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第十章 たまには真面目な魔塔主といつも真面目な弟子
277.背後に潜む脅威
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魔族と言えば人間よりも寿命が長いし、俺らの知らねぇ知識と力を持っているのは間違いねぇ。
敵対すると立ち向かうのが厄介で、面倒臭ぇ相手だ。
普通の人間に対処できるかと言われれば、絶望的っちゃ絶望的だろうな。
魔族と対等に渡り合える人間なんてもんは限られてくる。
「まぁ、気まぐれなヤツらだから飽きたら離れていくだろうしな。いざとなったらやるしかねぇが」
「そんな簡単に言われても……」
「だよなぁ。正直俺も無理ですよ。団長とテオドール様くらいじゃないですか?」
「普通だったらな。別にいろんなやり方があるだろ。正面からぶつかるのは一番面倒臭ぇから俺もやりたくねぇし」
俺がやれやれと両手をあげると、この場にいた俺以外の全員が長い溜め息を吐いて俯く。
ったく、俯いたってしょうがねぇってのによ。
順番に全員の背中を叩き、ケラケラと笑い飛ばしてやる。
「なぁーに落ち込んでんだよ。正面からやりたくねぇだけで、やり方なんざいくらでもあるだろ。それに決まった訳でもねぇのに、溜め息ばっか吐くんじゃねぇよ」
「師匠は笑えるかもしれませんけど、普通の人は笑えませんから」
「そうですよ。このまま団長に伝えたら大変なことになりますよ?」
「ディーは面倒だな。アイツすぐマジになりやがるから。ウルガー、確定するまで魔族の魔の字も言うんじゃねぇぞ? それと、お前もだ」
騎士を指さすと、はいっ! と、声を裏返しにするくらいに緊張しながら背筋を伸ばした。
ウルガーとレイヴンは大丈夫だが、側で青い顔してる騎士には箝口令を敷かねぇとな。
副団長さんはしけた顔をしてコッチを見てから、はぁ……と何度目か分からない溜め息を漏らす。
「この件は暫く俺に任せとけって。色々対策してんだからよ。なぁ?」
「確かに最近籠もって何かされてましたよね。それと関係が?」
「まぁな。ま、その時のお楽しみってヤツだ」
「企み顔が余計に不安になりますけど……俺は信じるしかないので信じますよ」
「テオドール様が対策してると言うのならば、俺としては安心ですけどね。団長にはうまく言っておきますから。はぁ……全くこんなのばっかりなんだよなぁ」
今度はレイヴンがウルガーを慰めるように、肩を叩いて励まして笑顔を向ける。
おいおい、俺を除け者にすんなっての。
仲の良さを見せつける二人の邪魔をするように間に入ってニヤニヤすると、レイヴンに微妙な顔を向けられた。
なんだ、気に食わないってか?
仕方ねぇ、俺も仲良しごっこに付き合ってやるか。
両腕を伸ばし、レイヴンとウルガーの二人の肩を引き寄せて抱きかかえる。
勢いよく引き寄せたから二人の体勢が崩れちまったが、お構いなしに笑い飛ばす。
離せと主張するレイヴンには、髪に唇を落とす。
色々諦めたらしいウルガーは、側の困惑している騎士に指示を出した。
騎士は小さく頷いて、少し離れていたところで警戒を続けていた騎士へ声をかけに行く。
全員揃ったところで、俺は抱えた二人を引きずるようにゆったりと歩き始めた。
敵対すると立ち向かうのが厄介で、面倒臭ぇ相手だ。
普通の人間に対処できるかと言われれば、絶望的っちゃ絶望的だろうな。
魔族と対等に渡り合える人間なんてもんは限られてくる。
「まぁ、気まぐれなヤツらだから飽きたら離れていくだろうしな。いざとなったらやるしかねぇが」
「そんな簡単に言われても……」
「だよなぁ。正直俺も無理ですよ。団長とテオドール様くらいじゃないですか?」
「普通だったらな。別にいろんなやり方があるだろ。正面からぶつかるのは一番面倒臭ぇから俺もやりたくねぇし」
俺がやれやれと両手をあげると、この場にいた俺以外の全員が長い溜め息を吐いて俯く。
ったく、俯いたってしょうがねぇってのによ。
順番に全員の背中を叩き、ケラケラと笑い飛ばしてやる。
「なぁーに落ち込んでんだよ。正面からやりたくねぇだけで、やり方なんざいくらでもあるだろ。それに決まった訳でもねぇのに、溜め息ばっか吐くんじゃねぇよ」
「師匠は笑えるかもしれませんけど、普通の人は笑えませんから」
「そうですよ。このまま団長に伝えたら大変なことになりますよ?」
「ディーは面倒だな。アイツすぐマジになりやがるから。ウルガー、確定するまで魔族の魔の字も言うんじゃねぇぞ? それと、お前もだ」
騎士を指さすと、はいっ! と、声を裏返しにするくらいに緊張しながら背筋を伸ばした。
ウルガーとレイヴンは大丈夫だが、側で青い顔してる騎士には箝口令を敷かねぇとな。
副団長さんはしけた顔をしてコッチを見てから、はぁ……と何度目か分からない溜め息を漏らす。
「この件は暫く俺に任せとけって。色々対策してんだからよ。なぁ?」
「確かに最近籠もって何かされてましたよね。それと関係が?」
「まぁな。ま、その時のお楽しみってヤツだ」
「企み顔が余計に不安になりますけど……俺は信じるしかないので信じますよ」
「テオドール様が対策してると言うのならば、俺としては安心ですけどね。団長にはうまく言っておきますから。はぁ……全くこんなのばっかりなんだよなぁ」
今度はレイヴンがウルガーを慰めるように、肩を叩いて励まして笑顔を向ける。
おいおい、俺を除け者にすんなっての。
仲の良さを見せつける二人の邪魔をするように間に入ってニヤニヤすると、レイヴンに微妙な顔を向けられた。
なんだ、気に食わないってか?
仕方ねぇ、俺も仲良しごっこに付き合ってやるか。
両腕を伸ばし、レイヴンとウルガーの二人の肩を引き寄せて抱きかかえる。
勢いよく引き寄せたから二人の体勢が崩れちまったが、お構いなしに笑い飛ばす。
離せと主張するレイヴンには、髪に唇を落とす。
色々諦めたらしいウルガーは、側の困惑している騎士に指示を出した。
騎士は小さく頷いて、少し離れていたところで警戒を続けていた騎士へ声をかけに行く。
全員揃ったところで、俺は抱えた二人を引きずるようにゆったりと歩き始めた。
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