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第六章 我が道を行く魔塔主と献身的に支える弟子(と騎士二人)
150.まずは中間地点まで
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俺たちが準備を終えて待ち合わせ場所へ着く頃には、騎士団の二人が先に到着していた。
騎士団の二人も鎧を着込んでるいのを見ると、遠征用に準備を整えてきてんな。
まぁ、用意周到ってのは悪いことじゃねぇからな。
「来たか」
「随分早ぇじゃねぇか。騎士様は暇なのかァ?」
適当に言っただけだってのにレイヴンが足を思い切り踏みつけてきやがった。
「いってぇ!」
「師匠! いい加減にしてください! 次、ふざけたことを言ったら……」
「レイヴン、大丈夫だ。コイツが幼稚なのは今に始まったことではないから。私も慣れている」
「……団長、手がプルプルしてるじゃないですか。全く、こんな調子で大丈夫ですかねー」
ウルガーの野郎、相変わらず適当で腹立つな。
レイヴンが諦めきったため息を吐いて、俺のことは見向きもせずに、ディーの方へ向いて話し始めた。
全く、冗談が通じないから困るよな。
「まずはエルフ側から指定された合流位置まで急ぎましょう。師匠の移動テレポートという手もありますが……やはり……」
「いきなり現れたりすれば、相手も警戒するだろう。ここは確実に徒歩で行くしかあるまい。馬という手もあるが、最終目的地がどうなるか分からないからな」
真面目な話はディーとレイヴンに任せるとして、終わるまで何か暇だよなぁ。
同じく浮いてるウルガーが恐る恐るみたいな態度で俺に声を掛けてくる。
「あの、テオドール様。最近、レイヴンはどうですか? 俺から見てもちょっと雰囲気が違う感じがしますが……」
「やっぱ分かるか? 大分素直になってきたんだよなァ。ベッドの上でも可愛いもんだが、まぁお前には関係ないことか。調教の賜物だな」
「……またそんなこと言うと、今度は逆の足も踏まれますよ? 友人としては、好きな人に甘えられるなら良いとは思いますけどね。まぁ、俺としてはこちらに厄介事が来なければ構いませんけど……お手柔らかにしてやってくださいね。アイツ、色々と免疫ないですし」
「俺が無理させると思ってんのか? 可愛がってるヤツにはとことん優しい色男な俺に?」
「……早く戻って来てくれツッコミ役……」
ウルガーが話しかけたことを後悔する頃には方針が固まり、文句を言うテオドールをいつも通り放っておきながら四人で歩き始めた。
+++
城下町を出て、半日ほど歩くと一つの街に辿り着く。
その街を越えた先の小さな農村の宿屋で落ち合うことになっていたのだが、そこはまだアレーシュ王国の統治内だ。
最近ここら辺りも来てなかったから、っつーか、あんまり外に出てなかったから何か外が久しぶりな気がするな。
エルフたちの住むと言われている森は、アレーシュ王国と隣国との境界の辺りに入り口があるはずだが、少なくともアレーシュ王国の人間で足を踏み入れた者はいねぇだろうな。
エルフとの同盟を代々の国王が更新する時でさえ、エルフの方から王宮に出向くことはあっても、森へ入ることを許された者はいないって話だ。
「歩くのかったるいんだよ。別に何とか村までは飛べばいいじゃねぇか。地図に載ってるくらいなら大体の場所が分かるんだしよ」
「歩きながら情報収集も兼ねているのだから、少しは黙って歩け。本当に口の減らない男だな。レイヴン、疲れたらすぐ言うんだぞ?」
「ありがとうございます、ディートリッヒ様。とりあえず街に着いたら宿を取って一旦情報収集してみましょう。もしかしたら魔物の目撃情報もあるかもしれませんし」
「……団長、レイヴンに過保護すぎですよね。相変わらず。俺も宿は賛成ですし、酒場も隣接しているのならば、テオドール様の機嫌も良くなりますからね」
ウルガーのそういう気遣いができるところはキライじゃねぇ。
