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第六章 我が道を行く魔塔主と献身的に支える弟子(と騎士二人)
152.とにかく目立つ四人組
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宿を目指して適当にぶらついていたが、ウルガーが口を押さえて堪えきれずに欠伸を漏らした。
「今日は早めに休みましょうよ。どうせ明日からまた歩かないといけないし。美味いものでも食ってぐっすり眠りたいです」
「ウルガー、これくらいで音を上げるとは情けない。行軍に比べたら大したことないだろう。宿を取ったら素振りでもしないと身体が訛ってしまう」
「これだから頭の中身まで筋肉野郎は。ぁー。付き合いきれねぇ。これだけはウルガーに同情するわ」
「……師匠は別の意味でダメですけどね」
俺はあんまり気にもしてねぇが、背の高い大男、しかも厳格で面倒な無骨な騎士とローブを纏った知的な俺を筆頭に、顔が綺麗で可愛い俺の魔法使いと見た目だけは爽やかそうに見えなくもねぇが中身は適当な騎士の四人。
ふらふらしてると街のヤツらの注目を浴びる面子なのは間違いねぇな。
老若男女、どういう用件でやってきたのかと探るようにチラチラと視線をぶつけてきやがるから、落ち着かねぇ。
別になんも悪いこともしてねぇのになぁ?
「あー……何か、俺ら思いっきり目立ってますね。ほぼ団長とテオドール様のせいですけど。だから、鎧着て歩くの嫌なんだよなぁ。宿に着いたらさっさと脱ごう。そうしよう」
一番察しの良いウルガーが居心地悪そうに首裏を擦りはじめる。
アレーシュでは騎士も魔法使いもそこら中にいるもんだが、表通りでいくら人通りもあると言っても、普通の冒険者には見えねぇってことなんだろうな。
「確かに。情報収集するにしても目立ちすぎてはいけないし。師匠は……脱いだところで目立つから、それこそ認識妨害をした方がいいかもしれません」
「まぁ、俺ほど美形だと……」
「お、宿が見えてきましたね。さっさと行きましょう」
俺の言葉を遮ってウルガーが宿の看板を指差す。
ったく、相変わらず失礼な野郎だな。
自然と舌打ちしちまったが、可笑しそうにレイヴンが笑って見上げてきた。
「……レイヴン、随分とテオと打ち解けたのだな」
「……え? そうですか? いつもと変わらないと思いますが……」
「いや……何でもない。気にしないでくれ」
ディーは優しく笑いかけると、ポンとレイヴンの頭を撫でる。
なーに気軽に触ってやがるんだよ。
これだから兄貴気取りのヤツは面倒なんだよ。
ポカンとしているレイヴンを思いっきり引き寄せて、髪の毛をサッサッと払う。
「おい、ディー。お前の筋肉菌を付けるんじゃねぇよ」
「はぁ……お前は何を言っているんだ。デカい子どもじゃあるまいし。しかし……お前もそんなにか。全く、レイヴンに変なことを教えるんじゃないぞ? お前の菌の方が悪質なのだからな」
「お前に言われたくねぇよ。いいから、行くぞ」
「ちょっと、師匠! ディートリッヒ様にそういう態度は……」
声をあげるレイヴンを引きずるように引っ張っていく。
こういうのまで説教してくるんじゃねぇっての。
ディーの呆れたように笑い顔も、なんかイラっとする眼差しも、全部無視だ無視。
急かしてディーを呼ぶウルガーの声が聞こえたし、今行く、と短く答えたのも聞こえたし、アイツらはアイツらで勝手に来るだろ。
「今日は早めに休みましょうよ。どうせ明日からまた歩かないといけないし。美味いものでも食ってぐっすり眠りたいです」
「ウルガー、これくらいで音を上げるとは情けない。行軍に比べたら大したことないだろう。宿を取ったら素振りでもしないと身体が訛ってしまう」
「これだから頭の中身まで筋肉野郎は。ぁー。付き合いきれねぇ。これだけはウルガーに同情するわ」
「……師匠は別の意味でダメですけどね」
俺はあんまり気にもしてねぇが、背の高い大男、しかも厳格で面倒な無骨な騎士とローブを纏った知的な俺を筆頭に、顔が綺麗で可愛い俺の魔法使いと見た目だけは爽やかそうに見えなくもねぇが中身は適当な騎士の四人。
ふらふらしてると街のヤツらの注目を浴びる面子なのは間違いねぇな。
老若男女、どういう用件でやってきたのかと探るようにチラチラと視線をぶつけてきやがるから、落ち着かねぇ。
別になんも悪いこともしてねぇのになぁ?
「あー……何か、俺ら思いっきり目立ってますね。ほぼ団長とテオドール様のせいですけど。だから、鎧着て歩くの嫌なんだよなぁ。宿に着いたらさっさと脱ごう。そうしよう」
一番察しの良いウルガーが居心地悪そうに首裏を擦りはじめる。
アレーシュでは騎士も魔法使いもそこら中にいるもんだが、表通りでいくら人通りもあると言っても、普通の冒険者には見えねぇってことなんだろうな。
「確かに。情報収集するにしても目立ちすぎてはいけないし。師匠は……脱いだところで目立つから、それこそ認識妨害をした方がいいかもしれません」
「まぁ、俺ほど美形だと……」
「お、宿が見えてきましたね。さっさと行きましょう」
俺の言葉を遮ってウルガーが宿の看板を指差す。
ったく、相変わらず失礼な野郎だな。
自然と舌打ちしちまったが、可笑しそうにレイヴンが笑って見上げてきた。
「……レイヴン、随分とテオと打ち解けたのだな」
「……え? そうですか? いつもと変わらないと思いますが……」
「いや……何でもない。気にしないでくれ」
ディーは優しく笑いかけると、ポンとレイヴンの頭を撫でる。
なーに気軽に触ってやがるんだよ。
これだから兄貴気取りのヤツは面倒なんだよ。
ポカンとしているレイヴンを思いっきり引き寄せて、髪の毛をサッサッと払う。
「おい、ディー。お前の筋肉菌を付けるんじゃねぇよ」
「はぁ……お前は何を言っているんだ。デカい子どもじゃあるまいし。しかし……お前もそんなにか。全く、レイヴンに変なことを教えるんじゃないぞ? お前の菌の方が悪質なのだからな」
「お前に言われたくねぇよ。いいから、行くぞ」
「ちょっと、師匠! ディートリッヒ様にそういう態度は……」
声をあげるレイヴンを引きずるように引っ張っていく。
こういうのまで説教してくるんじゃねぇっての。
ディーの呆れたように笑い顔も、なんかイラっとする眼差しも、全部無視だ無視。
急かしてディーを呼ぶウルガーの声が聞こえたし、今行く、と短く答えたのも聞こえたし、アイツらはアイツらで勝手に来るだろ。
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