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第八章 解こうとした魔塔主と何も知らない弟子とエルフの里の長
220.譲れない思い
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食事も終えた俺たちは改めて外敵がどうなったのかをクレインに告げて、頻繁に魔物が現れるようになった原因究明についてはまたお互いに行き来をしながら情報を共有して継続して調査することにした。
俺が凍らせた森の一部については、いつ魔物が動きだすか分からないとかいう意見が多いせいで放り投げたら、エルフ側で凍りついた一帯の空間を歪めて人目につかないようにして厳重に管理するらしい。
まあ、溶かそうと思えばいつでも溶かせるが、森に関しては多少凍ってるくらいでいいんじゃねぇか?
魔物だってきっちり凍らせてやったってのに、信用ねぇなぁ。
あの氷を溶かすヤツがいるとしたら、人外くらいだろ。
そうなりゃエルフの里だって危ねぇんだからな。
「最近の一連の魔物については、恐らくテオドールが言っていた召喚陣が原因の一端なのだろう。何のために我々を刺激したのかという目的については明らかになっていないが」
「まぁ、小手調べ、的な意味合いが一番だろうがな。自分の実力についてのお披露目みたいなふざけた感じがするんだよなァ。例の召喚陣だって隠してたって感じじゃなかったしよ。見つかってもいいが、どれだけできる? っつーのを試してる感じがな」
「だからといって、師匠じゃなかったら壊せませんでしたよ。あの禍々しい召喚陣は。見たところで近づいて召喚された魔物に取り囲まれたら終わりですから」
珍しく真面目に議論したら疲れたな。
相手は性悪に違いねぇし、いつかやり返すつもりだから策は立てておいて損はねぇし。
ただ、面倒なだけだ。
一旦話を区切り、全ての話を持ち帰るためにアレーシュ王国へ帰還することになった。
レイヴンはクレインと、父ちゃんとしばしの別れになるな。
このまま帰らねぇって言ったらどうすっかと考えてたが、即答で帰るって言うもんだからせめて親子水入らずの時間をと、俺らの意向でレイヴンをその場へと置いていく。
本当は一緒に住みたいんじゃねぇかと、頭の片隅でよぎる。
だが、俺はレイヴンと一緒にいたい。
エルフはそこらにいたら目立つ存在だ。
クレインが里長である以上はここから離れられないって言ってるし、住むならレイヴンが残るしかねぇからな。
ただ、レイヴンが帰ると言ってくれた瞬間に安堵しちまったのがな。
レイヴンは家族を欲してたってのによ。
ホント、縛り付けてるのは俺だよなァ?
まぁ……せめてちょくちょく飛んできてやるくらいはしてやらねぇとな。
俺と騎士二人は先に身支度をするために与えられた部屋へと戻る。
+++
装備を身に着け帰還する準備をほぼ終えたところで、ディーのいる部屋の扉を叩く。
どうぞ、と返事が聞こえたところで扉を開く。
俺が来たことに普通に驚いているディーは無視する。
どうせ早く身支度を終えてわざわざ俺のところに来るとは何事だーとかだろ?
部屋に入れと目線で勧めてくる前に一歩足を踏み入れてたが、コイツに気遣いなんていらねぇし。
室内にあった椅子に勝手にドカリと腰を下ろした。
何か言いたそうだが、どうでもいいことだろうと俺が先に話しかける。
「なぁ、ディー。悪いが陛下にはまだ黙っておいてくれないか? お前がそういうことができるヤツじゃねぇのも分かってるが。外敵のことが解決するまでは知られたくねぇんだよ。レイヴンは道具じゃねぇし、余計なことを言って何かあれば。俺は国と友を敵に回したとしても、レイヴンを守るつもりだ」
「テオ、お前……」
ディーは堅物だし、今回はコイツに指揮を譲っている以上はコイツに権限があるのは事実だ。
ただ、レイヴンのことに関しては譲れねぇ。
言った通りの意味だ。
俺にとってはレイヴンが第一だし、レイヴンの為なら正直今の身分も、何もかも別にどうでもいい。
それは嘘偽りねぇ、真意だ。
俺が凍らせた森の一部については、いつ魔物が動きだすか分からないとかいう意見が多いせいで放り投げたら、エルフ側で凍りついた一帯の空間を歪めて人目につかないようにして厳重に管理するらしい。
まあ、溶かそうと思えばいつでも溶かせるが、森に関しては多少凍ってるくらいでいいんじゃねぇか?
