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第四章 行動に移す魔塔主と色々認めたくない弟子
99.突発的な報せ<テオドール・レイヴン視点>
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肌寒さを感じて目が覚めた。
欠伸と一緒に頭の下の柔らかな感触に記憶を引っ張り出す。
「そういや、膝枕させてたか。っつーか、レイヴンまで寝てるのかよ」
俺の言うことを従順に守って、ココで眠っちまったのか。
相変わらず、真面目なんだよなぁ。
笑いながらレイヴンを起こさないようにゆっくりと身体を起こす。
「……まだ眠ぃし。今度は抱き枕になってもらわねぇとな」
ここまで来たら最後までたっぷりと甘えさせてもらうとするか。
癒し系さんに。
そっと身体を抱き上げそのままベッドへと運んで寝かせると、自分も横になってレイヴンを引き寄せて抱きしめる。
さっきまで肌寒さを感じてたってのに高めの体温が心地よくて、眠りに誘われる。
「ん……」
「あぁ、もうちょい付き合ってくれよ。……おやすみ」
寝ぼけて起きそうになるレイヴンをひと撫でして、誘われるままに微睡みの中に落ちていった。
+++
次の日の朝――――
眠っていた俺は遠慮がちに扉を叩く音で目を覚ます。
「魔塔主様、おはようございます。ご報告がございます」
魔塔の魔法使いの1人が扉を叩いているみたいだけど、傍らの師匠が俺をしっかりと抱きしめたまま起きる気配がない。
仕方がない……いつものことだと諦めて何とか拘束から抜け出すと、身だしなみを簡単に整えて扉を開ける。
「補佐官様? こちらにいらっしゃったのですね」
「昨夜、魔塔主様との打ち合わせが長引いてしまってそのまま休ませてもらっていた。魔塔主様はお疲れのご様子でまだ眠っていらっしゃるから、私が代わりに聞こう」
「はい、では……。先程王宮から使いの者が来まして、その。ヨウアル様が不慮の事故で亡くなったそうです。原因究明中ですが、死体の損傷が激しいため難しいのではないか、と」
「ヨウアルが? ……分かった。魔塔主様には私から伝えておく」
魔法使いは安堵した表情を向けて一礼し、去っていった。
寝起きの師匠は大抵不機嫌なので、皆起こしたがらない。
基本的に恐ろしい人物だと思われているので報告に来る者も緊張してしまって師匠の元に来るのを渋ることが多い。
こういう場合は新人の魔法使いが無理矢理に行く羽目になる。
魔塔内で師匠と対等に話しているのは俺だけのせいか、師匠に直接行く前に大抵は皆、俺を探してそこから取り次ぐという流れが自然と多くなる。
「不慮の事故……」
自分に言い聞かせるように呟いて扉を閉めると、ベッドへと戻り師匠の様子を見る。
まだ起きる気配がなさそうなので、自室に戻ろうと腰を上げた瞬間――
「な……ちょっと!?」
バランスを崩してベッドへと倒れ込む。
そのままベッドの中へと引きずり込まれて抱きしめられる。
もがいても強い力のせいで、身動きが取れなくなってしまった。
欠伸と一緒に頭の下の柔らかな感触に記憶を引っ張り出す。
「そういや、膝枕させてたか。っつーか、レイヴンまで寝てるのかよ」
俺の言うことを従順に守って、ココで眠っちまったのか。
相変わらず、真面目なんだよなぁ。
笑いながらレイヴンを起こさないようにゆっくりと身体を起こす。
「……まだ眠ぃし。今度は抱き枕になってもらわねぇとな」
ここまで来たら最後までたっぷりと甘えさせてもらうとするか。
癒し系さんに。
そっと身体を抱き上げそのままベッドへと運んで寝かせると、自分も横になってレイヴンを引き寄せて抱きしめる。
さっきまで肌寒さを感じてたってのに高めの体温が心地よくて、眠りに誘われる。
「ん……」
「あぁ、もうちょい付き合ってくれよ。……おやすみ」
寝ぼけて起きそうになるレイヴンをひと撫でして、誘われるままに微睡みの中に落ちていった。
+++
次の日の朝――――
眠っていた俺は遠慮がちに扉を叩く音で目を覚ます。
「魔塔主様、おはようございます。ご報告がございます」
魔塔の魔法使いの1人が扉を叩いているみたいだけど、傍らの師匠が俺をしっかりと抱きしめたまま起きる気配がない。
仕方がない……いつものことだと諦めて何とか拘束から抜け出すと、身だしなみを簡単に整えて扉を開ける。
「補佐官様? こちらにいらっしゃったのですね」
「昨夜、魔塔主様との打ち合わせが長引いてしまってそのまま休ませてもらっていた。魔塔主様はお疲れのご様子でまだ眠っていらっしゃるから、私が代わりに聞こう」
「はい、では……。先程王宮から使いの者が来まして、その。ヨウアル様が不慮の事故で亡くなったそうです。原因究明中ですが、死体の損傷が激しいため難しいのではないか、と」
「ヨウアルが? ……分かった。魔塔主様には私から伝えておく」
魔法使いは安堵した表情を向けて一礼し、去っていった。
寝起きの師匠は大抵不機嫌なので、皆起こしたがらない。
基本的に恐ろしい人物だと思われているので報告に来る者も緊張してしまって師匠の元に来るのを渋ることが多い。
こういう場合は新人の魔法使いが無理矢理に行く羽目になる。
魔塔内で師匠と対等に話しているのは俺だけのせいか、師匠に直接行く前に大抵は皆、俺を探してそこから取り次ぐという流れが自然と多くなる。
「不慮の事故……」
自分に言い聞かせるように呟いて扉を閉めると、ベッドへと戻り師匠の様子を見る。
まだ起きる気配がなさそうなので、自室に戻ろうと腰を上げた瞬間――
「な……ちょっと!?」
バランスを崩してベッドへと倒れ込む。
そのままベッドの中へと引きずり込まれて抱きしめられる。
もがいても強い力のせいで、身動きが取れなくなってしまった。
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