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第六章 我が道を行く魔塔主と献身的に支える弟子(と騎士二人)
174.危機感
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「ブラックウルフもこの前の個体と一緒ならば、毒がある可能性もありますし。殲滅で正解だと思います。が、何ですか、あのオーガたち。あんな皮膚の色、見たことない……」
「待ちは性に合わないが、様子を見てから斬りかかるしかないか」
レイヴンとディーは攻めあぐねているってか。
「しょうがねぇな」
ニヤリと意味深に笑んでから、詠唱し始める。
「……し、師匠!?それ、大丈夫なんでしょうね!? あぁもう!! ――光の盾」
俺の魔法に嫌な予感がしたレイヴンが、慌てて全員の前に光り輝く透明な盾を生み出す。
キラキラと輝く盾は透けているので盾の裏側にいながらも状況が確認できる。
流石は俺の弟子。
魔法の規模を直ぐ様計算して、適切な魔法を選択するじゃねぇか。
「テオ、お前大規模なのを打つ気なのか!?」
「たぶん、大丈夫だと思いますが念の為です! 爆風防止なので盾の後へ!」
「たぶんて……弟子が言うなら信じるけど、テオドール様の魔法は容赦なさそうで不安だ」
レイヴンの言葉に皆、近づいてくるオーガの挙動に集中する。
呪文を紡ぐと、光る掌に収束してくる炎と共に辺りの温度が上がっていく。
「――爆発」
放たれた魔法と共に炎は膨れ上がり、一直線に二体のオーガへと飛んでいく。
その距離が縮まり、炎が落下しかけると同時にパチン! と指を鳴らす。
「分割!」
俺の合図で炎はその場でに二つに分かたれて、二体のオーガの頭に命中し、その頭上で小規模な爆発を引き起こす。
ドゴォン! という爆発音と共に黒い煙が上がり、オーガの肉片が周囲に飛び散る。
先程の獣臭に混ざり、不快な臭いが漂う。
あー……臭い対策は必要だったか。
まぁ、吹き飛ばして触れなければ安全だろ。
「な……分かれた!?」
「良かった……威力を分散させたんです。師匠お得意の小細工ですね。といっても、普通の魔法使いじゃできない芸当です。さすが、師匠」
珍しくレイヴンがべた褒めしてるじゃねぇか。
「それほどでもねぇよ」
ってまあ、普通のヤツにはできないんだけどな。
ここは自慢しておかねぇと。
っと、折角ドヤ顔してたのによ。
チッ。
頭を吹っ飛ばしたくらいじゃ倒れないってか。
「首が吹き飛んだのに、なんで倒れないんだよ……」
「いや……良くみろ、アイツ、顔がもう一つついてやがるぜ。うぇ……気色悪い」
ウルガーの言葉にオーガの身体を指差して返す。
距離が縮まり見えてきたのは、胸元にある不気味な顔だった。
面倒臭ぇもん作りやがって。
ただのオーガじゃねぇ。
作ったヤツはイカれてんのか?
見てるだけで吐き気がする。
成程なァ。
コレは徹底的に潰す必要が出てきたってもんだ。
「まさか……合成獣か!? 確かに戦争で使用する国があると聞いたことはあるが……」
「そんなものまで作っているだなんて、一体どこの誰が。この前の魔物使いだけじゃなく、産み出す方もいるということでしょうか?」
ディーとレイヴンが言葉を交わす間にも、首が吹き飛んだままオーガは余裕なのか同じようにじわじわとコッチに近づいてくる。
合成獣じゃ生半可な攻撃じゃ倒しきれない。
さっきのもまぁまぁの威力だったはずだが、分割で多少威力は落ちていたからな。
となると、また別のやり方を取らねぇとな。
スーッと消えた光の盾を確認し、全員が戦闘の体勢を整え直す。
「待ちは性に合わないが、様子を見てから斬りかかるしかないか」
レイヴンとディーは攻めあぐねているってか。
「しょうがねぇな」
ニヤリと意味深に笑んでから、詠唱し始める。
「……し、師匠!?それ、大丈夫なんでしょうね!? あぁもう!! ――光の盾」
俺の魔法に嫌な予感がしたレイヴンが、慌てて全員の前に光り輝く透明な盾を生み出す。
キラキラと輝く盾は透けているので盾の裏側にいながらも状況が確認できる。
流石は俺の弟子。
魔法の規模を直ぐ様計算して、適切な魔法を選択するじゃねぇか。
「テオ、お前大規模なのを打つ気なのか!?」
「たぶん、大丈夫だと思いますが念の為です! 爆風防止なので盾の後へ!」
「たぶんて……弟子が言うなら信じるけど、テオドール様の魔法は容赦なさそうで不安だ」
レイヴンの言葉に皆、近づいてくるオーガの挙動に集中する。
呪文を紡ぐと、光る掌に収束してくる炎と共に辺りの温度が上がっていく。
「――爆発」
放たれた魔法と共に炎は膨れ上がり、一直線に二体のオーガへと飛んでいく。
その距離が縮まり、炎が落下しかけると同時にパチン! と指を鳴らす。
「分割!」
俺の合図で炎はその場でに二つに分かたれて、二体のオーガの頭に命中し、その頭上で小規模な爆発を引き起こす。
ドゴォン! という爆発音と共に黒い煙が上がり、オーガの肉片が周囲に飛び散る。
先程の獣臭に混ざり、不快な臭いが漂う。
あー……臭い対策は必要だったか。
まぁ、吹き飛ばして触れなければ安全だろ。
「な……分かれた!?」
「良かった……威力を分散させたんです。師匠お得意の小細工ですね。といっても、普通の魔法使いじゃできない芸当です。さすが、師匠」
珍しくレイヴンがべた褒めしてるじゃねぇか。
「それほどでもねぇよ」
ってまあ、普通のヤツにはできないんだけどな。
ここは自慢しておかねぇと。
っと、折角ドヤ顔してたのによ。
チッ。
頭を吹っ飛ばしたくらいじゃ倒れないってか。
「首が吹き飛んだのに、なんで倒れないんだよ……」
「いや……良くみろ、アイツ、顔がもう一つついてやがるぜ。うぇ……気色悪い」
ウルガーの言葉にオーガの身体を指差して返す。
距離が縮まり見えてきたのは、胸元にある不気味な顔だった。
面倒臭ぇもん作りやがって。
ただのオーガじゃねぇ。
作ったヤツはイカれてんのか?
見てるだけで吐き気がする。
成程なァ。
コレは徹底的に潰す必要が出てきたってもんだ。
「まさか……合成獣か!? 確かに戦争で使用する国があると聞いたことはあるが……」
「そんなものまで作っているだなんて、一体どこの誰が。この前の魔物使いだけじゃなく、産み出す方もいるということでしょうか?」
ディーとレイヴンが言葉を交わす間にも、首が吹き飛んだままオーガは余裕なのか同じようにじわじわとコッチに近づいてくる。
合成獣じゃ生半可な攻撃じゃ倒しきれない。
さっきのもまぁまぁの威力だったはずだが、分割で多少威力は落ちていたからな。
となると、また別のやり方を取らねぇとな。
スーッと消えた光の盾を確認し、全員が戦闘の体勢を整え直す。
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