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第十一章 強気な魔塔主と心配性の弟子
323.相容れないやり方
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魔族は地べたに突っ伏したままの二人を、嘲るような態度で見下ろす。
まるで虫けらでも見るような視線は、自分が優位だと言わんばかりだ。
「自分の力を見せつけたいのならば、せいぜい足掻くことだ」
正直、レイヴンに危害を加えるような輩はどうなっても構わない。
だが、魔族が人間そのものを小馬鹿にするような態度はやっぱいけ好かねぇ。
コイツらと同じ穴のムジナだと判断されるのも癪に障る。
魔族は俺らに愉しげな笑みを向けてくると、大仰な身振りで両手を広げた。
「お仲間とやらを連れてきてもらっても構わないが、雑魚には用がない。それなりの力を持った者は歓迎しよう。暇を持て余している同胞が何人もいる」
どれだけ遊び足りないんだよ、魔族ってのは。
自分の強さに自信があるから、空虚な時間を埋めてくれるような強者との戦いに飢えてるってことか?
なかなか本題を切り出さない言い回しも、まどろっこしくてイライラすんだよな。
「皆、退屈しているのでな。条件を満たしてくれればお前たちが関わるものへの手出しはしない。ここまで譲歩する魔族はいないだろう?」
「イイ話にはウラがあるんだよ。仕方ねぇ。言いなりになるのは癪だが、今、本気でやりあって生き埋めになりたくはねぇし。誓いをたててもらおうか」
俺が言い切ると、レイヴンがローブの袖を引っ張りながら俺の顔を見上げて睨んでくる。
「そんな、勝手に恐ろしいことを決めて……どうするつもりですか?」
抗議してくるレイヴンの頭をポンと撫で、不敵にニイと笑って見せた。
「ココでケリをつけるにしても場所が悪いのは事実だ。それに転がってるヤツらの息の根を止めようとする度に魔族が邪魔してくるんじゃ、気に食わねぇが提案に乗るしかねぇ」
「それはそうですけど、でも真正面から魔族とやり合うだなんて!」
「まぁ……なんとかなるだろ。念の為、ディーも巻き込むつもりだしな。陛下も被害が抑えられるなら文句は言わねぇだろ」
「また無茶苦茶なことを言って! でも、テオに何かあったら……」
魔族は俺らが話している間も、ゆったりと待っているような素振りを見せて意味深に笑む。
ヤツは顎に手を当てて考え込むような仕草を見せてから、レイヴンの方に顔を向けた。
「もう少し魔族らしく脅した方がいいか? では、提案を飲まなければ今すぐこの辺り一帯を火の海にするのはどうだ。確か近くにはエルフが住んでいた集落が……」
「なっ……!」
魔族の言葉を聞いたレイヴンの顔面から、一気に血の気が引いていった。
火の海にすると宣言したら、人間の都合など考えることもなく確実に実行する。
分かりやすい、魔族のやり方だ。
腹から湧きあがる怒りを一旦抑えて、ヤツを睨みつける。
まるで虫けらでも見るような視線は、自分が優位だと言わんばかりだ。
「自分の力を見せつけたいのならば、せいぜい足掻くことだ」
正直、レイヴンに危害を加えるような輩はどうなっても構わない。
だが、魔族が人間そのものを小馬鹿にするような態度はやっぱいけ好かねぇ。
コイツらと同じ穴のムジナだと判断されるのも癪に障る。
魔族は俺らに愉しげな笑みを向けてくると、大仰な身振りで両手を広げた。
「お仲間とやらを連れてきてもらっても構わないが、雑魚には用がない。それなりの力を持った者は歓迎しよう。暇を持て余している同胞が何人もいる」
どれだけ遊び足りないんだよ、魔族ってのは。
自分の強さに自信があるから、空虚な時間を埋めてくれるような強者との戦いに飢えてるってことか?
なかなか本題を切り出さない言い回しも、まどろっこしくてイライラすんだよな。
「皆、退屈しているのでな。条件を満たしてくれればお前たちが関わるものへの手出しはしない。ここまで譲歩する魔族はいないだろう?」
「イイ話にはウラがあるんだよ。仕方ねぇ。言いなりになるのは癪だが、今、本気でやりあって生き埋めになりたくはねぇし。誓いをたててもらおうか」
俺が言い切ると、レイヴンがローブの袖を引っ張りながら俺の顔を見上げて睨んでくる。
「そんな、勝手に恐ろしいことを決めて……どうするつもりですか?」
抗議してくるレイヴンの頭をポンと撫で、不敵にニイと笑って見せた。
「ココでケリをつけるにしても場所が悪いのは事実だ。それに転がってるヤツらの息の根を止めようとする度に魔族が邪魔してくるんじゃ、気に食わねぇが提案に乗るしかねぇ」
「それはそうですけど、でも真正面から魔族とやり合うだなんて!」
「まぁ……なんとかなるだろ。念の為、ディーも巻き込むつもりだしな。陛下も被害が抑えられるなら文句は言わねぇだろ」
「また無茶苦茶なことを言って! でも、テオに何かあったら……」
魔族は俺らが話している間も、ゆったりと待っているような素振りを見せて意味深に笑む。
ヤツは顎に手を当てて考え込むような仕草を見せてから、レイヴンの方に顔を向けた。
「もう少し魔族らしく脅した方がいいか? では、提案を飲まなければ今すぐこの辺り一帯を火の海にするのはどうだ。確か近くにはエルフが住んでいた集落が……」
「なっ……!」
魔族の言葉を聞いたレイヴンの顔面から、一気に血の気が引いていった。
火の海にすると宣言したら、人間の都合など考えることもなく確実に実行する。
分かりやすい、魔族のやり方だ。
腹から湧きあがる怒りを一旦抑えて、ヤツを睨みつける。
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