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バトルオブジャパン
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アメリカが超長距離無差別空襲の全面攻勢に移行しかけていた頃。
欧州戦線も特に西部は、イギリスに本拠を置くB32、B29、ランカスターの混成群VS急造4発爆撃機、ハインケル177D (オーソドックスな手堅い設計、700キロ近い高速と強靭さでイギリス防空の戦闘機隊を苦しめる。)
による凄絶な戦略爆撃消耗戦とも言うべき様相を呈していた。
(無論東部も空陸に渡り一進一退の激戦であったが。)
ただ、まだ100機強とは言えB32が投入されてくると、日本航空隊同様にそのカタさにドイツ空軍は苦しめられていた。
業を煮やした、「ある男」が乗り慣れぬジェット戦闘機…Me262HGに47ミリ機関砲を試験的に搭載した「恐ろしく操縦性が悪い」機体を駆り、なんと一気に8機を屠ってしまうと言う例外もあったが…。
じわじわとドイツ支配地域の戦略拠点や都市が破壊されつつあったのは事実である。
だが連合国側も、弾道ロケット弾V2を本格投入されるとイギリス各都市、工業地帯の損害が拡大し、「大陸大規模上陸作戦」のプランを中々具体的な絵に出来なくなっていた。
そして、1944年3月2日。
それまでもローテーションのように200機弱の規模で地方都市空爆、帝都にも数回襲撃はあったが…。
この日、3週間前と同規模、いやそれ以上の規模…550機のB32が大挙襲来したのである。
時間帯は深夜11時過ぎ。
一旦房総半島方面に迂回したり、引き返しかけたりと様々なフェイクを入れたが…。
日本側は空襲警報を解く事は無かった。
そして本格侵入した大梯団の前に、日本側戦闘機隊が襲い掛かる。
(クッ…深夜なのに数が減ってねえ…むしろ増えてる!?)
志願し再び指揮を執るパワー准将は内心舌打ちする。
いくらそれなりのレーダー管制と手練れ揃いのパイロットと雖も…。
と、目の前に光の花。照明弾か!
しかもなんだ?いつまでも落ちない。
「帝都侵入まで8分30秒!
墜としまくれ!」
戦略機ノルニル、雷電である。
「派手に花火大会いくぞ!お前ら!」
「「了解!!」」
零戦88型、76型、陸軍の疾風、屠龍が襲い掛かる。
「クソッ!?短期間でこちらの機体の攻略に!?」
前回よりわがB32の被弾、被撃墜ペースが落ちている。
「編隊崩すな!弾幕足りんぞ!」
しかしレシプロのゼロタイプ76型でも200キロ前後優速なのだ。
そして敵の狙い所も、コクピット、尾翼、エルロン等地味に痛い急所を狙ってくる。
それも超高空の運動性の優位あってのことだが…。
プラスこれだけの手練れがどこの方面にも当たり前にいる日本航空隊…。
そして暴れ回る2機の超重戦闘機!
無線には各隊隊長からの悲鳴じみた報告…。
だが我らステイツは引けぬ。日本人よ侮るな!
例え一機でも侵入し投弾すれば勝利!
その気迫で突破あるのみ!
「各機、敵都市中枢に入り次第各個に爆撃開始だ!」
「「イエスサー!」」
なんとか…4割程度は東京侵入に成功したか…?護衛を…いい加減まともなジェット戦闘機をこちらも…艦上機でないと日本本土に接近出来ないが…いや、今考える事ではない!
「喰らえ!」
「死ねやジャップ!」
前回を超える敵防空網による犠牲に、却って米軍クルー達の怒りによる士気は上がった。
今回は焼夷弾の威力が想像以上であった戦訓もあり、搭載弾の7割以上がそれであった。
我が機体も爆弾層を開き…。
!!??
連続爆発音!高射砲か!?
いや、このスケールは、まさか艦砲!?
