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第八章 解こうとした魔塔主と何も知らない弟子とエルフの里の長
224.父親公認?<レイヴン視点>
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「そういえば……テオドールから聞いたのだが。彼とはその……師弟関係だけでなく、それ以上の関係、恋人だ、と……」
お父さんの話を聞いて思わず小箱を落としかけて、慌ててギュッと抱きしめる。
恥ずかしくって顔が真っ赤になっているのが分かる。
絶句してしまって口はパクパクだし、固まって動けない。
ギギギと音がなるのではというくらいに不自然に首を動かしてお父さんを何とか視界に捉える。
「大丈夫か? いや……私も驚いたのだが。テオドールが普通に言うものだから、そうなのか、と思ってな」
「あ、あ、あ……あの人、何、とんでもないことを、俺の知らない間に言ってくれてんだよもうっ! 本当に、そんなことを言ってたんですか!?」
「しかしレイヴンのことをとても心配していた様子だったし、愛している、とハッキリと言っていたから。私も驚きはしたのだが彼の行動を見ていて納得はした」
「はぁっ!? あ、愛してるとか、言ったんですか!? あぁぁぁ……ホント、何言ってるの、あの人は……俺にどうしろと言うんです? 泣きたい、隠れたい、恥ずかしくてどうしよう……うぅぅ……」
俺の意識がないからって、何言ってんのあの人は……!
どうしていいか分からなくて、落ち着きなくそわそわと動き回ってしまう。
お父さん……一体俺とテオのことをどう思ってるんだろう……。
納得してくれてはいるみたいだけど……。
困りきっていると、戸惑っていたお父さんが俺を優しく抱きしめてくれた。
テオの熱くて自信に満ち溢れた頼れる感じとは違って、お父さんは慈愛に溢れた優しい温かさだ。
お父さんに包まれていると少し落ち着いてきた。
でも、甘えさせて欲しくて。
もう一度目を閉じて、俺からも両腕を回して顔を寄せた。
「父親としては複雑な気持ちなのだが、二人の絆は私では計り知れない絆なのだろうと思っている。だから、私からはとやかく言うつもりはない。彼がレイヴンのことを大切に思っている気持ちに嘘はないのだと、短い間話しただけだが十分に理解はしているつもりだ」
「そうですか……あの、何というか。すみません。でも、俺もその……一緒にいたいと思う気持ちは嘘ではなくて。好きとか、愛してるとか、そういうのは置いておいたとしても。テオの隣にずっといられたらって、思ってます」
「レイヴンは元々テオドールを補佐する役目なのだろう? だったら側にいて支えてあげなさい。それが彼の望みでもあり、レイヴンの望みでもあるのだから」
テオが何故かお父さんに信用されているのが不思議だけど、俺もテオの側にいたい気持ちは本当だ。
お父さんとはまた違った存在だし、あんなでも俺にとっては……好きな人でもあるから。
あんまり本人の前では言いたくないけど。
もそもそとまだ熱さの残る顔を上げてお父さんを見上げた。
こうして甘えられるのも嬉しくて、自然と笑顔になってしまう。
お父さんも微笑んで俺の髪を撫でて、親愛のキスをしてくれた。
「……そろそろ行きますね。また来ます、お父さん」
「あぁ。いつでも待っている。また会おう、レイヴン」
もう一度抱きしめ合い、名残惜しい気持ちを抑えて手を振りながら後ろは振り返らずに歩き出す。
お父さんに見送ってもらっている気がして、背中がぽかぽかと温かい気持ちになった。
お父さん、行ってきます。
お父さんの話を聞いて思わず小箱を落としかけて、慌ててギュッと抱きしめる。
恥ずかしくって顔が真っ赤になっているのが分かる。
絶句してしまって口はパクパクだし、固まって動けない。
ギギギと音がなるのではというくらいに不自然に首を動かしてお父さんを何とか視界に捉える。
「大丈夫か? いや……私も驚いたのだが。テオドールが普通に言うものだから、そうなのか、と思ってな」
「あ、あ、あ……あの人、何、とんでもないことを、俺の知らない間に言ってくれてんだよもうっ! 本当に、そんなことを言ってたんですか!?」
「しかしレイヴンのことをとても心配していた様子だったし、愛している、とハッキリと言っていたから。私も驚きはしたのだが彼の行動を見ていて納得はした」
「はぁっ!? あ、愛してるとか、言ったんですか!? あぁぁぁ……ホント、何言ってるの、あの人は……俺にどうしろと言うんです? 泣きたい、隠れたい、恥ずかしくてどうしよう……うぅぅ……」
俺の意識がないからって、何言ってんのあの人は……!
どうしていいか分からなくて、落ち着きなくそわそわと動き回ってしまう。
お父さん……一体俺とテオのことをどう思ってるんだろう……。
納得してくれてはいるみたいだけど……。
困りきっていると、戸惑っていたお父さんが俺を優しく抱きしめてくれた。
テオの熱くて自信に満ち溢れた頼れる感じとは違って、お父さんは慈愛に溢れた優しい温かさだ。
お父さんに包まれていると少し落ち着いてきた。
でも、甘えさせて欲しくて。
もう一度目を閉じて、俺からも両腕を回して顔を寄せた。
「父親としては複雑な気持ちなのだが、二人の絆は私では計り知れない絆なのだろうと思っている。だから、私からはとやかく言うつもりはない。彼がレイヴンのことを大切に思っている気持ちに嘘はないのだと、短い間話しただけだが十分に理解はしているつもりだ」
「そうですか……あの、何というか。すみません。でも、俺もその……一緒にいたいと思う気持ちは嘘ではなくて。好きとか、愛してるとか、そういうのは置いておいたとしても。テオの隣にずっといられたらって、思ってます」
「レイヴンは元々テオドールを補佐する役目なのだろう? だったら側にいて支えてあげなさい。それが彼の望みでもあり、レイヴンの望みでもあるのだから」
テオが何故かお父さんに信用されているのが不思議だけど、俺もテオの側にいたい気持ちは本当だ。
お父さんとはまた違った存在だし、あんなでも俺にとっては……好きな人でもあるから。
あんまり本人の前では言いたくないけど。
もそもそとまだ熱さの残る顔を上げてお父さんを見上げた。
こうして甘えられるのも嬉しくて、自然と笑顔になってしまう。
お父さんも微笑んで俺の髪を撫でて、親愛のキスをしてくれた。
「……そろそろ行きますね。また来ます、お父さん」
「あぁ。いつでも待っている。また会おう、レイヴン」
もう一度抱きしめ合い、名残惜しい気持ちを抑えて手を振りながら後ろは振り返らずに歩き出す。
お父さんに見送ってもらっている気がして、背中がぽかぽかと温かい気持ちになった。
お父さん、行ってきます。
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