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GF

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「で、その内容を内閣の御歴々に披露した…。と。」
「御意…。」
日本海軍 戦艦長門 長官室。
源田の目の前で、彼の総指揮官たる人物は逆立ちをしていた。
「中々、なんと言うか、俺とは違った意味で危ないやつだな笑。」
「は、まぁ仰る通りにて。」
「いち海軍内の技術屋にしておくには勿体ない。
ふーむ。貴官の目から見てどうかね。」
「まぁ、上手く飼い慣らせば、我々の強力な味方にはなるかと…。」
なるほど!
と一言発し、GF…連合艦隊司令長官山本五十六は、逆立ちの態勢を解いた。
「話を聞く限りでは、東條さんも理の部分では理解しつつも…立場上は受け入れられんだろうなぁ。
ふーむ、軍令部に話を回して、彼に当面は従卒と言う建前で、2、3名護衛をつけてやるか。」
「それが、よろしいかと。
後は我々の腹案を、どの程度読んでいるか。でありますな。」
「うむ。『それ』に関して彼…久保拓也が何か言っていたら、俺に報告をくれ。」
「御意。」
「後は…例のゼロの新型完成に目処がついたら、本格的に俺たち側に迎え入れたい所だなぁ。」


10月3日。台湾 新設なった台南空基地。
「ほぼ形になって来たな。」
小園飛行長が周辺空域の、味方機の機動を見て呟く。
「まあ、確かに。
しかし、もし事が起こり、例の攻撃作戦を実行するとなると不安もあります。」
既にエースパイロットの一員として上層部も認める、坂井三郎一飛曹がそう進言する。
「うむ。貴様独自の零戦の低燃費飛行法を、くまなく新任の連中に伝授してやってくれ。」
「はっ。」
零戦…か…。
最初に見た時は、96戦に較べなんと扱いづらいデクの棒だと愕然としたものだったが…。
今となっては手放し難い、頼もし過ぎる相棒となっている駿馬…。
しきりに噂される、米英との戦い。
理屈では、国としてはするべきではないのかもしれない。
しかし、やはりひとりの戦闘機乗りとしては試したい。
こいつがどれだけ、世界の列強に対抗できるか…。


一方、帝都東京。
とある純喫茶で、メモを渡された中村は珈琲を吹きそうになった。
「正気か?」
自分と似たような私服姿の久保に、そう問い返す。
「ああ、本気だ。」
「いや、俺は正気かどうかと…?」
しかし、腐れ縁の旧友の目を見た中村は諦めの表情。
「わかったよ。
まぁ、内地に無いのはほぼ確定だからな。
あちらの方のいくつかのツテを当たってみるさ。」
「済まない。この後の飯も含めて奢らせてもらう。」
軽く手を挙げて、中村は便所に中座しながら思う。

一体全体、お前は何をやりたいんだ?





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