それも対空榴弾…不運な機体は、爆弾層を開いたところを直撃され轟音と共に消し飛ぶ。
それ以外のB32群も、撃墜には至らずとも無視できぬダメージを被る。
「よし、敵さんは動揺しているな。」
神戸海軍少佐ははしゃぎたくなるのを辛うじて自制する。
御台場洋上に設置された、巨大な三基の「それ」
「謎の超巨艦」に装備される予定であった通常火薬式の51サンチ砲。
それを改造し四式対空榴弾砲と成したのである。
ここまでの空爆で擬態するのには一苦労であったが。
これにウルツブルグレーダーの貴重な現物を組み合わせて初歩の射撃管制を行なっていた。
「おー!流石にタフだが、バラバラ落ちてるのが見える!」
「ばら撒く弾子も37ミリ砲相当、特注品ですからね!」
さらに拡大する被害。
しかし、それは空爆を受けている眼下の街も同じこと…。
焼夷弾の割合を増やした分、闇夜などないかのように、下はオレンジ一色で染まっていた。
「今回も任務は完遂…だ。」
いい?どこをどう破壊したかは究極どうでもよいの。
ジャップに恐怖と絶望を与えることよ。
そうルメイ司令も仰っていた。
しかし、ハワイまでの道程は長く、まだ送り狼の嵐を突き抜けなければならない。
一方…。
帝都特種対爆防空壕 第5区画。
甲子園球場グラウンドの3倍程度の広大な空間で、都民達はひしめきあい、息を潜めていた。
「こないだのバケモノか…」
「日本の戦闘機はなにやってんの?」
「相当墜としてるんだって。
でも数とデカさが桁違いなんだ…」
「母ちゃん怖いよ…」
みな不安を表情や言葉に出していたが、読者の皆様が想像するような防空壕の印象とは程遠く、広く明るい。
帝都のみならず各地方都市等で徐々に作られているそれに関しては「シェルター」の呼称が一般化することになる。
まだ帝都民全員をスムーズに収容するには程遠いが、そこに至る地下通路に潜り込んでしまえば生き延びる可能性は高まる。
それでも今次空襲でも1万8千の人命が喪われたのであるが…。
米軍側も70%を超える史上最悪級の損害を被ったのである。
(作者駐:よろしければ2022/05/27付けで読者様へのお願いがございますので、近況報告をご覧下さいませ。)
欧州戦線も特に西部は、イギリスに本拠を置くB32、B29、ランカスターの混成群VS急造4発爆撃機、ハインケル177D (オーソドックスな手堅い設計、700キロ近い高速と強靭さでイギリス防空の戦闘機隊を苦しめる。)
による凄絶な戦略爆撃消耗戦とも言うべき様相を呈していた。
(無論東部も空陸に渡り一進一退の激戦であったが。)
ただ、まだ100機強とは言えB32が投入されてくると、日本航空隊同様にそのカタさにドイツ空軍は苦しめられていた。
業を煮やした、「ある男」が乗り慣れぬジェット戦闘機…Me262HGに47ミリ機関砲を試験的に搭載した「恐ろしく操縦性が悪い」機体を駆り、なんと一気に8機を屠ってしまうと言う例外もあったが…。
じわじわとドイツ支配地域の戦略拠点や都市が破壊されつつあったのは事実である。
だが連合国側も、弾道ロケット弾V2を本格投入されるとイギリス各都市、工業地帯の損害が拡大し、「大陸大規模上陸作戦」のプランを中々具体的な絵に出来なくなっていた。
そして、1944年3月2日。
それまでもローテーションのように200機弱の規模で地方都市空爆、帝都にも数回襲撃はあったが…。
この日、3週間前と同規模、いやそれ以上の規模…550機のB32が大挙襲来したのである。
時間帯は深夜11時過ぎ。
一旦房総半島方面に迂回したり、引き返しかけたりと様々なフェイクを入れたが…。
日本側は空襲警報を解く事は無かった。
そして本格侵入した大梯団の前に、日本側戦闘機隊が襲い掛かる。
(クッ…深夜なのに数が減ってねえ…むしろ増えてる!?)
志願し再び指揮を執るパワー准将は内心舌打ちする。
いくらそれなりのレーダー管制と手練れ揃いのパイロットと雖も…。
と、目の前に光の花。照明弾か!
しかもなんだ?いつまでも落ちない。
「帝都侵入まで8分30秒!
墜としまくれ!」
戦略機ノルニル、雷電である。
「派手に花火大会いくぞ!お前ら!」
「「了解!!」」
零戦88型、76型、陸軍の疾風、屠龍が襲い掛かる。
「クソッ!?短期間でこちらの機体の攻略に!?」
前回よりわがB32の被弾、被撃墜ペースが落ちている。
「編隊崩すな!弾幕足りんぞ!」
しかしレシプロのゼロタイプ76型でも200キロ前後優速なのだ。
そして敵の狙い所も、コクピット、尾翼、エルロン等地味に痛い急所を狙ってくる。
それも超高空の運動性の優位あってのことだが…。
プラスこれだけの手練れがどこの方面にも当たり前にいる日本航空隊…。
そして暴れ回る2機の超重戦闘機!
無線には各隊隊長からの悲鳴じみた報告…。
だが我らステイツは引けぬ。日本人よ侮るな!
例え一機でも侵入し投弾すれば勝利!
その気迫で突破あるのみ!
「各機、敵都市中枢に入り次第各個に爆撃開始だ!」
「「イエスサー!」」
なんとか…4割程度は東京侵入に成功したか…?護衛を…いい加減まともなジェット戦闘機をこちらも…艦上機でないと日本本土に接近出来ないが…いや、今考える事ではない!
「喰らえ!」
「死ねやジャップ!」
前回を超える敵防空網による犠牲に、却って米軍クルー達の怒りによる士気は上がった。
今回は焼夷弾の威力が想像以上であった戦訓もあり、搭載弾の7割以上がそれであった。
我が機体も爆弾層を開き…。
!!??
連続爆発音!高射砲か!?
いや、このスケールは、まさか艦砲!?
それも対空榴弾…不運な機体は、爆弾層を開いたところを直撃され轟音と共に消し飛ぶ。
それ以外のB32群も、撃墜には至らずとも無視できぬダメージを被る。
「よし、敵さんは動揺しているな。」
神戸海軍少佐ははしゃぎたくなるのを辛うじて自制する。
御台場洋上に設置された、巨大な三基の「それ」
「謎の超巨艦」に装備される予定であった通常火薬式の51サンチ砲。
それを改造し四式対空榴弾砲と成したのである。
ここまでの空爆で擬態するのには一苦労であったが。
これにウルツブルグレーダーの貴重な現物を組み合わせて初歩の射撃管制を行なっていた。
「おー!流石にタフだが、バラバラ落ちてるのが見える!」
「ばら撒く弾子も37ミリ砲相当、特注品ですからね!」
さらに拡大する被害。
しかし、それは空爆を受けている眼下の街も同じこと…。
焼夷弾の割合を増やした分、闇夜などないかのように、下はオレンジ一色で染まっていた。
「今回も任務は完遂…だ。」
いい?どこをどう破壊したかは究極どうでもよいの。
ジャップに恐怖と絶望を与えることよ。
そうルメイ司令も仰っていた。
しかし、ハワイまでの道程は長く、まだ送り狼の嵐を突き抜けなければならない。
一方…。
帝都特種対爆防空壕 第5区画。
甲子園球場グラウンドの3倍程度の広大な空間で、都民達はひしめきあい、息を潜めていた。
「こないだのバケモノか…」
「日本の戦闘機はなにやってんの?」
「相当墜としてるんだって。
でも数とデカさが桁違いなんだ…」
「母ちゃん怖いよ…」
みな不安を表情や言葉に出していたが、読者の皆様が想像するような防空壕の印象とは程遠く、広く明るい。
帝都のみならず各地方都市等で徐々に作られているそれに関しては「シェルター」の呼称が一般化することになる。
まだ帝都民全員をスムーズに収容するには程遠いが、そこに至る地下通路に潜り込んでしまえば生き延びる可能性は高まる。
それでも今次空襲でも1万8千の人命が喪われたのであるが…。
米軍側も70%を超える史上最悪級の損害を被ったのである。
(作者駐:よろしければ2022/05/27付けで読者様へのお願いがございますので、近況報告をご覧下さいませ。)
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