深夜便」がときおり北から来るとは聞いていたが、今宵に関してはないようだ。
スクランブルの兆候はない。
何やかんや久しぶりの21世紀のベッド…無論大した出来のものではない機能優先のものだが…。
とにかく久保は眠りについた。

…2時間経ったであろうか?
ん?
人の気配。
念の為半身で拳銃を片手にするが…
ドアノブの鍵を外すころには見当は付いていた…。
めぐみか…。
「あっ、あのごめんなさい。お腹が…」
「いや、こっちこそすまん、気づかずに。」
食事はとっても彼女の頭脳は満たされない。
そう、俺自身が出さない限り。
拳銃はしまったが、久保の主砲は健在で仰角最大。
21世紀の倫理観という障子などとうに突き破っている。
あらわになった肉棒をすっと咥えるめぐみ。
くああっ。
そう言えば前のマルチバース含めると停戦以降、めぐみに構ってあげられなかった。
適切な表現かもわからないが。
ちゅぽちゅぽちゅぽ
上品さは崩さず、何か必死に俺を取り込もうという仕草自体が、昂奮を加速させる。
気持ち大きくなっためぐみの乳房を、パジャマの隙間から手を入れ揉みしだく。
その先端が硬くなる感触。
それがトリガーになってドピュドピュドピュドピュ。
はうあっ!
多分3分も持たなかったろう。
当たり前のように、白濁液をあっさり嚥下するめぐみ。
しかし益々硬くなる久保の拓也。
それを一旦丁寧に舐め清めると、再び咥え吸うめぐみ。
いかん、益々…。
10分で3発。
人心地はついたようだが、まだお互いに気持ちが残っていたところで…。
「バカじゃないの…こっち側に来てまで…何考えて…」
誰なのか、鍵をかけた部屋にどうやってとか、聞くだけ野暮であった。
カリンの頬は上気し、内股になってすでに濡れ切ったそれを必死で抑えようとしている。
「済まない、今後めぐみには必要…」
その久保の口を、カリンの唇が塞ぐ。
舌が侵入しているのを感じながら、ガウンから零れ落ちた美爆乳を、無意識に久保は荒波のように揉みしだいていた。
「ああ、あっあっ、はあっ、ほら、吸って。」
言われるまでもなく、貪るように乳首を乳輪周りごと吸い、舐める。
めぐみはといえば、繊細な指先でカリンの蜜壺を刺激しながら、久保の主砲を再び咥え込む。
ああ…これは、儀式だ。
快楽に溺れ尽くすと見せて、この世界でまた、何とも知れぬ使命を果たすための…
そう俺たち三人はそれぞれのマルチバースでの…
彼以外誰にも理解されない自己正当化を1秒で済まし、ラッパ飲みするようにカリンの膨らみを吸う。
「あっ駄目、出ちゃう、」
ぴゅっう、ぴゅー。
久保の口内を甘やかな液体が満たす。
やはり、この世界でも。
あとは赤ん坊のように…。
ごくごくと飲みながら、下では咥え込むめぐみの口内に放つ。
そして仕上げとばかりに交互に2人を組み伏せ、蜜壺に突き入れ律動に入る…。


翌朝、朝食後、自衛隊制服が久保とカリンに、ビジネススーツがめぐみに渡される…。
問題は階級章であった。
え?空将?
2人ともだ。
「軍畑司令殿、このようなものを渡されても…」
「私も…困ります。そもそも前の世界でも空で戦って…」
だが、こちらに対し敬礼後、司令の姿勢は変わらない。
「防衛省、よりも上が動いた…と理解いただきたい。
…ではないな、ご理解下さい」
先輩…。
「3人の、別世界とは言え歴史を変えた頭脳、経験値がどうしても日本が勝つためには必要なのです。
特に作戦、戦略面においては久保閣下
空戦指揮においてはホルテンブルグ閣下
そしてオーバーテクノロジーにおいては笠原めぐみ様…」
腕組みをしてしまう久保であった。
「…私自身も空で戦えるのでしたらお受けします。」
カリンの言葉に、嬉しそうに頷く軍畑。
それを見ては、久保も受けざるを得ない。
「謹んでお受け致します」
「構いません。致します。」
なんとなしに商談成立してしまった。
一介の戦闘機乗りとして戦わせてはくれないか、今更俺には…。
内心苦笑しつつも、瀕死の日本救命の策を練り始める久保であった。

東京にF15DJを自ら駆り移動する久保達。
都市の所々に中国軍弾道ミサイルと思われる痛ましい痕跡…。
開戦時よりミサイル防衛体制は整ったとは言え…
奴ら、この借りは万倍にして返すぞ!


防衛省にて統幕議長に挨拶、と戦略の概略説明、その他諸々…。
そして…2日半の休暇をもらい、愛する家族の疎開先に向かう久保であった…





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