245 / 483
第九章 我慢していた魔塔主と受け入れる弟子
243.いつもの師匠と弟子
しおりを挟む
珍しく歩いて魔塔へと戻り、階段を上る。
久しぶりだが、相変わらず長くて面倒臭ぇんだよな。
ホント、無駄に高いんだよ。
レイヴンも息を切らさずついてくるのは偉いんだけどな。
俺でも荷物を持ってると、どうも歩き辛い。
さっさと上っちまいたいが、この区域は特に魔法が使えねぇってのがなー。
今度、魔法の構造を書き換えてやるか。
そもそも通らねぇせいで、書き換えることも忘れちまうんだがな。
「やっぱ飛べば良かったわ。ここの階段長いんだよなぁ。何でこの高さで設計したんだよ、初代の魔塔主は。確実にテラスに飛ぶためだろ」
「そもそも魔塔では外敵防止の結界があるから、特定の場所以外は魔法が使えないじゃないですか。そもそも飛んで来られるようにしたのテオですよね?」
「まぁな。魔法使いは身体動かせっていう理由だったら、魔塔自体を壊したいんだがなぁ」
俺の素直な意見に、盛大なため息を吐かれる。
たぶん全部ぶち壊して作り直した方が早いだろ。
変に今残ってる部分を使おうとする方が、確実に色々と面倒なんだからよ。
何も間違ったことは言ってねぇだろ。
「何言ってるんですか……」
その一言を言い捨てたとおもったら、口を閉ざして無言になっちまった。
まあ、喋りながら上ると流石に息切れになるのも分かるんだけどよ。
しっかし、無言で淡々と階段を上って、何が楽しいんだかな。
ただひたすら、拷問としか思えねぇんだよな。
+++
無言で上った一番天辺が、俺の自室だからな。
一体どれだけ時間を無駄にしてんだか分からねぇ。
「やっぱ怠ぃからもう二度と階段は使わねぇ。何で無言で上らなきゃいけないんだよ」
「喋りながらだと疲れるからに決まってるでしょう? はぁ……俺も体力もっとつけないとなぁ……」
買い物した荷物は、仕方なく丁寧に机の上へと置いて並べていく。
何か無駄に喉が乾いて仕方ねぇ。
適当に転がっていたコップを手に取って水を注ぎ、一気飲みする。
レイヴンも腕を掴んで身体をゆっくりと伸ばすと、軽くほぐしてから買ったものを順に片付け始める。
ホント、目を離すと片付けしてるよなァ。
別にメロウベリーで買ったもん以外は、気にしなくて良さそうなもんばっかりなはずだろ。
食料だって、今、放置したところで腐ったりしねぇし。
「なぁ、後でいいだろ? 少し休もうぜ」
「後に回したらもっと面倒臭くなるでしょう? 折角買ったんですから、仕舞っていかないと……あ、これは後で自分の部屋に持っていこうかな」
自分のために買った食材も分けて、小まめに動くレイヴンに近づくと、遮るように後から抱きしめる。
無理矢理にでも動きを止めねえと、ずっと片付けちまうからな。
久しぶりだが、相変わらず長くて面倒臭ぇんだよな。
ホント、無駄に高いんだよ。
レイヴンも息を切らさずついてくるのは偉いんだけどな。
俺でも荷物を持ってると、どうも歩き辛い。
さっさと上っちまいたいが、この区域は特に魔法が使えねぇってのがなー。
今度、魔法の構造を書き換えてやるか。
そもそも通らねぇせいで、書き換えることも忘れちまうんだがな。
「やっぱ飛べば良かったわ。ここの階段長いんだよなぁ。何でこの高さで設計したんだよ、初代の魔塔主は。確実にテラスに飛ぶためだろ」
「そもそも魔塔では外敵防止の結界があるから、特定の場所以外は魔法が使えないじゃないですか。そもそも飛んで来られるようにしたのテオですよね?」
「まぁな。魔法使いは身体動かせっていう理由だったら、魔塔自体を壊したいんだがなぁ」
俺の素直な意見に、盛大なため息を吐かれる。
たぶん全部ぶち壊して作り直した方が早いだろ。
変に今残ってる部分を使おうとする方が、確実に色々と面倒なんだからよ。
何も間違ったことは言ってねぇだろ。
「何言ってるんですか……」
その一言を言い捨てたとおもったら、口を閉ざして無言になっちまった。
まあ、喋りながら上ると流石に息切れになるのも分かるんだけどよ。
