吸血鬼VS風船ゾンビ

畑山

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夜、畑と雨戸

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 山本権造は平野勝山の畑に来ていた。
 畑の野菜は順調に育っていた。今年はタマネギを多めに植え付けた。タマネギは保存が利くうえ、血液をきれいにする効果があるらしい。どうせ吸うなら、いい血の方がいい。肥料は、山の落ち葉をかき集め発酵させた物を元肥としてまいた。鶏小屋があるので鶏糞が少しはあるが、蒔くほどの量がない。追肥は与えなかったが、ぴんと張った緑色の葉を広げていた。病気が出ているタマネギがあったが、それは引っこ抜いた。
 エンドウやソラマメも大きくなっていた。
 エンドウは竹藪から切り出した枝のついた竹を、枝がふれあうぐらいの等間隔に突き刺して、そこに蔓を這わした。冬の寒さで枯れてしまったものもあるが、多めに蒔いておいたので蔓をお互いに絡ませ伸びている。さほど肥料のいる作物ではないので、これも順調だ。白い花を遠慮がちに咲かせていた。
 ソラマメは、分けつした茎が生き生きと伸びていた。これも枝のついた短めの竹をさしこんでおいた。
 今日は、暖かい窓辺で芽出ししておいたジャガイモを植えた。品種としては、アンデスレッドとニシユタカを選んだ。どちらも春と秋、二回植えることのできる品種だ。インカのめざめも二回植えることができるが、こちらはとれる量が少ない。今は量が必要だった。肥料は発酵させた山の落ち葉をすき込んだ。これも、それほど肥料のいる作物ではないので、これで十分育つ。 
 もう少し暖かくなったら、大豆やトウモロコシも植えてみようと考えていた。




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