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第十四章 準備万端な魔塔主と常に努力する弟子
361.大人しく従う師匠と厳しい弟子
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クレインとの挨拶も済んだし、遠慮なく移動を発動する。
レイヴンを抱えても、この距離なら魔塔まで一気に飛べる。
天辺のバルコニーまで飛んで着地すると、レイヴンが不服そうに俺を睨んでから腕を振り払ってズカズカと室内へ入っていく。
「テオ、部屋が散らかってるところと散らかっていないところがありますけど……」
「ディーの野郎が俺の研究資料を風で吹き飛ばしやがったからな。ついでに掃除してたっけな」
「な……ディートリッヒ様にやらせたんですか! 信じられない!」
「おいおい、いきなり怒鳴るなって。アイツが後先考えないから自業自得なんだよ」
レイヴンはやたらとぷりぷりしながら、今まで離れてたのが嘘みたいに掃除をし始めた。
ったく、俺は今そんな気分じゃねぇってのに。
でもここで止めようもんなら、確実にもっと怒っちまって俺の望む結果にならなそうなんだよなァ。
「おーいレイヴン。久しぶりに会ったってのに、補佐官様はまずお片付けからかー?」
「誰のせいですか! 誰の! 俺がいないだけでよくここまで部屋を散らかすことができますね? ホンっと、俺がいないと何もできないじゃないですか」
「お前なぁ……ディーもそうだが、揃いも揃って俺の母親かっての」
早起きの弊害で欠伸が出ちまったところをレイヴンに目撃されて、また怒られちまった。
離れていた間に説教する相手がいなくて、我慢してたってか?
俺は別に言われ慣れてるからいいが、アッチではいい子ちゃんで過ごしてるんだろうしな。
言いたい放題言える発散相手がいないってのも、疲れちまうか。
「しょうがねぇな。部屋が綺麗になったら、俺の望みも聞いてもらうからな」
「はあ? また意味の分からないことを言って。とにかく、テオはこっちの酒瓶をちゃんとまとめてください!」
「補佐官様の仰る通りに致します。これでいいか?」
「だったら、余計なことを言わずに手を動かす!」
レイヴンの鬱憤の捌け口にされてるのは気のせいか?
まあ、いい。どうせ後で俺に付き合ってもらうんだからな。
今は優しく受け止めてやらねぇとな。
暫くレイヴンの片付けを手伝ったあと、軽く食事をしてから別行動の時のことを話そうと言って風呂へ押し込んだ。
この部屋で話すことはレイヴンも納得したし、泊まりもあえて言ってはいねぇがどうせそうなるだろ。
掃除をしたせいで俺らも少し埃っぽいかもしれねぇからな。
綺麗好きなレイヴンの性格を利用しちまえばいいだけだ。
大人しく別々に入る訳だし、変に勘ぐってこないだろ。
「話をしながら……どうしたもんか」
仕方なくレイヴンから隠れるようにバルコニーで一服しながら、独り言ちる。
この後の時間を想像すると自然と口元が緩んじまうな。
さて、どう可愛がってやろうか?
レイヴンを抱えても、この距離なら魔塔まで一気に飛べる。
天辺のバルコニーまで飛んで着地すると、レイヴンが不服そうに俺を睨んでから腕を振り払ってズカズカと室内へ入っていく。
「テオ、部屋が散らかってるところと散らかっていないところがありますけど……」
「ディーの野郎が俺の研究資料を風で吹き飛ばしやがったからな。ついでに掃除してたっけな」
「な……ディートリッヒ様にやらせたんですか! 信じられない!」
「おいおい、いきなり怒鳴るなって。アイツが後先考えないから自業自得なんだよ」
レイヴンはやたらとぷりぷりしながら、今まで離れてたのが嘘みたいに掃除をし始めた。
ったく、俺は今そんな気分じゃねぇってのに。
でもここで止めようもんなら、確実にもっと怒っちまって俺の望む結果にならなそうなんだよなァ。
「おーいレイヴン。久しぶりに会ったってのに、補佐官様はまずお片付けからかー?」
「誰のせいですか! 誰の! 俺がいないだけでよくここまで部屋を散らかすことができますね? ホンっと、俺がいないと何もできないじゃないですか」
「お前なぁ……ディーもそうだが、揃いも揃って俺の母親かっての」
早起きの弊害で欠伸が出ちまったところをレイヴンに目撃されて、また怒られちまった。
離れていた間に説教する相手がいなくて、我慢してたってか?
俺は別に言われ慣れてるからいいが、アッチではいい子ちゃんで過ごしてるんだろうしな。
言いたい放題言える発散相手がいないってのも、疲れちまうか。
「しょうがねぇな。部屋が綺麗になったら、俺の望みも聞いてもらうからな」
「はあ? また意味の分からないことを言って。とにかく、テオはこっちの酒瓶をちゃんとまとめてください!」
「補佐官様の仰る通りに致します。これでいいか?」
「だったら、余計なことを言わずに手を動かす!」
レイヴンの鬱憤の捌け口にされてるのは気のせいか?
まあ、いい。どうせ後で俺に付き合ってもらうんだからな。
今は優しく受け止めてやらねぇとな。
暫くレイヴンの片付けを手伝ったあと、軽く食事をしてから別行動の時のことを話そうと言って風呂へ押し込んだ。
この部屋で話すことはレイヴンも納得したし、泊まりもあえて言ってはいねぇがどうせそうなるだろ。
掃除をしたせいで俺らも少し埃っぽいかもしれねぇからな。
綺麗好きなレイヴンの性格を利用しちまえばいいだけだ。
大人しく別々に入る訳だし、変に勘ぐってこないだろ。
「話をしながら……どうしたもんか」
仕方なくレイヴンから隠れるようにバルコニーで一服しながら、独り言ちる。
この後の時間を想像すると自然と口元が緩んじまうな。
さて、どう可愛がってやろうか?
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