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第十一章 強気な魔塔主と心配性の弟子
311.難しい話はこれくらいで
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「魔の森の近くから魔力が流れているということですか?」
「魔の森自体も同じく結界があるだろうから、中からじゃねぇとしたら近くなんだろ。魔物使いの背後にいるヤツが魔族と絡んでたとしたら面倒だな」
「行くにしても十分に注意した方がいいだろう。私たちもできる限りの協力はしよう。助けてもらった恩と我が息子のためだ」
難しい顔をしたままのレイヴンをクレインが優しく撫でているのを眺める。
親子感が出てきていいじゃねえか。
擽ったそうにはにかむレイちゃんの肩を、トントンと叩いて横からちょっかいを出す。
「良かったなァ。今日は父さんと一緒に寝るか?」
「言い方! 全く……この人は」
「私は構わないが、テオドールはそれでいいのか?」
「そういやお父様公認だし、ここで……」
別に大したことを言おうとした訳でもねぇのにレイヴンが背伸びして俺の口を思いっきり引っ張る。
追撃で俺の足を煙草をもみ消すように、グリグリと踏みつけてくる。
ここでヤっても問題はねぇだろって、お父様の許可を取ろうとしただけなんだがなぁ。
「……まさか、妙なことは考えていませんよね? ぶん殴りますよ?」
「いひゃいやろ!」
「本当に仲が良いのだな」
俺らのやり取りを微笑ましそうに見ているエルフの父ちゃんには、レイヴンも敵わねぇみたいだな。
恥ずかしそうにしながら、俺の口を引っ張ることと口を抑え込むことはやめねぇのもレイちゃんらしいが。
「……おとなしくしていてくださいね」
小声で念押ししてくるレイヴンがおかしくて、笑っちまった。
俺がヤるかヤらねぇかは気分だからな。
そりゃあ毎日だって触れていたいもんだが、多少は空気ってもんを読んでやるくらいの余裕はある。
今限定で、仕方なくだけどな。
だからといって、レイちゃんを揶揄うのをやめる気はねぇけど。
+++
クレインには、調査をしていて気になる箇所の確認事項だけ簡単に説明してもらう。
現在も定期的に見回りをし、里のエルフたちには自分たちだけで結界から出ないように強く言ったので攫われそうになる子どももいなくなったらしい。
未遂で終わったってのは良かったが、エルフが攫われたら人間よりも希少な種族だし何をされるか分かんねぇからな。
今晩は早めに休もうと決めて、一旦解散ってことで客間に案内してもらった。
クレイン父さんは一緒に眠るか? と真面目な顔してレイヴンに頼んでたから笑っちまうところだったが、息子は少し考えたいこともあるからと一人の部屋を用意してくれと頼んじまった。
俺は同室で構わないってのによ。
そういや客室ではなく、レイヴンの自室となる部屋も準備中らしい。
いつでも泊りに来いよっていうことなんだろうな。
暫く二人部屋がいいとごねてみたが、レイヴンが無理やり背中を押して別の部屋に押し込んでくるから仕方なく言うことを聞いてやるしかなくなっちまった。
「魔の森自体も同じく結界があるだろうから、中からじゃねぇとしたら近くなんだろ。魔物使いの背後にいるヤツが魔族と絡んでたとしたら面倒だな」
「行くにしても十分に注意した方がいいだろう。私たちもできる限りの協力はしよう。助けてもらった恩と我が息子のためだ」
難しい顔をしたままのレイヴンをクレインが優しく撫でているのを眺める。
親子感が出てきていいじゃねえか。
擽ったそうにはにかむレイちゃんの肩を、トントンと叩いて横からちょっかいを出す。
「良かったなァ。今日は父さんと一緒に寝るか?」
「言い方! 全く……この人は」
「私は構わないが、テオドールはそれでいいのか?」
「そういやお父様公認だし、ここで……」
別に大したことを言おうとした訳でもねぇのにレイヴンが背伸びして俺の口を思いっきり引っ張る。
追撃で俺の足を煙草をもみ消すように、グリグリと踏みつけてくる。
ここでヤっても問題はねぇだろって、お父様の許可を取ろうとしただけなんだがなぁ。
「……まさか、妙なことは考えていませんよね? ぶん殴りますよ?」
「いひゃいやろ!」
「本当に仲が良いのだな」
俺らのやり取りを微笑ましそうに見ているエルフの父ちゃんには、レイヴンも敵わねぇみたいだな。
恥ずかしそうにしながら、俺の口を引っ張ることと口を抑え込むことはやめねぇのもレイちゃんらしいが。
「……おとなしくしていてくださいね」
小声で念押ししてくるレイヴンがおかしくて、笑っちまった。
俺がヤるかヤらねぇかは気分だからな。
そりゃあ毎日だって触れていたいもんだが、多少は空気ってもんを読んでやるくらいの余裕はある。
今限定で、仕方なくだけどな。
だからといって、レイちゃんを揶揄うのをやめる気はねぇけど。
+++
クレインには、調査をしていて気になる箇所の確認事項だけ簡単に説明してもらう。
現在も定期的に見回りをし、里のエルフたちには自分たちだけで結界から出ないように強く言ったので攫われそうになる子どももいなくなったらしい。
未遂で終わったってのは良かったが、エルフが攫われたら人間よりも希少な種族だし何をされるか分かんねぇからな。
今晩は早めに休もうと決めて、一旦解散ってことで客間に案内してもらった。
クレイン父さんは一緒に眠るか? と真面目な顔してレイヴンに頼んでたから笑っちまうところだったが、息子は少し考えたいこともあるからと一人の部屋を用意してくれと頼んじまった。
俺は同室で構わないってのによ。
そういや客室ではなく、レイヴンの自室となる部屋も準備中らしい。
いつでも泊りに来いよっていうことなんだろうな。
暫く二人部屋がいいとごねてみたが、レイヴンが無理やり背中を押して別の部屋に押し込んでくるから仕方なく言うことを聞いてやるしかなくなっちまった。
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