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第一章 積極的な魔塔主と翻弄される弟子
26.悩む弟子※<レイヴン視点>
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俺は師匠の執務室から退室して、ふらふらと階段を登る。自室に戻り部屋に残っていた材料で簡単な食事作り夕食を済ませた。
何だか妙に疲れてしまったのでさっさと風呂に入って休むことにする。
この国は生活水準も他国に比べて高く、シャワーも完備されているところが多くある。町民だと少々難しくはあるが、大衆浴場もあるので風呂にもそこまで困らない。
俺はシャワーを浴びることが好きだし、この国に来て良かったと思う点の一つでもある。
「……最近の師匠、おかしくないか? 何かやたらとベタベタ触ってくるし。今までもちょっかいはかけてきてたけど……スキンシップ、なのか?」
シャワーで髪を流しながら、気付くと自分の唇に手が触れていた。
今日も何度も口付けされて、飴まで食べさせられて。
まだ……口の中が甘い気がする。
「跡付けるなって言ったのに、跡付けるし。何だよ、マーキングって」
首筋にも手を触れる。
撫でると熱を持っているような気がして、ギュッと目を瞑り吐息を逃す。
師匠に触られるのは前から良くあったけど、ヨウアルの前で関係を見せつけるような真似をするし、まるで、自分のモノだと見せつけているみたいだった。
自分は、弟子であって。
別に特別な存在という訳でもないはずなのに。
唯一の弟子という意味では特別なのかもしれないけど、あくまでそれだけの関係なはずで。
恋焦がれるとか、そういう関係では、決してない、はずだ。
「……師匠……」
シャワーの水音が響く中で自分の唇を撫でながら。
気付くと下半身に手が伸びていた。
「……んっ…俺、何して……ぁっ…」
指先を軽く喰み、声が漏れないようにするが、自身を触る手が一向に止まらない。
壁にもたれ掛かり、何度も、何度も、擦りあげていく。
シャワーの音に紛れて、クチュクチュと粘着質な音が混ざり、流れていく。
目を瞑っているのに、浮かぶのは師匠の憎たらしい顔ばかりで。
本当に、嫌になる。
「んぁっ……っふ…も、全部…あの人の、せいで……っ…あぁぁっ!!」
ビクっと身体を震わせて達すると、ハァハァと肩を揺らして呼吸を整える。
嫌な感触だけ残る手を目を開けてぼんやりと眺めながら、今日一番の盛大な溜息が出てしまう。
「あぁ~~~……もう、何やってんだよ……最悪」
しゃがみ込み暫く考え込んでから、ノロノロと立ち上がり。慌てて身綺麗にして、のぼせる前に風呂から上がる。
身体を冷まそうと、ガウンだけ羽織りテラスへと続く窓を開ける。
魔塔は魔塔主の自室が最上階、補佐官の自室は一つ下の階で、二人の部屋だけテラスがある。そんなに広いテラスじゃないけど、緊急時には二人が親密に連絡が取れるようにと、お互いの顔が確認できる位置にテラスが設置されている。
「……涼しい」
先程の痴態を忘れてしまおうと、夜風に当たって身体の火照りを冷ます。何げなく見上げると上の階で煙を燻らす人影が見えた。
……師匠、煙草吸ってるし! 今は一番会いたくないんだけど!
見なかったことにして顔を逸らそうとした瞬間に目が合った。
……物凄い良い笑顔。ああいう時の師匠は面倒臭いのに……。
何だか妙に疲れてしまったのでさっさと風呂に入って休むことにする。
この国は生活水準も他国に比べて高く、シャワーも完備されているところが多くある。町民だと少々難しくはあるが、大衆浴場もあるので風呂にもそこまで困らない。
俺はシャワーを浴びることが好きだし、この国に来て良かったと思う点の一つでもある。
「……最近の師匠、おかしくないか? 何かやたらとベタベタ触ってくるし。今までもちょっかいはかけてきてたけど……スキンシップ、なのか?」
シャワーで髪を流しながら、気付くと自分の唇に手が触れていた。
今日も何度も口付けされて、飴まで食べさせられて。
まだ……口の中が甘い気がする。
「跡付けるなって言ったのに、跡付けるし。何だよ、マーキングって」
首筋にも手を触れる。
撫でると熱を持っているような気がして、ギュッと目を瞑り吐息を逃す。
師匠に触られるのは前から良くあったけど、ヨウアルの前で関係を見せつけるような真似をするし、まるで、自分のモノだと見せつけているみたいだった。
自分は、弟子であって。
別に特別な存在という訳でもないはずなのに。
唯一の弟子という意味では特別なのかもしれないけど、あくまでそれだけの関係なはずで。
恋焦がれるとか、そういう関係では、決してない、はずだ。
「……師匠……」
シャワーの水音が響く中で自分の唇を撫でながら。
気付くと下半身に手が伸びていた。
「……んっ…俺、何して……ぁっ…」
指先を軽く喰み、声が漏れないようにするが、自身を触る手が一向に止まらない。
壁にもたれ掛かり、何度も、何度も、擦りあげていく。
シャワーの音に紛れて、クチュクチュと粘着質な音が混ざり、流れていく。
目を瞑っているのに、浮かぶのは師匠の憎たらしい顔ばかりで。
本当に、嫌になる。
「んぁっ……っふ…も、全部…あの人の、せいで……っ…あぁぁっ!!」
ビクっと身体を震わせて達すると、ハァハァと肩を揺らして呼吸を整える。
嫌な感触だけ残る手を目を開けてぼんやりと眺めながら、今日一番の盛大な溜息が出てしまう。
「あぁ~~~……もう、何やってんだよ……最悪」
しゃがみ込み暫く考え込んでから、ノロノロと立ち上がり。慌てて身綺麗にして、のぼせる前に風呂から上がる。
身体を冷まそうと、ガウンだけ羽織りテラスへと続く窓を開ける。
魔塔は魔塔主の自室が最上階、補佐官の自室は一つ下の階で、二人の部屋だけテラスがある。そんなに広いテラスじゃないけど、緊急時には二人が親密に連絡が取れるようにと、お互いの顔が確認できる位置にテラスが設置されている。
「……涼しい」
先程の痴態を忘れてしまおうと、夜風に当たって身体の火照りを冷ます。何げなく見上げると上の階で煙を燻らす人影が見えた。
……師匠、煙草吸ってるし! 今は一番会いたくないんだけど!
見なかったことにして顔を逸らそうとした瞬間に目が合った。
……物凄い良い笑顔。ああいう時の師匠は面倒臭いのに……。
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