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第十章 たまには真面目な魔塔主といつも真面目な弟子
288.甘い時間の中で※
しおりを挟む柔く何度も喰むとその度に感じきったくぐもった声が漏れる。
レイヴンは一度エロに傾くと、べったりだから甘やかし甲斐がある。
耳を優しく愛撫しながら、じわりじわりと追い詰めていく。
「テオ、そこ、ばっか……ぁ、ん…っ…ふ――」
「どこに刺激が欲しい? それともこのまま甘やかして一晩過ごすか?」
「頭、回らない……何も、考えられな……」
「優秀な頭脳で教えて欲しかったんだがなァ?」
クツクツと吐息で笑い、何度目か分からないキスをする。
唇もてらてらと煌めいて、熟れた果実のようで美味そうだ。
迷わずかぶりついて、より深く味わう。
何度食べても美味いし、飽きることもない。
緩い動きを続けるとさすがにもどかしくなってきたので、ズルリとゆっくり腰を引いて、ズンと奥へ楔を打ち込んだ。
「んぁぁぁっ!」
「ちょっと刺激を加えてみたが、ご満足頂けたみたいだな」
レイヴンは素直に嬌声をあげて、溜まりきっていた熱を放出する。
弾けた欲望が、こぽりと白濁を零した。
快楽の波に押され感じきったままで意識がふわふわとしているせいか、俺を見る視線もぼんやりしている。
身体は小刻みに震えて、イったまま帰ってこれないみたいだな。
激しさより、甘さを含む行為がお好みだよなぁレイちゃんは。
「レイ……今日は朝までじっくりと可愛がってやるよ」
「……ぅ…ぁ、ほ、本気で……んんっ、ん――」
レイヴンの頭が回らないうちに、さらに口づけて言葉も奪ってしまう。
またゆるゆるとした動きに戻して静かに律動し、ゆったりと甘やかす。
すぐに表情は蕩けて、はふはふと熱い吐息を逃しはじめた。
今度は目尻に唇を押し当てて、溜まっている涙を舌で舐めとる。
コッチは出さないように耐えるばかりで結構キツイんだが、今日は糖分高めって約束したしな。
ギリッギリまで粘って、レイヴンの意識が飛ぶまでやろうと決めた。
レイヴンはイったものの、昂る熱についていけないみたいで、縋るように俺を見上げてくる。
「まだ、熱い……も、収まらないの…? なんで……」
「そりゃぁ……俺のこと好きだから?」
「……」
「好き、だよな?」
「…………」
おいおい、そこで黙られると俺のこと嫌いみたいじゃねぇか。
じっと見つめると身体を寄せてきてレイヴンから無言で唇を合わせてきた。
キスを繰り返しながら、少しだけ顔を離す。
レイヴンは赤くなった顔も隠さずに、潤んだ黒の瞳を俺に向けてくる。
ツンツンなレイヴンだと、これが限界か。
滅多にキスしてこねぇし、基本受け身だからなぁ。
今日はかなり積極的で、俺を求めてるってことだ。
「ん。だから……いい、ですよ。途中で、たぶん……落ちる、けど……」
いいって、何をしてもいいってことか?
俺の息子が期待で膨らんじまうじゃねぇか。
「……ったく、素直すぎるのも毒だな。後で文句言うの、ナシだぞ?」
宣言してレイヴンをキツく抱きしめる。
余計なことなんて考えなくていいよな。
レイヴンがイイって言ってるし。
この後は、行為に溺れて。
何度も、何度も。
奥を穿って、意識全てを奪っていく。
レイヴンの意識がとんで完全になくなってしまうまで、攻めて甘やかしてを一晩中繰り返した。
+++
久々に長いことやって満足した。
俺もやり終えたあとに、寝ちまってたみたいだ。
レイヴンが気を失ったのは覚えてたが、俺が寝たあとにレイヴンも寝たんだろうな。
目を開けるのも億劫だ。
一応隣を確認してみたが、寝息を立てているし。
いい意味で疲れ切って、意識を取り戻した後に寝ちまったんだろうな。
しっかし隣で大人しく眠っている姿を見てると、もっと可愛がりたくなってくるよな。
「抵抗しないときは全部受け入れるのな。文句言わないレイちゃんは、俺のって感じするわ」
どうせ起きた後には、ギャンギャンと文句を言うに決まってるし。
何を言ったところで、いくらでも言いくるめられる可愛い噛みつきだ。
おやすみの優しいキスをして、また目を閉じた。
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