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第十四章 準備万端な魔塔主と常に努力する弟子
364.師匠と弟子の甘々なやり取り
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レイヴンの遠慮がちな唇は、瞼や目尻に優しく触れてくる。
緊張度合いが伝わって来て余計に煽られちまうんだが、俺への気持ちが伝わってくるキスは胸の奥がじんわりと熱くなる。
「あの……いつまで続ければいいですか?」
「ん? ああ、好きなだけいいぞ」
「好きなだけって……だったらもう充分ですよね」
うっすら目を開けると、真っ赤な顔のレイヴンが睫毛を伏せてもじもじとしていた。
戸惑う睫毛に俺の睫毛を重ねて何度か瞬きしてみせると、レイヴンの身体が僅かに身じろぎする。
「何、してるんですか? うぅ……擽ったいです」
「キスってのは情熱的なものばかりじゃないって言うだろ?」
きゅっと目を瞑るレイヴンを安心させるように、ツンと鼻同士をくっつけた。
至近距離で視線が重なり合うと、レイヴンの頬は更に赤みを増す。
「そんなにじっと見ないでください」
「見てるのは俺だけだからいいじゃねぇか」
「だからですよっ。どんな顔すればいいか分からないし……」
ったく、大人ぶったかと思えば急に子どもみてぇなことを言いだすんだよな。
コロコロ切り替わるのも俺に取っちゃ可愛いもんだが、普段のレイヴンしか知らないやつから見れば驚くかもしれねぇ。
笑いながら額同士をくっつけてグリグリと擦ると、文句を言いながら俺を引き剥がしてくる。
「これはこれで恥ずかしいので! というか、テオに見られるのが嫌なんですって」
「いつももっと激しいことしてるじゃねぇか。まあ、レイちゃんは激しいのが好きだか……」
言いかけたところで、レイヴンの両手で口を塞がれる。
舌を出して手のひらをちょんと舐めてやると、ひゃあっ! という悲鳴とともに手を離された。
「油断も隙もない! っていうか、テオはもう大丈夫そうだし。俺、離れてもいいですよね?」
レイヴンが俺から距離を取ろうとする。
すかさず腕を掴んで引き寄せてから、また抱きしめた。
「嫌だ」
レイヴンの首筋に顔を埋めながらキッパリ言い切ると、レイヴンはたじろいで動きを止める。
「そんな言い方しなくても……」
「軽口を叩いてふざけるのはいつものことだろ。それとも、レイヴンは本当に俺とくっついているのは嫌なのか?」
「え? 嫌とかそういうことじゃ……」
レイヴンの白い首筋に柔らかく唇を押し付けてから、少し吸い上げる。
跡を付けない程度に、筋にそって唇を何度も触れさせていく。
「ま、待って……っ」
レイヴンが待てと言った瞬間に、動きを止める。
俺が止まると思ってなかったのか、レイヴンは更に困惑しているみたいだ。
「テオ……?」
「ん?」
「あっ、ええと……」
レイヴンは良い淀んでから、おずおずと俺の背中へ両腕を回してくる。
腕の力はやんわりだが、明確な意思表示をしようとしているらしい。
「……嫌じゃないです。俺はいつもテオと一緒にいたいと思ってます。だから……」
「だから?」
俺が顔を埋めたまま同じ言葉で聞き返すと、レイヴンは俺の耳へ唇を寄せてきた。
俺の耳へ唇を遠慮がちに触れさせてから、小さな声で言葉を紡ぐ。
「テオが俺にしたいと思ったことを……してください」
久しぶりのお誘いの言葉は、俺を誘惑するには十分すぎるほどだった。
全く、誰がこんな風に育てたんだか。
緊張度合いが伝わって来て余計に煽られちまうんだが、俺への気持ちが伝わってくるキスは胸の奥がじんわりと熱くなる。
「あの……いつまで続ければいいですか?」
「ん? ああ、好きなだけいいぞ」
「好きなだけって……だったらもう充分ですよね」
うっすら目を開けると、真っ赤な顔のレイヴンが睫毛を伏せてもじもじとしていた。
戸惑う睫毛に俺の睫毛を重ねて何度か瞬きしてみせると、レイヴンの身体が僅かに身じろぎする。
「何、してるんですか? うぅ……擽ったいです」
「キスってのは情熱的なものばかりじゃないって言うだろ?」
きゅっと目を瞑るレイヴンを安心させるように、ツンと鼻同士をくっつけた。
至近距離で視線が重なり合うと、レイヴンの頬は更に赤みを増す。
「そんなにじっと見ないでください」
「見てるのは俺だけだからいいじゃねぇか」
「だからですよっ。どんな顔すればいいか分からないし……」
ったく、大人ぶったかと思えば急に子どもみてぇなことを言いだすんだよな。
コロコロ切り替わるのも俺に取っちゃ可愛いもんだが、普段のレイヴンしか知らないやつから見れば驚くかもしれねぇ。
笑いながら額同士をくっつけてグリグリと擦ると、文句を言いながら俺を引き剥がしてくる。
「これはこれで恥ずかしいので! というか、テオに見られるのが嫌なんですって」
「いつももっと激しいことしてるじゃねぇか。まあ、レイちゃんは激しいのが好きだか……」
言いかけたところで、レイヴンの両手で口を塞がれる。
舌を出して手のひらをちょんと舐めてやると、ひゃあっ! という悲鳴とともに手を離された。
「油断も隙もない! っていうか、テオはもう大丈夫そうだし。俺、離れてもいいですよね?」
レイヴンが俺から距離を取ろうとする。
すかさず腕を掴んで引き寄せてから、また抱きしめた。
「嫌だ」
レイヴンの首筋に顔を埋めながらキッパリ言い切ると、レイヴンはたじろいで動きを止める。
「そんな言い方しなくても……」
「軽口を叩いてふざけるのはいつものことだろ。それとも、レイヴンは本当に俺とくっついているのは嫌なのか?」
「え? 嫌とかそういうことじゃ……」
レイヴンの白い首筋に柔らかく唇を押し付けてから、少し吸い上げる。
跡を付けない程度に、筋にそって唇を何度も触れさせていく。
「ま、待って……っ」
レイヴンが待てと言った瞬間に、動きを止める。
俺が止まると思ってなかったのか、レイヴンは更に困惑しているみたいだ。
「テオ……?」
「ん?」
「あっ、ええと……」
レイヴンは良い淀んでから、おずおずと俺の背中へ両腕を回してくる。
腕の力はやんわりだが、明確な意思表示をしようとしているらしい。
「……嫌じゃないです。俺はいつもテオと一緒にいたいと思ってます。だから……」
「だから?」
俺が顔を埋めたまま同じ言葉で聞き返すと、レイヴンは俺の耳へ唇を寄せてきた。
俺の耳へ唇を遠慮がちに触れさせてから、小さな声で言葉を紡ぐ。
「テオが俺にしたいと思ったことを……してください」
久しぶりのお誘いの言葉は、俺を誘惑するには十分すぎるほどだった。
全く、誰がこんな風に育てたんだか。
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