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第十一章 強気な魔塔主と心配性の弟子
316.エルフの里を後にして
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「種族に限らずそういう輩は後を絶たない。皆、少しずつ変化してくればいいのだが」
「だな。アンタとはいい関係が築けそうだな、お父様」
「その呼び方はやめて欲しいが、我々はいつでも君たちの味方だ」
クレインから差し出された手を、ニィと笑んで軽く握り返す。
「おー。俺もたまにはやる気を出さねぇとな。もらった装備の分も含めて、憂いは全部ぶっ潰してくるから安心してくれよ」
「それは心強いな」
俺とクレインで話していると、一人で装備を見ていたレイヴンが俺たちの側まで戻ってくる。
俺らの顔を交互に見て、不思議そうな顔をして首を傾げた。
「二人で何を話しているんですか?」
「別に大したことじゃねぇよ。で、何か良いモノはあったのか?」
レイヴンの頭をひと撫でして、今度は一緒に装備を探しに行く。
ちらっと視線だけ流すと、クレインがやたらと優しそうな眼差しで俺たちのことを見守っていて妙な気分になる。
悪い気はしねぇけど、この顔を思い出すと夜にレイヴンを可愛がりづらくなりそうだ。
息子さんは大切にしてますよってことで、笑って返した。
+++
「こちらでも引き続き調査を続けていく。二人とも、気をつけてな」
「はい。お父さんも」
「色々と世話になったな。これからも世話になるつもりなんでよろしくな、お父さん」
俺がふざけた口調で言ったせいか、レイヴンが睨んでくる。
当のお父さんは気にしてねぇみたいだし、末永くよろしくお願いしますって意味を込めてポンポンとレイヴンの頭を撫でる。
ローブを含めた装備も新調し、魔道具や装飾具を幾つか手に入れることができた。
魔力の底上げができるのはありがたいからな。
クレインに別れを告げて里を後にする。
里を出てすぐに探知を展開し魔力に絞って探ると、前に感じた違和感を強く感じた。
魔力と一口に言っても感じ方は様々で、極端な例をあげれば聖女が使うような温かい力や昏く淀んだ不愉快に感じる力がある。
今、感じたものは間違いなく後者の力だ。
「これは人なのか、無機物なのか……何にせよあまりイイもんではなさそうだ」
「方角はやはり……」
「魔の森の方角だ。が、森の中ではない魔の森に近い場所なのかもしれねぇな。そこに何か不穏なものがあることは確かだ」
「……行きましょう」
レイヴンが決意を固めた表情で俺を見上げてくる。
俺もレイヴンを安心させるように肩をトンと叩き、頷いて歩き出す。
森の中は静かで、歩き続けても変わった様子はない。
似たような景色が続き迷っちまいそうになるが、魔力を強く感じる方向へ一直線に歩きつづける。
「だな。アンタとはいい関係が築けそうだな、お父様」
「その呼び方はやめて欲しいが、我々はいつでも君たちの味方だ」
クレインから差し出された手を、ニィと笑んで軽く握り返す。
「おー。俺もたまにはやる気を出さねぇとな。もらった装備の分も含めて、憂いは全部ぶっ潰してくるから安心してくれよ」
「それは心強いな」
俺とクレインで話していると、一人で装備を見ていたレイヴンが俺たちの側まで戻ってくる。
俺らの顔を交互に見て、不思議そうな顔をして首を傾げた。
「二人で何を話しているんですか?」
「別に大したことじゃねぇよ。で、何か良いモノはあったのか?」
レイヴンの頭をひと撫でして、今度は一緒に装備を探しに行く。
ちらっと視線だけ流すと、クレインがやたらと優しそうな眼差しで俺たちのことを見守っていて妙な気分になる。
悪い気はしねぇけど、この顔を思い出すと夜にレイヴンを可愛がりづらくなりそうだ。
息子さんは大切にしてますよってことで、笑って返した。
+++
「こちらでも引き続き調査を続けていく。二人とも、気をつけてな」
「はい。お父さんも」
「色々と世話になったな。これからも世話になるつもりなんでよろしくな、お父さん」
俺がふざけた口調で言ったせいか、レイヴンが睨んでくる。
当のお父さんは気にしてねぇみたいだし、末永くよろしくお願いしますって意味を込めてポンポンとレイヴンの頭を撫でる。
ローブを含めた装備も新調し、魔道具や装飾具を幾つか手に入れることができた。
魔力の底上げができるのはありがたいからな。
クレインに別れを告げて里を後にする。
里を出てすぐに探知を展開し魔力に絞って探ると、前に感じた違和感を強く感じた。
魔力と一口に言っても感じ方は様々で、極端な例をあげれば聖女が使うような温かい力や昏く淀んだ不愉快に感じる力がある。
今、感じたものは間違いなく後者の力だ。
「これは人なのか、無機物なのか……何にせよあまりイイもんではなさそうだ」
「方角はやはり……」
「魔の森の方角だ。が、森の中ではない魔の森に近い場所なのかもしれねぇな。そこに何か不穏なものがあることは確かだ」
「……行きましょう」
レイヴンが決意を固めた表情で俺を見上げてくる。
俺もレイヴンを安心させるように肩をトンと叩き、頷いて歩き出す。
森の中は静かで、歩き続けても変わった様子はない。
似たような景色が続き迷っちまいそうになるが、魔力を強く感じる方向へ一直線に歩きつづける。
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