魔物だってきっちり凍らせてやったってのに、信用ねぇなぁ。
あの氷を溶かすヤツがいるとしたら、人外くらいだろ。
そうなりゃエルフの里だって危ねぇんだからな。
「最近の一連の魔物については、恐らくテオドールが言っていた召喚陣が原因の一端なのだろう。何のために我々を刺激したのかという目的については明らかになっていないが」
「まぁ、小手調べ、的な意味合いが一番だろうがな。自分の実力についてのお披露目みたいなふざけた感じがするんだよなァ。例の召喚陣だって隠してたって感じじゃなかったしよ。見つかってもいいが、どれだけできる? っつーのを試してる感じがな」
「だからといって、師匠じゃなかったら壊せませんでしたよ。あの禍々しい召喚陣は。見たところで近づいて召喚された魔物に取り囲まれたら終わりですから」
珍しく真面目に議論したら疲れたな。
相手は性悪に違いねぇし、いつかやり返すつもりだから策は立てておいて損はねぇし。
ただ、面倒なだけだ。
一旦話を区切り、全ての話を持ち帰るためにアレーシュ王国へ帰還することになった。
レイヴンはクレインと、父ちゃんとしばしの別れになるな。
このまま帰らねぇって言ったらどうすっかと考えてたが、即答で帰るって言うもんだからせめて親子水入らずの時間をと、俺らの意向でレイヴンをその場へと置いていく。
本当は一緒に住みたいんじゃねぇかと、頭の片隅でよぎる。
だが、俺はレイヴンと一緒にいたい。
エルフはそこらにいたら目立つ存在だ。
クレインが里長である以上はここから離れられないって言ってるし、住むならレイヴンが残るしかねぇからな。
ただ、レイヴンが帰ると言ってくれた瞬間に安堵しちまったのがな。
レイヴンは家族を欲してたってのによ。
ホント、縛り付けてるのは俺だよなァ?
まぁ……せめてちょくちょく飛んできてやるくらいはしてやらねぇとな。
俺と騎士二人は先に身支度をするために与えられた部屋へと戻る。
+++
装備を身に着け帰還する準備をほぼ終えたところで、ディーのいる部屋の扉を叩く。
どうぞ、と返事が聞こえたところで扉を開く。
俺が来たことに普通に驚いているディーは無視する。
どうせ早く身支度を終えてわざわざ俺のところに来るとは何事だーとかだろ?
部屋に入れと目線で勧めてくる前に一歩足を踏み入れてたが、コイツに気遣いなんていらねぇし。
室内にあった椅子に勝手にドカリと腰を下ろした。
何か言いたそうだが、どうでもいいことだろうと俺が先に話しかける。
「なぁ、ディー。悪いが陛下にはまだ黙っておいてくれないか? お前がそういうことができるヤツじゃねぇのも分かってるが。外敵のことが解決するまでは知られたくねぇんだよ。レイヴンは道具じゃねぇし、余計なことを言って何かあれば。俺は国と友を敵に回したとしても、レイヴンを守るつもりだ」
「テオ、お前……」
ディーは堅物だし、今回はコイツに指揮を譲っている以上はコイツに権限があるのは事実だ。
ただ、レイヴンのことに関しては譲れねぇ。
言った通りの意味だ。
俺にとってはレイヴンが第一だし、レイヴンの為なら正直今の身分も、何もかも別にどうでもいい。
それは嘘偽りねぇ、真意だ。
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