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第五章 漸くモノにした魔塔主と少し素直になれた弟子
124.目が覚めて
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数時間後――
漸く面倒事から開放されて後はレイヴンが起きてくるのを待っていると、ソファーですやすやと眠っていたレイヴンが目を覚ます。
寝起きでぼんやりしながら瞬きを何度かして、何かを考えこんで辺りをキョロキョロし始めた。
「あ…れ? ここは……」
「お、起きたか? さすが俺の魔法。時間ピッタリじゃねぇか。今日の予定は滞りなく終了したから、後は遊びに行くだけだな」
「魔法……? え……確か、報告を受けてそれから……」
身体を起こして思い出そうとしてるみてぇだが、なんだかぼうっとしてんな。
眠りの影響もあるんだろうがやっぱ疲れてたんだろうな。
俺が外出しようと準備をしているのを眺めながら首を傾げる。
「まぁ、気にすんな。俺が休ませたんだから問題ねぇよ。それより、身体が平気そうなら俺らも祭りを楽しまねぇとな」
「そう、なんですか? 俺……眠るほど倦怠感があったのか。すみません、師匠。お休みを頂いてしまって。でも、今から出るんですか? 結構遅い時間、ですよね?」
俺が軽く煽ると、勢いに押されてレイヴンも立ち上がる。
ガバリとローブの上から外套を被せて、有無を言わさず腕を引っ張る。
ここからだと飛べねぇから、たまには階段を降りてくか。
面倒だったら途中で飛び降りればいいだろ。
「いいからいいから。ほら、行くぞ」
「は、はい……」
手を引いて魔塔の外へ出て、そのまま歩いて街へと向かう。
向かう間にもちらほらと祭り用の街灯が辺りを明るく照らし、遅い夜でも道筋を浮かび上がらせる。
「やっぱり、いつもとは違う雰囲気ですね」
「灯り一つもねぇのもそれはそれでいいけどな。灯り一つで祭りっぽさが出るもんだ」
時折立ち止まりながら景色を眺め、夜の街へと足を踏み入れる。
それなりに遅い時間だってのにまだまだ人気があるし、祭りのための屋台も立ち並び、酒や食べ物がいつも以上に色々と売られている。
辺りの奴らもそれぞれに。
飲んで、食べて、踊ってと、祭りを楽しんでいる。
「おーおー。やってんなぁ。とりあえず、焼串でも食うか。オヤジ、焼串二つ」
「あいよ。今日は祭りだ! おまけに一本追加しておくよ」
「いいねぇ。じゃ、遠慮なく。ほらよ、レイヴン。腹減ってんだろ?」
焼串は肉がこんがりと焼けていて、食欲をそそる香りがした。
焼串を突き出すとレイヴンは素直に受け取って一口齧る。
「んー! 美味しい!」
「コレは飲みたくなる味だよなぁ。ビール売ってねぇかな」
「もう、すぐ飲もうとする。まぁ……祭りだから楽しまないと、ですよね?」
レイヴンも焼串にかぶりつきながら、ニコと笑って許可を出す。
そこら中でみんな飲んでんのに、飲むなとはさすがにで言えねぇよな?
「そうこなくっちゃなァ。お前はビールじゃねぇヤツな」
「俺はレモネードを頂きます。それと、次の食べものは……」
「もう食べたのかよ? どんだけ腹減ってんだ」
「緊張しすぎて、昼間何も食べられなくて。今、お腹空いちゃいました」
レイヴンも笑いながらレモネードを買い、フルーツも買ってそれも齧る。
甘酸っぱさがまた食欲をそそるのか、急にはしゃぎだしたレイヴンが俺の手を逆に引いて、あれやこれやと屋台を回る。
漸く面倒事から開放されて後はレイヴンが起きてくるのを待っていると、ソファーですやすやと眠っていたレイヴンが目を覚ます。
寝起きでぼんやりしながら瞬きを何度かして、何かを考えこんで辺りをキョロキョロし始めた。
「あ…れ? ここは……」
「お、起きたか? さすが俺の魔法。時間ピッタリじゃねぇか。今日の予定は滞りなく終了したから、後は遊びに行くだけだな」
「魔法……? え……確か、報告を受けてそれから……」
身体を起こして思い出そうとしてるみてぇだが、なんだかぼうっとしてんな。
眠りの影響もあるんだろうがやっぱ疲れてたんだろうな。
俺が外出しようと準備をしているのを眺めながら首を傾げる。
「まぁ、気にすんな。俺が休ませたんだから問題ねぇよ。それより、身体が平気そうなら俺らも祭りを楽しまねぇとな」
「そう、なんですか? 俺……眠るほど倦怠感があったのか。すみません、師匠。お休みを頂いてしまって。でも、今から出るんですか? 結構遅い時間、ですよね?」
俺が軽く煽ると、勢いに押されてレイヴンも立ち上がる。
ガバリとローブの上から外套を被せて、有無を言わさず腕を引っ張る。
ここからだと飛べねぇから、たまには階段を降りてくか。
面倒だったら途中で飛び降りればいいだろ。
「いいからいいから。ほら、行くぞ」
「は、はい……」
手を引いて魔塔の外へ出て、そのまま歩いて街へと向かう。
向かう間にもちらほらと祭り用の街灯が辺りを明るく照らし、遅い夜でも道筋を浮かび上がらせる。
「やっぱり、いつもとは違う雰囲気ですね」
「灯り一つもねぇのもそれはそれでいいけどな。灯り一つで祭りっぽさが出るもんだ」
時折立ち止まりながら景色を眺め、夜の街へと足を踏み入れる。
それなりに遅い時間だってのにまだまだ人気があるし、祭りのための屋台も立ち並び、酒や食べ物がいつも以上に色々と売られている。
辺りの奴らもそれぞれに。
飲んで、食べて、踊ってと、祭りを楽しんでいる。
「おーおー。やってんなぁ。とりあえず、焼串でも食うか。オヤジ、焼串二つ」
「あいよ。今日は祭りだ! おまけに一本追加しておくよ」
「いいねぇ。じゃ、遠慮なく。ほらよ、レイヴン。腹減ってんだろ?」
焼串は肉がこんがりと焼けていて、食欲をそそる香りがした。
焼串を突き出すとレイヴンは素直に受け取って一口齧る。
「んー! 美味しい!」
「コレは飲みたくなる味だよなぁ。ビール売ってねぇかな」
「もう、すぐ飲もうとする。まぁ……祭りだから楽しまないと、ですよね?」
レイヴンも焼串にかぶりつきながら、ニコと笑って許可を出す。
そこら中でみんな飲んでんのに、飲むなとはさすがにで言えねぇよな?
「そうこなくっちゃなァ。お前はビールじゃねぇヤツな」
「俺はレモネードを頂きます。それと、次の食べものは……」
「もう食べたのかよ? どんだけ腹減ってんだ」
「緊張しすぎて、昼間何も食べられなくて。今、お腹空いちゃいました」
レイヴンも笑いながらレモネードを買い、フルーツも買ってそれも齧る。
甘酸っぱさがまた食欲をそそるのか、急にはしゃぎだしたレイヴンが俺の手を逆に引いて、あれやこれやと屋台を回る。
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