【第二部開始】風変わりな魔塔主と弟子

めーぷる

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第五章 漸くモノにした魔塔主と少し素直になれた弟子

121.何とかやりすごして

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「そこで…喋らない、で……お願い……」
「ソコって……どこだ?」
「胸の……ッ――!?」

 突起を噛むと、痛いのかレイヴンの声が詰まる。
 が、すぐさま優しく何度も舐める。
 痛いのか、気持ちが良いのか区別がつかないらしいレイヴンは、必死になって息を逃して耐えている。

 何も知らなかった天使ちゃんは、すっかりと俺に汚されちまったな。

 突起がプクリと色づく頃には着ていた服が肩から落ちて、羽がもがれたように垂れ下がっていた。

「こりゃあ、天使は堕天使になっちまったなァ」
「何、言って……」
「折角だから、ちょっとやっとくか?」
「……これ以上、したら。本当に、怒りますから……」

 息も絶え絶えだが、残る理性で俺を睨みつけてくる。
 レイヴンの抗議に仕方なく身体を開放して手を離す。

 ヘナヘナと力が抜けて床に座り込んでしまったレイヴンを頭上からケラケラと笑って見下ろした。

「その服に何かあっても面倒だし、続きは夜にな?」
「……しません!」
「ハハハ! 元気なことで?」
「他人事だと思って……も、着替えるから……」

 こういうのも悪くねぇな。
 笑いながら、ポンポンとレイヴンの頭を撫でる。
 撫でられるのは嫌いじゃないと言っていただけあって、妙に落ち着いて大人しくなるレイヴンは可愛いもんだ。

 本人は腹が立って仕方がない、と、思いっきり顔に書いてあるけどな。

「……まだここにいるつもりですか?」
「今、堂々と出ていってもいいが。お前が吐いた嘘がバレるな。連絡取ってるはずだもんなァ? 俺と」

 俺の言い分に、咄嗟にそんなことを言ってしまったと今更後悔したレイヴンが額に手を当てる。
 が、俺がジロジロと観察していることに気づくと、指を突きつけて宣言する。

「……もう、触らないでください。見るのも禁止! 堪能したでしょう? 天使な俺!」
「いやぁ……足りてねぇけど仕方ねぇな。今度、堕天使ちゃんもやろうぜ? お前って意外と色んな服が似合うんだなぁ」
「知りませんよ、そんなこと。何が堕天使ちゃんですか……師匠は魔王様でもやるおつもりで? さぞかし似合うんでしょうね」
「そりゃあ、そうだろうなぁ。何、そういう服着てヤるか?」
「だから、しません!」

 何とか立ち上がったレイヴンを見ると、刺激され続けた胸はジンと痺れているのか、赤く尖りきっている。
 
 あぁ、アレは擦れても感じるだろうなァ?

 俺を部屋の隅へと追いやって、絶対に見るなとプリプリと怒りながら、ゆっくりと着替え始めた。

 あの衣装、今度何とか手に入れられないか交渉してみるか。
 何か違う意味で面白かったしなぁ。
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