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第八章 解こうとした魔塔主と何も知らない弟子とエルフの里の長
214.精霊魔法
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ふわ、とレイヴンの着ていたローブが浮き上がる。
目に見えるのは黄金色の優しい光。
その光はそのうちに全身を包んで、髪もふわりと持ち上げる。
激しくもなく、優しい光の奔流が全身を駆け巡り、少しずつレイヴンを包んでいく。
そして、全身が光に包まれたレイヴンの髪の色が、すぅっと光と同じ色に染まっていく。
髪色が透き通るようなブロンドへと変わり、目の前のクレインと良く似た色になる。
「……本当に変化するのか……綺麗だな」
ある程度予想はしていたが……目を奪われる。
普通に声が漏れ出ちまった。
集中しているレイヴンは呟きに気付くこと無く、ゆっくりと両目を開いた。
光は段々と収束しレイヴンの左目に収まっていき、いつもの焦げ茶の瞳が美しいセルリアンブルーに変化して、人間の瞳とエルフの瞳に分かたれた。
光がおさまると、自然と力が落ち着いてローブも髪の毛も重力に従って着地する。
同時にポンッ! と可愛らしい音がして、目の前に透明な四枚の羽を持つ小さな可愛らしい子どものような生き物が姿を現した。
グリーンのふわふわとしたドレスのようなものを見に付け、髪もブロンドでこちらもふわふわとしている。
丸いピンクの瞳が忙しなく動いて、皆を視界に捉えていく。
「呼んだ? 呼んだ?」
甲高い声を発した生き物が、レイヴンに向けて話しかける。
やっかましいなコイツは。
レイヴンも自分が召喚したんだろうに対応が遅れて、目をパチパチさせながらその生き物を見て固まってしまう。
「どうやら、成功したみたいだな。この子は風の妖精。色々と情報を届けてくれる可愛い子だ」
クレインが先に妖精を撫でると、キャッキャッと楽しそうに笑い始める。
可愛い、ねぇ?
レイヴンの方が可愛いと思うがなぁ。
まぁ、妖精なんて物珍しいモンにお目にかかれた訳だし、俺も触っても怒られねぇだろ。
そう思って伸ばした手は妖精に警戒されて、空振ったまま妖精はレイヴンの背中に隠れちまった。
手持ち無沙汰になっちまったし、元々撫でようと思ってたからレイヴンの髪の毛を代わりにくしゃくしゃとかき混ぜる。
「ちょ、テオ! 何してるんですか? 妖精にも嫌がられてるし」
「いや、ホントに見た目が変わるのかと思ってな。レイヴンは髪の毛以外は見えねぇだろうけど。言ってた通り、髪と左目が父親そっくりになった」
「え……えぇ? そ、そうなんですか。じゃあ精霊魔法を使うと目立ちますね。その、そっくりになるのは少し、嬉しい気もしますけど……」
レイヴンは自分を温かく見守るクレインに恥ずかしそうに笑いかけて、自分で呼び出した妖精をおいでおいで、と呼ぶ。
妖精は好奇心旺盛なのか、すぐにレイヴンの前に寄ってきた。
目に見えるのは黄金色の優しい光。
その光はそのうちに全身を包んで、髪もふわりと持ち上げる。
激しくもなく、優しい光の奔流が全身を駆け巡り、少しずつレイヴンを包んでいく。
そして、全身が光に包まれたレイヴンの髪の色が、すぅっと光と同じ色に染まっていく。
髪色が透き通るようなブロンドへと変わり、目の前のクレインと良く似た色になる。
「……本当に変化するのか……綺麗だな」
ある程度予想はしていたが……目を奪われる。
普通に声が漏れ出ちまった。
集中しているレイヴンは呟きに気付くこと無く、ゆっくりと両目を開いた。
光は段々と収束しレイヴンの左目に収まっていき、いつもの焦げ茶の瞳が美しいセルリアンブルーに変化して、人間の瞳とエルフの瞳に分かたれた。
光がおさまると、自然と力が落ち着いてローブも髪の毛も重力に従って着地する。
同時にポンッ! と可愛らしい音がして、目の前に透明な四枚の羽を持つ小さな可愛らしい子どものような生き物が姿を現した。
グリーンのふわふわとしたドレスのようなものを見に付け、髪もブロンドでこちらもふわふわとしている。
丸いピンクの瞳が忙しなく動いて、皆を視界に捉えていく。
「呼んだ? 呼んだ?」
甲高い声を発した生き物が、レイヴンに向けて話しかける。
やっかましいなコイツは。
レイヴンも自分が召喚したんだろうに対応が遅れて、目をパチパチさせながらその生き物を見て固まってしまう。
「どうやら、成功したみたいだな。この子は風の妖精。色々と情報を届けてくれる可愛い子だ」
クレインが先に妖精を撫でると、キャッキャッと楽しそうに笑い始める。
可愛い、ねぇ?
レイヴンの方が可愛いと思うがなぁ。
まぁ、妖精なんて物珍しいモンにお目にかかれた訳だし、俺も触っても怒られねぇだろ。
そう思って伸ばした手は妖精に警戒されて、空振ったまま妖精はレイヴンの背中に隠れちまった。
手持ち無沙汰になっちまったし、元々撫でようと思ってたからレイヴンの髪の毛を代わりにくしゃくしゃとかき混ぜる。
「ちょ、テオ! 何してるんですか? 妖精にも嫌がられてるし」
「いや、ホントに見た目が変わるのかと思ってな。レイヴンは髪の毛以外は見えねぇだろうけど。言ってた通り、髪と左目が父親そっくりになった」
「え……えぇ? そ、そうなんですか。じゃあ精霊魔法を使うと目立ちますね。その、そっくりになるのは少し、嬉しい気もしますけど……」
レイヴンは自分を温かく見守るクレインに恥ずかしそうに笑いかけて、自分で呼び出した妖精をおいでおいで、と呼ぶ。
妖精は好奇心旺盛なのか、すぐにレイヴンの前に寄ってきた。
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