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第六章 我が道を行く魔塔主と献身的に支える弟子(と騎士二人)
171.大人しく休息を
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「これで寝首を掻かれることはねぇが、魔物に囲まれたら打って出た方が早いだろうな。こんなところまでいちいち討伐しにくるのも面倒だろ? 騎士様よ」
「放置して別の場所に行かれたら、人々にとって脅威になることは間違いない。我々で速やかに殲滅する。念のために俺が火の前で番をするから、食事を取ったら皆、順番に休んでくれ」
「団長は?」
「後で仮眠を取る。テオドールもそれでいいな?」
「俺はレイちゃんを寝かしつけたら先に寝るわ。お前が仮眠を取る時にウルガーと一緒に起きてればいいだろ」
ディーは火の番が好きだから好きにさせときゃいいし。
ウルガーも慣れてるから問題ねぇだろ。
話を進めていると、自分が含まれていないことに気づいたレイヴンが口を挟んできた。
「ちょっと待ってください。私だけずっと休むなんて、そんなことできません。ディートリッヒ様こそ万全の体調でいなくては……」
「俺はこういう時すぐに寝付けなくてな。それでも交代して休むのだから問題ない」
「そうそう。団長は立ったままでも眠れる人だから」
「しかし……」
レイヴンが抗議しっぱなしだな。
気持ちは分かるが、身体も万全にしてもらわねぇと困るからな。
落ち着かせるためにレイヴンの髪をかき混ぜて撫で回す。
「ちょっと、師匠!」
「喋ってる間に時間も過ぎちまうんだからよ、適当に食って寝ちまおうぜ? 俺が仕方なくディーの代わりをしてやるって言ってんだから。お前はお子様らしく寝ておけって」
「誰がお子様ですか!全く……」
乱れた髪を直しながらレイヴンが皆の顔を見回す。
ディーなんて分かりやすく甘やかす気満々だよな。
疲れた子どもは早く寝なさいと言わんばかりの顔してやがるし。
そんなに照れなくても、心配されてるんだからいいじゃねぇか。
過保護な空気にウルガーがさらにダメ押しの口火を切る。
「レイヴンが寝ないと、みんな寝ない感じだぞこれ。俺の睡眠のためにもレイヴン、今は素直に聞いておいた方がいいと思うけど?」
「……分かりました。でも、何かあればすぐに起きますから。その、皆さんのご厚意に甘えさせて頂きます」
レイヴンが納得したところで簡単な食事が始まり、明日の予定を少し話し合う。
話したあとは予定通り俺とレイヴンが先に休むことになった。
テントは二つだし、本来であれば一人ずつ休む用だろうが、俺はレイヴンを寝かしつけるために狭いテントの中で二人で抱き合う形をとった。
レイヴンは最後まで抵抗してたが、俺が譲る訳がねぇし諦めて素直に大人しくなった。
「……テオ、あちらで休んだ方が絶対に休まると思うのですが」
「レイちゃんは俺の胸の中が安心するんだろ?」
「それは……でも、この状況では……」
「いいからいいから。余計なことは考えねぇで、ちょっと眠っとけって。それとも何か? 密着してるからこそ……」
俺がからかうように言うと、怒りますよ? と睨みつけてくる。
ニヤニヤしてやると、ため息混じりに目を瞑る。
結局身体は疲れていたから、そのうちに静かな寝息が俺の耳にも届く。
くっついてんのは本当に嫌いじゃねぇんだな。
俺もレイヴンを抱いてるのは好きだから問題ねぇが。
「……やっぱり眠かったんじゃねぇか。ま、俺も一眠りすっかな」
欠伸をしてから起こさないようにレイヴンの髪にキスを落とす。
そんなに疲れてはいねぇが、俺も少し寝ておかねぇとな。
暫し仮眠を取るために瞼を閉じた。
「放置して別の場所に行かれたら、人々にとって脅威になることは間違いない。我々で速やかに殲滅する。念のために俺が火の前で番をするから、食事を取ったら皆、順番に休んでくれ」
「団長は?」
「後で仮眠を取る。テオドールもそれでいいな?」
「俺はレイちゃんを寝かしつけたら先に寝るわ。お前が仮眠を取る時にウルガーと一緒に起きてればいいだろ」
ディーは火の番が好きだから好きにさせときゃいいし。
ウルガーも慣れてるから問題ねぇだろ。
話を進めていると、自分が含まれていないことに気づいたレイヴンが口を挟んできた。
「ちょっと待ってください。私だけずっと休むなんて、そんなことできません。ディートリッヒ様こそ万全の体調でいなくては……」
「俺はこういう時すぐに寝付けなくてな。それでも交代して休むのだから問題ない」
「そうそう。団長は立ったままでも眠れる人だから」
「しかし……」
レイヴンが抗議しっぱなしだな。
気持ちは分かるが、身体も万全にしてもらわねぇと困るからな。
落ち着かせるためにレイヴンの髪をかき混ぜて撫で回す。
「ちょっと、師匠!」
「喋ってる間に時間も過ぎちまうんだからよ、適当に食って寝ちまおうぜ? 俺が仕方なくディーの代わりをしてやるって言ってんだから。お前はお子様らしく寝ておけって」
「誰がお子様ですか!全く……」
乱れた髪を直しながらレイヴンが皆の顔を見回す。
ディーなんて分かりやすく甘やかす気満々だよな。
疲れた子どもは早く寝なさいと言わんばかりの顔してやがるし。
そんなに照れなくても、心配されてるんだからいいじゃねぇか。
過保護な空気にウルガーがさらにダメ押しの口火を切る。
「レイヴンが寝ないと、みんな寝ない感じだぞこれ。俺の睡眠のためにもレイヴン、今は素直に聞いておいた方がいいと思うけど?」
「……分かりました。でも、何かあればすぐに起きますから。その、皆さんのご厚意に甘えさせて頂きます」
レイヴンが納得したところで簡単な食事が始まり、明日の予定を少し話し合う。
話したあとは予定通り俺とレイヴンが先に休むことになった。
テントは二つだし、本来であれば一人ずつ休む用だろうが、俺はレイヴンを寝かしつけるために狭いテントの中で二人で抱き合う形をとった。
レイヴンは最後まで抵抗してたが、俺が譲る訳がねぇし諦めて素直に大人しくなった。
「……テオ、あちらで休んだ方が絶対に休まると思うのですが」
「レイちゃんは俺の胸の中が安心するんだろ?」
「それは……でも、この状況では……」
「いいからいいから。余計なことは考えねぇで、ちょっと眠っとけって。それとも何か? 密着してるからこそ……」
俺がからかうように言うと、怒りますよ? と睨みつけてくる。
ニヤニヤしてやると、ため息混じりに目を瞑る。
結局身体は疲れていたから、そのうちに静かな寝息が俺の耳にも届く。
くっついてんのは本当に嫌いじゃねぇんだな。
俺もレイヴンを抱いてるのは好きだから問題ねぇが。
「……やっぱり眠かったんじゃねぇか。ま、俺も一眠りすっかな」
欠伸をしてから起こさないようにレイヴンの髪にキスを落とす。
そんなに疲れてはいねぇが、俺も少し寝ておかねぇとな。
暫し仮眠を取るために瞼を閉じた。
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