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第六章 我が道を行く魔塔主と献身的に支える弟子(と騎士二人)
149.自室でも準備
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装備の準備をするために俺の自室で魔法薬を探す。
自作で魔法薬を作るのも嫌いじゃねぇし、暇さえあれば研究室に籠もることもある。
その薬の内容が良いものか悪いものなのかは俺の気分次第で、しょうもないものもあれば普通に市販されている薬よりも良いものもあった。
「そういえばテオ、2人で行くにしても準備はどうしましょうか?薬系は多めに持っていくことに越したことはないですけど、多すぎると重たいですし……」
「別にそんなに考えなくても、ザックリでいいだろ、ザックリで」
欠伸をしながら、その辺りに転がっている薬瓶をポイポイと手にとってベルトに差し込んでいく。
その数は普段より多いが、どうということもない量だ。
まぁ、何があるか分からねぇし持てるだけ持っていくか。
「それ、中身分かって準備してますか? 若干不安が残るのですが……」
「確か魔力回復薬だろ?こっちは媚薬だったか……」
「ちょっとテオ! それいらない薬! 置いていってください!! いらないでしょう? 冗談なのか本気なのか分からない薬は禁止です!!」
レイヴンは慌てて俺の手から薬瓶をもぎ取る。
冗談を真に受けてるところが可愛いじゃねぇか。
楽しくなってきてケラケラと笑う。
しかも手に取った薬を必死に棚に戻そうとしてるのに、レイヴンの身長だと微妙に足りない。
つま先立ちで背伸びをしているのも、何か一生懸命でいいよな。
助けてやりたくなる。
「レイちゃんは小さくて可愛いよなァ? 必死になってるところがまたいいな」
「人を見て楽しんでないで! 早く戻してください!」
「そんなに騒がなくても。っつーか暫くレイちゃんとイチャイチャできねぇのつまんないから、今しとく?」
「ダメに決まってるでしょう? もう、そんなに時間に余裕がある訳じゃないし……」
レイヴンの手から薬瓶を取り上げて元の位置へと戻す。
ふらつくレイヴンの腰を抱いて、背伸びしていつもより距離が近くなったレイヴンの額にチュッと軽く唇を落とす。
たったそれだけのことなのに、レイヴンはほんのりと頬を赤く染める。
こういうやり取りもいつまでも慣れないところがイイ。
が、ちょっと攻めればすぐに流されて、俺のことを求めてくる素直なところもイイ。
まぁ、丸ごと愉しめばいい話だが。
「だ、だから! そういうことしてる時間は……」
「時間があればしてもイイってことか?」
「……時と場合によります! もう、ほら真面目に支度してくださいっ!」
「拒絶されねぇのがすげぇ進歩……やっぱりサボっていいか?」
その後も思うがままにレイヴンに触れる。
レイヴンは俺が触れようと手を伸ばすとギリギリで躱しながら、時間までに支度を終えようと一人で奮闘する。
あんまりサボると文句ばっかり言って不機嫌になっちまうから、ほどほどにしておくか。
レイヴンが結局また俺のことを注意してくるから今度が俺が適当に躱しながら、慌ただしく騎士二人との待ち合わせ場所へと向かう。
自作で魔法薬を作るのも嫌いじゃねぇし、暇さえあれば研究室に籠もることもある。
その薬の内容が良いものか悪いものなのかは俺の気分次第で、しょうもないものもあれば普通に市販されている薬よりも良いものもあった。
「そういえばテオ、2人で行くにしても準備はどうしましょうか?薬系は多めに持っていくことに越したことはないですけど、多すぎると重たいですし……」
「別にそんなに考えなくても、ザックリでいいだろ、ザックリで」
欠伸をしながら、その辺りに転がっている薬瓶をポイポイと手にとってベルトに差し込んでいく。
その数は普段より多いが、どうということもない量だ。
まぁ、何があるか分からねぇし持てるだけ持っていくか。
「それ、中身分かって準備してますか? 若干不安が残るのですが……」
「確か魔力回復薬だろ?こっちは媚薬だったか……」
「ちょっとテオ! それいらない薬! 置いていってください!! いらないでしょう? 冗談なのか本気なのか分からない薬は禁止です!!」
レイヴンは慌てて俺の手から薬瓶をもぎ取る。
冗談を真に受けてるところが可愛いじゃねぇか。
楽しくなってきてケラケラと笑う。
しかも手に取った薬を必死に棚に戻そうとしてるのに、レイヴンの身長だと微妙に足りない。
つま先立ちで背伸びをしているのも、何か一生懸命でいいよな。
助けてやりたくなる。
「レイちゃんは小さくて可愛いよなァ? 必死になってるところがまたいいな」
「人を見て楽しんでないで! 早く戻してください!」
「そんなに騒がなくても。っつーか暫くレイちゃんとイチャイチャできねぇのつまんないから、今しとく?」
「ダメに決まってるでしょう? もう、そんなに時間に余裕がある訳じゃないし……」
レイヴンの手から薬瓶を取り上げて元の位置へと戻す。
ふらつくレイヴンの腰を抱いて、背伸びしていつもより距離が近くなったレイヴンの額にチュッと軽く唇を落とす。
たったそれだけのことなのに、レイヴンはほんのりと頬を赤く染める。
こういうやり取りもいつまでも慣れないところがイイ。
が、ちょっと攻めればすぐに流されて、俺のことを求めてくる素直なところもイイ。
まぁ、丸ごと愉しめばいい話だが。
「だ、だから! そういうことしてる時間は……」
「時間があればしてもイイってことか?」
「……時と場合によります! もう、ほら真面目に支度してくださいっ!」
「拒絶されねぇのがすげぇ進歩……やっぱりサボっていいか?」
その後も思うがままにレイヴンに触れる。
レイヴンは俺が触れようと手を伸ばすとギリギリで躱しながら、時間までに支度を終えようと一人で奮闘する。
あんまりサボると文句ばっかり言って不機嫌になっちまうから、ほどほどにしておくか。
レイヴンが結局また俺のことを注意してくるから今度が俺が適当に躱しながら、慌ただしく騎士二人との待ち合わせ場所へと向かう。
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