ニヤリとワザと笑んでやると牽制するように、ディーが厳しい表情で睨みつけてくる。
レイヴンも同じく睨みつけてくるので、やれやれと両手を上げて降参ポーズをして見せた。
騎士団の二人も鎧を着込んでるいのを見ると、遠征用に準備を整えてきてんな。
まぁ、用意周到ってのは悪いことじゃねぇからな。
「来たか」
「随分早ぇじゃねぇか。騎士様は暇なのかァ?」
適当に言っただけだってのにレイヴンが足を思い切り踏みつけてきやがった。
「いってぇ!」
「師匠! いい加減にしてください! 次、ふざけたことを言ったら……」
「レイヴン、大丈夫だ。コイツが幼稚なのは今に始まったことではないから。私も慣れている」
「……団長、手がプルプルしてるじゃないですか。全く、こんな調子で大丈夫ですかねー」
ウルガーの野郎、相変わらず適当で腹立つな。
レイヴンが諦めきったため息を吐いて、俺のことは見向きもせずに、ディーの方へ向いて話し始めた。
全く、冗談が通じないから困るよな。
「まずはエルフ側から指定された合流位置まで急ぎましょう。師匠の移動テレポートという手もありますが……やはり……」
「いきなり現れたりすれば、相手も警戒するだろう。ここは確実に徒歩で行くしかあるまい。馬という手もあるが、最終目的地がどうなるか分からないからな」
真面目な話はディーとレイヴンに任せるとして、終わるまで何か暇だよなぁ。
同じく浮いてるウルガーが恐る恐るみたいな態度で俺に声を掛けてくる。
「あの、テオドール様。最近、レイヴンはどうですか? 俺から見てもちょっと雰囲気が違う感じがしますが……」
「やっぱ分かるか? 大分素直になってきたんだよなァ。ベッドの上でも可愛いもんだが、まぁお前には関係ないことか。調教の賜物だな」
「……またそんなこと言うと、今度は逆の足も踏まれますよ? 友人としては、好きな人に甘えられるなら良いとは思いますけどね。まぁ、俺としてはこちらに厄介事が来なければ構いませんけど……お手柔らかにしてやってくださいね。アイツ、色々と免疫ないですし」
「俺が無理させると思ってんのか? 可愛がってるヤツにはとことん優しい色男な俺に?」
「……早く戻って来てくれツッコミ役……」
ウルガーが話しかけたことを後悔する頃には方針が固まり、文句を言うテオドールをいつも通り放っておきながら四人で歩き始めた。
+++
城下町を出て、半日ほど歩くと一つの街に辿り着く。
その街を越えた先の小さな農村の宿屋で落ち合うことになっていたのだが、そこはまだアレーシュ王国の統治内だ。
最近ここら辺りも来てなかったから、っつーか、あんまり外に出てなかったから何か外が久しぶりな気がするな。
エルフたちの住むと言われている森は、アレーシュ王国と隣国との境界の辺りに入り口があるはずだが、少なくともアレーシュ王国の人間で足を踏み入れた者はいねぇだろうな。
エルフとの同盟を代々の国王が更新する時でさえ、エルフの方から王宮に出向くことはあっても、森へ入ることを許された者はいないって話だ。
「歩くのかったるいんだよ。別に何とか村までは飛べばいいじゃねぇか。地図に載ってるくらいなら大体の場所が分かるんだしよ」
「歩きながら情報収集も兼ねているのだから、少しは黙って歩け。本当に口の減らない男だな。レイヴン、疲れたらすぐ言うんだぞ?」
「ありがとうございます、ディートリッヒ様。とりあえず街に着いたら宿を取って一旦情報収集してみましょう。もしかしたら魔物の目撃情報もあるかもしれませんし」
「……団長、レイヴンに過保護すぎですよね。相変わらず。俺も宿は賛成ですし、酒場も隣接しているのならば、テオドール様の機嫌も良くなりますからね」
ウルガーのそういう気遣いができるところはキライじゃねぇ。
ニヤリとワザと笑んでやると牽制するように、ディーが厳しい表情で睨みつけてくる。
レイヴンも同じく睨みつけてくるので、やれやれと両手を上げて降参ポーズをして見せた。
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