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第三章 再確認する魔塔主と距離が近づく弟子
74.手土産ついでに
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「大人しくしてんだろうな? アイツは」
俺はレイヴンの自室の前までやって来ると扉に手をかざす。
この部屋には俺が結界を施してあるが、かけた主が解除するのは簡単だ。
ついでに鍵も外す。
鍵を使用すればこの位は外せちまうからな。
レイヴンもああだこうだ言うが、俺は勝手に出入りするから最近は驚きもしねぇ。
「レイちゃーん? ……お、寝てるのか」
土産のスイーツをサイドテーブルへと置き、ベッドで寝息を立てているレイヴンの側へと腰掛ける。
相変わらず無防備だよなぁ。
こうして眠っていると中性的な顔立ちのせいか庇護欲がかき立てられるんだよな。
ついでに構いたくなっちまう。
「良く寝てんなぁ。おい、レイちゃん? イイもん買ってきたぞー」
サラサラした髪を梳いていると、んー……と声が漏れる。
「ほらほら、俺が全部食っちまうぞ? まぁ……俺は別にこっちのデザートでもいいか」
面白がって、額や頬にキスの雨を降らせていく。
眠っていたレイヴンも擽ったいのか、もぞもぞと動き始める。
「んんー……もう、何……?」
「寝ぼけてんなぁ? いつもそれくらい大人しいレイちゃんならいいのになァ?」
「その声、は……ししょ……んむぅ!?」
最後に唇に吸い付いてから、ニィと笑って離れる。
流石に覚醒したレイヴンが慌てて口元を押さえてベッドの上で距離をとる。
また可愛い反応しやがって。
だからからかいたくなるんだよなぁ。
「な、何してるんですか! 人が寝てる時に勝手に!」
「いや、何となく?」
「何となくでキスしないで下さいよ! 挨拶代わりに、とか言ったらディートリッヒ様に言いつけてやりますからね!」
「ハァ? 何でアイツが出てくるんだよ……キスの一つや二つで煩いな。それより、コレ。好きなヤツだろ。偶然行列を見つけたんで、可愛い弟子のために買ってきてやったぞ」
ベッドサイドを指差すと、レイヴンも何ですか……と渋々そちらへと顔を向ける。
が、一瞬の間の後。
ラッピングされた可愛らしい箱を見て、こ、これは……と表情を輝かせた。
やたらと食いつきがいいじゃねぇか。
分かりやすく喜んでるな。
「どうして師匠が!? メロウベリーのスイーツを買ってきてるんですか! ……え、ちょっと待ってください。コレ、誰のために買ったって言いました?」
「いや、だから。可愛い、弟子の、ために?」
グイグイと距離縮めてやると、俺を手で押さえて牽制してくるが、目線はスイーツの箱に釘付けだ。
どれだけ甘いものにつられてんだよ……普通に笑っちまう。
「……お見舞いに買ってきてくれたんですか? いや、何でもいいです。師匠の気が変わる前に頂きますので、紅茶淹れてきます。師匠は……珈琲でいいですか? お酒はこの部屋にないので」
「まぁ何でもいいけどよ」
ベッドから下りて素早く準備に向かうレイヴンを見送り、俺も適当にソファへ移動し腰掛けた。
俺はレイヴンの自室の前までやって来ると扉に手をかざす。
この部屋には俺が結界を施してあるが、かけた主が解除するのは簡単だ。
ついでに鍵も外す。
鍵を使用すればこの位は外せちまうからな。
レイヴンもああだこうだ言うが、俺は勝手に出入りするから最近は驚きもしねぇ。
「レイちゃーん? ……お、寝てるのか」
土産のスイーツをサイドテーブルへと置き、ベッドで寝息を立てているレイヴンの側へと腰掛ける。
相変わらず無防備だよなぁ。
こうして眠っていると中性的な顔立ちのせいか庇護欲がかき立てられるんだよな。
ついでに構いたくなっちまう。
「良く寝てんなぁ。おい、レイちゃん? イイもん買ってきたぞー」
サラサラした髪を梳いていると、んー……と声が漏れる。
「ほらほら、俺が全部食っちまうぞ? まぁ……俺は別にこっちのデザートでもいいか」
面白がって、額や頬にキスの雨を降らせていく。
眠っていたレイヴンも擽ったいのか、もぞもぞと動き始める。
「んんー……もう、何……?」
「寝ぼけてんなぁ? いつもそれくらい大人しいレイちゃんならいいのになァ?」
「その声、は……ししょ……んむぅ!?」
最後に唇に吸い付いてから、ニィと笑って離れる。
流石に覚醒したレイヴンが慌てて口元を押さえてベッドの上で距離をとる。
また可愛い反応しやがって。
だからからかいたくなるんだよなぁ。
「な、何してるんですか! 人が寝てる時に勝手に!」
「いや、何となく?」
「何となくでキスしないで下さいよ! 挨拶代わりに、とか言ったらディートリッヒ様に言いつけてやりますからね!」
「ハァ? 何でアイツが出てくるんだよ……キスの一つや二つで煩いな。それより、コレ。好きなヤツだろ。偶然行列を見つけたんで、可愛い弟子のために買ってきてやったぞ」
ベッドサイドを指差すと、レイヴンも何ですか……と渋々そちらへと顔を向ける。
が、一瞬の間の後。
ラッピングされた可愛らしい箱を見て、こ、これは……と表情を輝かせた。
やたらと食いつきがいいじゃねぇか。
分かりやすく喜んでるな。
「どうして師匠が!? メロウベリーのスイーツを買ってきてるんですか! ……え、ちょっと待ってください。コレ、誰のために買ったって言いました?」
「いや、だから。可愛い、弟子の、ために?」
グイグイと距離縮めてやると、俺を手で押さえて牽制してくるが、目線はスイーツの箱に釘付けだ。
どれだけ甘いものにつられてんだよ……普通に笑っちまう。
「……お見舞いに買ってきてくれたんですか? いや、何でもいいです。師匠の気が変わる前に頂きますので、紅茶淹れてきます。師匠は……珈琲でいいですか? お酒はこの部屋にないので」
「まぁ何でもいいけどよ」
ベッドから下りて素早く準備に向かうレイヴンを見送り、俺も適当にソファへ移動し腰掛けた。
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