おっさんの転生珍道中

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討伐依頼

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おはようございます。藤木大樹です。
寝たままベッドで失礼します。
なんと、金縛りにあっています。
 
くっ、体が動かない。声は、「あーあー」出る。
なぜだ?

『あるじさま、おはようございます』
ミコが、胸に飛び乗っかって来た。

「ぎゃ~痛い!」悲鳴をあげた。
『あるじさま、どうしたんですか?』

「ミコ、あまり体に刺激を与えないで…」
涙目になりながら訴えた。
ミコとは大分打ち解けて冗談も言い合える仲にはなっていた。
なので、ミコは大樹が動けないのをいい事に、尻尾で顔をくすぐったりしている。

「ちょっとミコ、やめてや、怒るぞ!」

ミコはやっぱり神の神使だけあって、すぐ調子にのる。

くそ~なんとか動ける様にならないと…ん?
体…回復…治す…
『創造具現』
ステータス確認して、よし!
『キュア』
全身が光輝いた。

ミコは何事かと目をパチクリ。

キュアは、簡単に説明すると、体を正常に戻したり、まぁ、回復するスキルだ。

ミコにバレない様に、動くのを確認してからの…
ガバァ~っと起き上がりミコを捕まえた。
「ふっふっふよくも好き勝手に色々してくれたな!」
ものすご~い笑顔のまま、ミコをこねくり回した。

『あるじさま、あっ、そこは、あ~~』

ふぅ~お仕置き&ストレス発散完了!
何をしたかはご想像にお任せします。

首をコキコキ。良かった  体が軽い。
それにしても、動けないぐらいの筋肉痛は初めてでビックリしたよ…

それはそうと、今日こそは依頼を受けて稼がないと。
大樹逹は用意を済ませギルドに向かった。

ギルドに入ると何やら騒がしい。
「おはようございますクレマさん。昨日は色々とありがとうございます。」

「おはようございますダイキ様。目が怖いですよ」

「ギルドの中が騒がしいですけど何かあったんですか?」まぁうるさいのはいつもだけど…

「そうなんですよ、ゴブリンが大量発生しているらしく、人や家畜に影響が出ているんです。」

「ゴブリン?」

話を聞くと、ゴブリンは知能と力が低いが、繁殖力と統率力が高い。子を作るのに街や村から女を攫って孕ませ、1匹見たら5匹はいると思った方がいいらしい。

「そんな強い魔物ではないのに、なぜ困っているのですか?」

「たしかに、ゴブリン程度なら低ランクの冒険者だけで討伐できますが、噂ではその中にゴブリンキングが群れを統率しているらしいのです。それにまだ数も把握していないですし…」

ゴブリンキングは、知能も高く力が強い個体で、稀に突然変異で生まれてくる。前にこの世界に現れたのは、数百年前らしい。

はぁ~なんかな~俺がいる時に出てこなくてもいいのに。
このあたりは、俺の悪運が働いているのかも…

「そのゴブリンキングが、ここから1日ぐらい行った山の中に、ゴブリンの集落を築き、家畜や人などを襲っているみたいなので、近隣の村や街から討伐の依頼が来ているんです。このまま放置しとくと、多大な被害を覆ってしまうのです。だから今このギルドで勇士を集っているのです。」

だからギルドの中の冒険者達がざわめいてるのか。

「それなら俺も邪魔にならない程度にお手伝いしますよ。ちょうど依頼を受けに来たとこですし…」

「それは助かります。報酬の方も出ますので、タダ働きにはなりませんので心配しないでください。」

おぉ報酬がでるならやりがいがある。
ここらで実戦にもなれないとだめだ。まだ殺す事には躊躇してしまうが…

「出発までは、まだ時間がありますので、用意をお願いします。」

用意ってもな~特にないな。
座って待ってるか。
椅子に座りながら人間観察していると
「お前もゴブリン討伐に参加するのか?」
金髪イケメンのローブを羽織った男が声をかけて来た。

「俺はセシル、魔術士だよろしく!」
「仲良くしようぜ!」肩に手を掛けてきた。

やけに、馴れ馴れしいな…イケメンだからって何しても許されると思うなよ…このやろ~
「俺は大樹だ、一応戦士?だ」
…恥ずかしい…自分で戦士って…

「お前、顔赤いけど大丈夫か?」

「大丈夫…だ、セシル俺に何か用か?」
なんでこいつは俺に話しかけてきたんだ?