しっかし、無言で淡々と階段を上って、何が楽しいんだかな。
ただひたすら、拷問としか思えねぇんだよな。
+++
無言で上った一番天辺が、俺の自室だからな。
一体どれだけ時間を無駄にしてんだか分からねぇ。
「やっぱ怠ぃからもう二度と階段は使わねぇ。何で無言で上らなきゃいけないんだよ」
「喋りながらだと疲れるからに決まってるでしょう? はぁ……俺も体力もっとつけないとなぁ……」
買い物した荷物は、仕方なく丁寧に机の上へと置いて並べていく。
何か無駄に喉が乾いて仕方ねぇ。
適当に転がっていたコップを手に取って水を注ぎ、一気飲みする。
レイヴンも腕を掴んで身体をゆっくりと伸ばすと、軽くほぐしてから買ったものを順に片付け始める。
ホント、目を離すと片付けしてるよなァ。
別にメロウベリーで買ったもん以外は、気にしなくて良さそうなもんばっかりなはずだろ。
食料だって、今、放置したところで腐ったりしねぇし。
「なぁ、後でいいだろ? 少し休もうぜ」
「後に回したらもっと面倒臭くなるでしょう? 折角買ったんですから、仕舞っていかないと……あ、これは後で自分の部屋に持っていこうかな」
自分のために買った食材も分けて、小まめに動くレイヴンに近づくと、遮るように後から抱きしめる。
無理矢理にでも動きを止めねえと、ずっと片付けちまうからな。
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
俺は魔法使いの息子らしい。
高穂もか
BL
吉村時生、高校一年生。
ある日、自分の父親と親友の父親のキスシーンを見てしまい、平穏な日常が瓦解する。
「時生くん、君は本当はぼくと勇二さんの子供なんだ」
と、親友の父から衝撃の告白。
なんと、二人は魔法使いでカップルで、魔法で子供(俺)を作ったらしい。
母ちゃん同士もカップルで、親父と母ちゃんは偽装結婚だったとか。
「でさ、魔法で生まれた子供は、絶対に魔法使いになるんだよ」
と、のほほんと言う父親。しかも、魔法の存在を知ったが最後、魔法の修業が義務付けられるらしい。
でも、魔法学園つったって、俺は魔法なんて使えたことないわけで。
同じ境遇の親友のイノリと、時生は「全寮制魔法学園」に転校することとなる。
「まー、俺はぁ。トキちゃんと一緒ならなんでもいいかなぁ」
「そおかあ? お前ってマジ呑気だよなあ」
腹黒美形×強気平凡の幼馴染BLです♡
※とても素敵な表紙は、小槻みしろさんに頂きました(*^^*)
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

拝啓お父様。私は野良魔王を拾いました。ちゃんとお世話するので飼ってよいでしょうか?
ミクリ21
BL
ある日、ルーゼンは野良魔王を拾った。
ルーゼンはある理由から、領地で家族とは離れて暮らしているのだ。
そして、父親に手紙で野良魔王を飼っていいかを伺うのだった。
暁にもう一度
伊簑木サイ
ファンタジー
成り上がり貧乏辺境領主の後継者ソランは、金策のため、「第二王子を王太子になるよう説得できた者に望みの褒美をとらす」という王の頼みごとを引き受けた。
ところが、王子は女嫌いということで、女とばれないよう、性別を隠して仕えることになる。
ソランと、国のために死に場所を探している王子の、「死なせない」と「巻き込みたくない」から始まった主従愛は、いつしか絶対に失いたくない相手へと変わっていく。
けれど、絆を深めるほどに、古に世界に掛けられた呪いに、前世の二人が関わっていたと判明していき……。
『暁に、もう一度、あなたと』。数千年を越えて果たされる、愛と祈りの物語。
ホンモノの恋
Guidepost
BL
『松原 聖恒』はごく普通の高校生。だけど恋に関しては冷めた部分があると自覚していた。
今日も好きな人とのデートだったはずなのに、相手の1面に恋も冷めてゆく自分を自覚する。
そんな日々の中、家庭教師が家へ来ることになって――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる