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第十一章 強気な魔塔主と心配性の弟子
308.再会
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移動でエルフの里の結界前まで飛ぶ。
ふっと姿を現し地に降り立って周囲を見回していると、見知った顔が俺らの側に駆け寄ってきた。
「テオドールさんと、レイヴンさん! 結界を越えていらしたのですね」
「レクシェルさん! またお会いできて嬉しいです」
この前の王命の時にご一緒した、美人なエルフの姉ちゃんだ。
微笑しながら親し気な感じで近寄ってきたが、エルフにしちゃあ珍しいよな。
話が分かる姉ちゃんだから、俺も安心できるってのもあるが。
「耳飾りを持ってきていたので移動でもエルフの里の前まで一気に来ることができたみたいです。お父さんがこれを付けていれば越えられると言っていたから……」
「今回はどこも壊したりはしてねぇからな。ところでアンタは?」
「お二人を歓迎したいところなのですが、こちらも里近くで不穏な気配がありまして。今、調べているところなのです。お二人も急いで来られたようですが……」
先の戦いの後すぐに飛んできちまったから、俺のローブは破けたままだ。
レイヴンは魔力を大分消費したせいで顔色が悪いし、できれば少し休ませたい。
「よろしければ、中で少し話しましょう。お疲れのご様子ですし」
察しがいいのは助かるな。
レクシェルの姉ちゃんのお言葉に甘えて、休ませてもらっちまうのが手っ取り早い。
話しを続けながら、一緒に最後の結界を越えてエルフの里へと入る。
+++
「それで、こちらに来られたのは。最近起こっていた子どもの連れ去り未遂のことでしょうか?」
「あぁ。前に召喚陣があっただろう? 俺らのところにもまた似たようなのが描かれてたんで痕跡を辿ったんだが、近くに召還陣を描いたヤツが潜んでいる可能性があってなぁ。確認にきた」
「私たちの国では実際に子どもが連れ去られてました。目的は分かりませんが、どうやら魔力を集めているみたいで……」
レクシェルに連れて来られた小さな家の一室で、向かい合って座りお互いに情報を交換し合う。
全て木で作られた一室は自然と落ち着く雰囲気だが、今は何も考えずにだらだら過ごすって訳にもいかねぇからな。
出された爽やかな味のお茶を飲んで、口を潤すくらいしかできねぇ。
綺麗な姉ちゃんとゆっくりと話しながら一晩過ごしてみたいもんだが、今の俺はレイちゃん一筋だからなあ。
頭で考えていることがバレちまったら、レイヴンが怒って暫く触らせてくれないせいで俺が悶々とする未来しか見えねぇ。
ここは姉ちゃんの家だそうだが、物も少なく綺麗に片付いている。
下着の一枚でも見つけたい気持ちはやまやまなんだがなァ。
ふっと姿を現し地に降り立って周囲を見回していると、見知った顔が俺らの側に駆け寄ってきた。
「テオドールさんと、レイヴンさん! 結界を越えていらしたのですね」
「レクシェルさん! またお会いできて嬉しいです」
この前の王命の時にご一緒した、美人なエルフの姉ちゃんだ。
微笑しながら親し気な感じで近寄ってきたが、エルフにしちゃあ珍しいよな。
話が分かる姉ちゃんだから、俺も安心できるってのもあるが。
「耳飾りを持ってきていたので移動でもエルフの里の前まで一気に来ることができたみたいです。お父さんがこれを付けていれば越えられると言っていたから……」
「今回はどこも壊したりはしてねぇからな。ところでアンタは?」
「お二人を歓迎したいところなのですが、こちらも里近くで不穏な気配がありまして。今、調べているところなのです。お二人も急いで来られたようですが……」
先の戦いの後すぐに飛んできちまったから、俺のローブは破けたままだ。
レイヴンは魔力を大分消費したせいで顔色が悪いし、できれば少し休ませたい。
「よろしければ、中で少し話しましょう。お疲れのご様子ですし」
察しがいいのは助かるな。
レクシェルの姉ちゃんのお言葉に甘えて、休ませてもらっちまうのが手っ取り早い。
話しを続けながら、一緒に最後の結界を越えてエルフの里へと入る。
+++
「それで、こちらに来られたのは。最近起こっていた子どもの連れ去り未遂のことでしょうか?」
「あぁ。前に召喚陣があっただろう? 俺らのところにもまた似たようなのが描かれてたんで痕跡を辿ったんだが、近くに召還陣を描いたヤツが潜んでいる可能性があってなぁ。確認にきた」
「私たちの国では実際に子どもが連れ去られてました。目的は分かりませんが、どうやら魔力を集めているみたいで……」
レクシェルに連れて来られた小さな家の一室で、向かい合って座りお互いに情報を交換し合う。
全て木で作られた一室は自然と落ち着く雰囲気だが、今は何も考えずにだらだら過ごすって訳にもいかねぇからな。
出された爽やかな味のお茶を飲んで、口を潤すくらいしかできねぇ。
綺麗な姉ちゃんとゆっくりと話しながら一晩過ごしてみたいもんだが、今の俺はレイちゃん一筋だからなあ。
頭で考えていることがバレちまったら、レイヴンが怒って暫く触らせてくれないせいで俺が悶々とする未来しか見えねぇ。
ここは姉ちゃんの家だそうだが、物も少なく綺麗に片付いている。
下着の一枚でも見つけたい気持ちはやまやまなんだがなァ。
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