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第四章 行動に移す魔塔主と色々認めたくない弟子
92.慌ただしい朝
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珍しくスッキリと目が覚めると、自分の隣でぐっすりとレイヴンが眠ったままだった。
大体はレイヴンの方が先に起きて、あぁだこうだ言うもんだが。
こうして明るい時に寝顔を見られるのはイイもんだ。
このまま腕の中に閉じ込めて置くのも悪くねぇが、今日は確か予定があるとか言ってたはずだ。
後から俺が文句を言われるのも面倒だし、仕方ねぇ。
レイヴンの頬をつついて起こすか。
「おーい、レイちゃん? 寝てても俺は構わねぇけどよ。今日は衣装合わせがどうの、とか言ってただろ?」
「ぅ……やっぱ、頭痛い……え…あ、師匠……?」
二日酔いに苦しんでいるレイヴンに笑って、挨拶代わりのキスを落とす。
寝起きの不意打ちにレイヴンが瞬きだけ返してきたが、距離感に改めて驚いてわざわざ身体を引いて慌てて飛び起きた。
んなに警戒しなくてもいいのによ。
「お、おはようございます……そうだ、今日は神殿に行かないと……」
どれだけ頭痛いんだよ。
全く、いっつも俺のことを注意してる癖に立場が逆転すると面白いな。
思わず笑っちまうと、レイヴンが分かりやすくバツの悪そうな顔をしていてまた面白い。
ココは俺が一肌脱いでやるか。
っても、今は裸だったな。
起き上がって、薬瓶の並ぶ棚に向かおうとするとレイヴンが何故か顔を赤くする。
「ちょ、ちょっと師匠! 何か羽織ってください!」
慌てたレイヴンがバタバタと動く気配を背中越しに感じるが、そのまま気にしないで薬瓶の棚の前に立つと、背伸びしたレイヴンが俺の肩に向かって後ろから無理矢理にガウンを引っ掛けた。
「自分の部屋なんだから、どうだっていいだろ。裸なんて、散々見てるじゃねぇか」
「それはそれ、これはこれです! あぁ、もう。頭に響く……」
レイヴンが分かりやすく反省の表情をしていて笑いを誘う。
まぁ、乱れた弟子をアイツの前に行かせる訳にもいかねぇし、薬瓶を手に取るとそれをレイヴンに手渡そうと突き出した。
「ほらよ。俺が調合した二日酔いに効く素晴らしい薬だ。分けてやるから飲んでけ」
「……すっごく不本意ですけど、背に腹は代えられないので。いただきます。が、副作用とかないでしょうね、コレ……」
全く……失礼だなぁ?
緊急時用に一応作ってみたんだが、こんなに早く役に立つとは思わなかった。
俺と薬瓶を交互に見ながら不信感を顕にしすぎだが、さすがに二日酔いのまま行くわけにはいかねぇよな?
別に微笑ましく見守ってやってるだけなのによ。
漸く決心したレイヴンがコルクの蓋を外して一気に飲み干した。
「……意外と味も爽やかで悪くない。師匠がまともなものを作るだなんて、信じられません。二日酔いの薬ってところが微妙ですけど」
「あのなぁ。俺のこと何だと思ってんだよ……魔塔主様ならできて当然だろうが。ほら、飲んだら身支度して行ってこい」
「はい。その……いえ、なんでもないです。行ってきます」
「俺も残念ながら執務室でやることがあるから、後で報告しにこい。ババアのことだから、俺にも何かやらせようと企んでるだろ」
素の時はホントいちいち突っかかってくるよなぁ。
別に可愛いもんだからいいけどよ。
「またそういうこと言う……」
まぁ、お小言を言えるくらいなら大丈夫だろ。
自分の服も拾い集めて簡単に着替え直したレイヴンが、慌てて部屋を出ていった。
大体はレイヴンの方が先に起きて、あぁだこうだ言うもんだが。
こうして明るい時に寝顔を見られるのはイイもんだ。
このまま腕の中に閉じ込めて置くのも悪くねぇが、今日は確か予定があるとか言ってたはずだ。
後から俺が文句を言われるのも面倒だし、仕方ねぇ。
レイヴンの頬をつついて起こすか。
「おーい、レイちゃん? 寝てても俺は構わねぇけどよ。今日は衣装合わせがどうの、とか言ってただろ?」
「ぅ……やっぱ、頭痛い……え…あ、師匠……?」
二日酔いに苦しんでいるレイヴンに笑って、挨拶代わりのキスを落とす。
寝起きの不意打ちにレイヴンが瞬きだけ返してきたが、距離感に改めて驚いてわざわざ身体を引いて慌てて飛び起きた。
んなに警戒しなくてもいいのによ。
「お、おはようございます……そうだ、今日は神殿に行かないと……」
どれだけ頭痛いんだよ。
全く、いっつも俺のことを注意してる癖に立場が逆転すると面白いな。
思わず笑っちまうと、レイヴンが分かりやすくバツの悪そうな顔をしていてまた面白い。
ココは俺が一肌脱いでやるか。
っても、今は裸だったな。
起き上がって、薬瓶の並ぶ棚に向かおうとするとレイヴンが何故か顔を赤くする。
「ちょ、ちょっと師匠! 何か羽織ってください!」
慌てたレイヴンがバタバタと動く気配を背中越しに感じるが、そのまま気にしないで薬瓶の棚の前に立つと、背伸びしたレイヴンが俺の肩に向かって後ろから無理矢理にガウンを引っ掛けた。
「自分の部屋なんだから、どうだっていいだろ。裸なんて、散々見てるじゃねぇか」
「それはそれ、これはこれです! あぁ、もう。頭に響く……」
レイヴンが分かりやすく反省の表情をしていて笑いを誘う。
まぁ、乱れた弟子をアイツの前に行かせる訳にもいかねぇし、薬瓶を手に取るとそれをレイヴンに手渡そうと突き出した。
「ほらよ。俺が調合した二日酔いに効く素晴らしい薬だ。分けてやるから飲んでけ」
「……すっごく不本意ですけど、背に腹は代えられないので。いただきます。が、副作用とかないでしょうね、コレ……」
全く……失礼だなぁ?
緊急時用に一応作ってみたんだが、こんなに早く役に立つとは思わなかった。
俺と薬瓶を交互に見ながら不信感を顕にしすぎだが、さすがに二日酔いのまま行くわけにはいかねぇよな?
別に微笑ましく見守ってやってるだけなのによ。
漸く決心したレイヴンがコルクの蓋を外して一気に飲み干した。
「……意外と味も爽やかで悪くない。師匠がまともなものを作るだなんて、信じられません。二日酔いの薬ってところが微妙ですけど」
「あのなぁ。俺のこと何だと思ってんだよ……魔塔主様ならできて当然だろうが。ほら、飲んだら身支度して行ってこい」
「はい。その……いえ、なんでもないです。行ってきます」
「俺も残念ながら執務室でやることがあるから、後で報告しにこい。ババアのことだから、俺にも何かやらせようと企んでるだろ」
素の時はホントいちいち突っかかってくるよなぁ。
別に可愛いもんだからいいけどよ。
「またそういうこと言う……」
まぁ、お小言を言えるくらいなら大丈夫だろ。
自分の服も拾い集めて簡単に着替え直したレイヴンが、慌てて部屋を出ていった。
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