「いや~特に用はないが、見るからに暇そうだったから、出発まで時間を潰そうかな~っと…てのは冗談で。」

蔑んだ目でセシルを見る。

「いやいや俺は怪しい奴じゃないから!ただ、ダイキだっけか?お前から異様な魔力を感じたもんで、声を掛けたって訳さ!」セシルはウインクした。

『あるじさま、ミコはこの人苦手です。』
『俺も…』

「時間まで色々話そうぜ!」またウインクした。

まぁいいか、俺も色々聞きたい事もあるし、魔力と魔法の事も聞きたいし。

出発までの時間で魔法の事を少し教えてもらった。
魔法には、基本の火、水、風、土、光、闇、あと失われた魔法も数多くあるらしい。
魔法を使うにはその属性の詠唱を唱えないと使えないし、魔力の多さによって威力も違う。
俺の魔力が異様に感じたのは、魔法を使う魔術士には得意な属性があり、その属性が何となくだが分かると言う…
そして俺の魔力は全部の属性を感じたらしい。

俺はまだ魔法なんてクリーンとキュアしか使えないけど、これを期に魔法でも創ってみるかな。

そうこうしてるうちに出発の時間が来た。

「ダイキ、頑張ろうな!死ぬんじゃないぞ!」
セシルに背中を叩かれた。

う、「おう、セシルもな」

ギルドマスターのガルフォードさんが、今回の討伐依頼の説明をし、街を後にした。
今回集まった冒険者は100人、前衛が70の後衛が30、この他にも違う街や村のギルドの冒険者もゴブリンの討伐に参加する予定だ。

ゴブリンの集落までは、歩いて1日ぐらいかかる。
多分どこかで、野営をするのだろう。

その野営までの道では、兎に角の生えたホーンラビットや、大きいネズミビッグマウス、毒を吐く蛇ポイズンバイパーが出たが100人も冒険者がいるから何も脅威にはなりもせず、すんなり野営地まで到着した。

途中、セシルがウザいくらいちょっかいをかけて来たが、無視してやった。

野営地には辺りが暗くなって来た頃に着いた。

俺は鞄から弁当と飲み物をだした。
この弁当はソフィアさんに作ってもらった。
『ミコ、腹減っただろ?食べよう!』
『はい、お腹ぺこぺこです。』

「おぉ、ダイキ、いいもん食べてるな!」
セシルが弁当を覗いている。

はぁ~またか…
「お前のはないからな!」

「え~!ないの?」

「ある訳ないだろ!今日初めて会ったのに、お前の分が用意してあったら怖いだろ!」

「なら、これもらい~パクっ…ん~うまい!」

「あっ…俺の弁当を…」

「明日に備えて早く寝れよ~バイビ~」
セシルは逃げるように去って行った。

「たく、なんなんだあの男は?」
『あるじさま、あのセシルっていう人、苦手ですけど憎めない人ですね。』

ん~たしかに。
昔、あんな感じの先輩がいたな。よく面倒を見てもらい、たよりになる先輩だった。
イケメンではなかったけど…

『まぁ悪い奴ではないし、俺は嫌いじゃない。』

『ふふ』

『ミコが笑うのは珍しいな!』
ミコを抱き上げた。

『あるじさま、私だって笑いますよ』
プニ…プニ…肉球で腹を叩かない…拗ねたミコもかわいい…

明日はゴブリン討伐だ
何も起きなきゃいいが…

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