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第十三章 魔塔に残った魔塔主と修行する弟子
356.剣を持て
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俺が素早く訓練場まで連れて来てやったってのに、ディーは移動で酔ったと言いながら暫くふらふらしていた。
ったく、情けねぇな。
「いつまで休んでんだよ。俺の魔法はタダじゃねぇってのに。顔青くしやがって」
「煩い。魔法使いとは違って、地に足が着かないというのは気分が悪いんだ」
「馬だって足は地に着かねぇし、お前がひ弱なだけだろ。俺は酔ったからって、手加減しないからな」
「手加減などされては困る。いくらテオが規格外でも剣での勝負なら俺に分があるからな」
言い方が腹立つな。
俺だってバカ正直に剣で勝負を挑む気なんてさらさらない。
ディーの剣を同じく剣で受けてたまるかってんだ。
「さっきも言ったが、俺はこぶしでいく。スカっとしたいだけだしな」
「それは訓練ではなくただの憂さ晴らしだな。気持ちは分からんでもないが、昔は共に剣を交えたというのに。まさか俺とやり合う自信がないのか?」
ディーの野郎、やたらと挑発してきて何様のつもりなんだ?
スカっとするどころかイラっとするだけなんだがなァ。
「騎士団長様ともあろうお方が、性格悪ぃな。か弱い魔法使いを煽ってくるとはなァ?」
「どの面下げて言っている。それだけガタイの良い魔法使いなら問題ないだろう。いいから構えろ」
なんでここまで剣を持たせたいんだか。
ガキの頃は剣術も習っていたから握れなくはねぇが、だからといって剣一筋のディーと比べれば分が悪いだろうな。
無意味に人を煽るヤツじゃねぇから、何かしらの意図があるのかもしれねぇが。
それにしても脳筋の考えてることは意味不明だ。
「面倒臭すぎるだろ。何をさせたいのか知らねぇが、さっさと終わらせるぞ」
訓練用の剣を手に取って、仕方なく構える。
俺が構えたのを見ると、ディーも満足げに頷いて剣を構えてくる。
これで俺がボコられたら、後で魔法も使って徹底的に潰してやるか。
「こうやって手合わせするのはいつ以来だろうな」
「さあな。戦争が終わってからはやりあった記憶がねぇし、ウン十年ぶりとかじゃねぇの?」
「そうか。テオは真面目に訓練していたならば騎士として活躍できる実力はあったはずだからな」
「何年前の話をしてるんだよ、気持ち悪ぃな。お貴族様の決まり事で剣術も習ってただけだ。元々そこまで剣に興味なんてねぇよ」
ディーの家は代々騎士団長を輩出してるが、バダンテール家は騎士だろうがなんだろうが優秀で国の中枢へ食い込めればそれでいいという教えだったよな。
俺の父親に当たる前当主は、プライドの高いヤツだった。
自分の跡取りは何事も完璧にこなして当然で、出来損ないは一族の恥だと言い放つような人物だ。
それが家のため厳しく接していると言えば聞こえはいいが、アイツは自分のできないことを全て跡取りへ押し付けて威張るだけのクズ男だしな。
自分は甘い汁を吸い続け汚いことは下々の者にやらせて荒稼ぎし贅沢三昧、気に食わないことがあれば弱者に暴力を振るってた。
ヤツの息子として、父親らしい愛情をかけてもらった記憶はない。
ある意味貴族らしいっちゃ貴族らしいかもしれねぇが、いけ好かない人物なのは間違いねぇ。
正直、思い出しても仕方ない記憶だ。
昔の話はさておき、元々金の流れで裏から国を支配する家だから本来は習い事系も全て嗜み程度でいいはずだったんだけどな。
まあ、今の俺にとっては関係ねぇからどうでもいい話だ。
ったく、情けねぇな。
「いつまで休んでんだよ。俺の魔法はタダじゃねぇってのに。顔青くしやがって」
「煩い。魔法使いとは違って、地に足が着かないというのは気分が悪いんだ」
「馬だって足は地に着かねぇし、お前がひ弱なだけだろ。俺は酔ったからって、手加減しないからな」
「手加減などされては困る。いくらテオが規格外でも剣での勝負なら俺に分があるからな」
言い方が腹立つな。
俺だってバカ正直に剣で勝負を挑む気なんてさらさらない。
ディーの剣を同じく剣で受けてたまるかってんだ。
「さっきも言ったが、俺はこぶしでいく。スカっとしたいだけだしな」
「それは訓練ではなくただの憂さ晴らしだな。気持ちは分からんでもないが、昔は共に剣を交えたというのに。まさか俺とやり合う自信がないのか?」
ディーの野郎、やたらと挑発してきて何様のつもりなんだ?
スカっとするどころかイラっとするだけなんだがなァ。
「騎士団長様ともあろうお方が、性格悪ぃな。か弱い魔法使いを煽ってくるとはなァ?」
「どの面下げて言っている。それだけガタイの良い魔法使いなら問題ないだろう。いいから構えろ」
なんでここまで剣を持たせたいんだか。
ガキの頃は剣術も習っていたから握れなくはねぇが、だからといって剣一筋のディーと比べれば分が悪いだろうな。
無意味に人を煽るヤツじゃねぇから、何かしらの意図があるのかもしれねぇが。
それにしても脳筋の考えてることは意味不明だ。
「面倒臭すぎるだろ。何をさせたいのか知らねぇが、さっさと終わらせるぞ」
訓練用の剣を手に取って、仕方なく構える。
俺が構えたのを見ると、ディーも満足げに頷いて剣を構えてくる。
これで俺がボコられたら、後で魔法も使って徹底的に潰してやるか。
「こうやって手合わせするのはいつ以来だろうな」
「さあな。戦争が終わってからはやりあった記憶がねぇし、ウン十年ぶりとかじゃねぇの?」
「そうか。テオは真面目に訓練していたならば騎士として活躍できる実力はあったはずだからな」
「何年前の話をしてるんだよ、気持ち悪ぃな。お貴族様の決まり事で剣術も習ってただけだ。元々そこまで剣に興味なんてねぇよ」
ディーの家は代々騎士団長を輩出してるが、バダンテール家は騎士だろうがなんだろうが優秀で国の中枢へ食い込めればそれでいいという教えだったよな。
俺の父親に当たる前当主は、プライドの高いヤツだった。
自分の跡取りは何事も完璧にこなして当然で、出来損ないは一族の恥だと言い放つような人物だ。
それが家のため厳しく接していると言えば聞こえはいいが、アイツは自分のできないことを全て跡取りへ押し付けて威張るだけのクズ男だしな。
自分は甘い汁を吸い続け汚いことは下々の者にやらせて荒稼ぎし贅沢三昧、気に食わないことがあれば弱者に暴力を振るってた。
ヤツの息子として、父親らしい愛情をかけてもらった記憶はない。
ある意味貴族らしいっちゃ貴族らしいかもしれねぇが、いけ好かない人物なのは間違いねぇ。
正直、思い出しても仕方ない記憶だ。
昔の話はさておき、元々金の流れで裏から国を支配する家だから本来は習い事系も全て嗜み程度でいいはずだったんだけどな。
まあ、今の俺にとっては関係ねぇからどうでもいい話だ。
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