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第一章 積極的な魔塔主と翻弄される弟子
22.旨い酒と料理の後は
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ただ、今の陛下とは腐れ縁っつーか恩義もなくはねぇ。
一緒に国を作り変えた時に、陛下が治めている間は俺も魔塔主でいるという盟約を結んじまったから、自分の都合でどうこうできない問題があるんだよな。
その代わり、俺も自分勝手に動いても陛下は何も言って来ねぇな。
言えないだけなのかもしれねぇがそれはそれで好都合だから利用させてもらってる。
「ま、いざとなったらアタシたちも協力してやるよ。みんな、あんたたちには感謝してるんだ。今、酒が飲みかわせるのは、お国の為に戦ってくれてるアンタたちのおかげだよ」
「女将ィー。やっぱアンタはイイ女だよなァ。愛してるぜ?」
「一言余計なんだよ! 全く、この男は。ほら、できたよ! さっさと食っちまいな!」
ホカホカのミートローフを口に突っ込まれる。
あっちぃが、相変わらず料理も旨い。
これだから女将の店は最高なんだよなぁ。
料理と酒で面倒臭ぇことも忘れられるしな。
+++
腹も膨れたところで女将の店に分かれを告げて、可愛い弟子の待つ魔塔に帰還する。
執務室に入ると、用事を済ませたレイヴンが俺の帰りを待ち構えていた。
「お帰りなさい、師匠。何だか機嫌が良さそうですけど、何か良いことでもあったんですか?」
「おう、今日も女将は美人だったな。それに魔石も上々だったし言うことなしだな」
「ハリシャさんに迷惑をかけてないでしょうね? まぁ、いくら師匠でも、昼間から暴れたりはしないですよね、さすがに」
「お前は俺をなんだと思ってんだよ。昼飯食って喋ってきただけだ。そうだ、街のヤツらみんなお前のことばっかり言ってたっけな。どんだけ好かれてんだよ」
「え? そうなんですか? いや、確かに親切にしてもらってはいますけど。師匠がひどすぎるから、俺の方が良く見えるんじゃないんですか?」
「あのな、お前、もうちょい自己評価を上げてイイんじゃね? 人心をつかむってのも処世術の1つだろうが」
「それは、きちんと振る舞ってはいるつもりですけど。街の人はみんな良い人たちばかりですからね。師匠と違って。……っと、それより報告があるんだった」
相変わらず真面目なヤツ。
机の前で立って待ってたのか? じゃあ座らせてやらねぇとな?
俺は椅子にドカリと座って、指先でチョイチョイとレイヴンを呼びつける。
レイヴンは首を捻るが、素直に俺の側に寄ってくる。
俺はその手を引っ張って、膝の上にちょんと乗せた。
一緒に国を作り変えた時に、陛下が治めている間は俺も魔塔主でいるという盟約を結んじまったから、自分の都合でどうこうできない問題があるんだよな。
その代わり、俺も自分勝手に動いても陛下は何も言って来ねぇな。
言えないだけなのかもしれねぇがそれはそれで好都合だから利用させてもらってる。
「ま、いざとなったらアタシたちも協力してやるよ。みんな、あんたたちには感謝してるんだ。今、酒が飲みかわせるのは、お国の為に戦ってくれてるアンタたちのおかげだよ」
「女将ィー。やっぱアンタはイイ女だよなァ。愛してるぜ?」
「一言余計なんだよ! 全く、この男は。ほら、できたよ! さっさと食っちまいな!」
ホカホカのミートローフを口に突っ込まれる。
あっちぃが、相変わらず料理も旨い。
これだから女将の店は最高なんだよなぁ。
料理と酒で面倒臭ぇことも忘れられるしな。
+++
腹も膨れたところで女将の店に分かれを告げて、可愛い弟子の待つ魔塔に帰還する。
執務室に入ると、用事を済ませたレイヴンが俺の帰りを待ち構えていた。
「お帰りなさい、師匠。何だか機嫌が良さそうですけど、何か良いことでもあったんですか?」
「おう、今日も女将は美人だったな。それに魔石も上々だったし言うことなしだな」
「ハリシャさんに迷惑をかけてないでしょうね? まぁ、いくら師匠でも、昼間から暴れたりはしないですよね、さすがに」
「お前は俺をなんだと思ってんだよ。昼飯食って喋ってきただけだ。そうだ、街のヤツらみんなお前のことばっかり言ってたっけな。どんだけ好かれてんだよ」
「え? そうなんですか? いや、確かに親切にしてもらってはいますけど。師匠がひどすぎるから、俺の方が良く見えるんじゃないんですか?」
「あのな、お前、もうちょい自己評価を上げてイイんじゃね? 人心をつかむってのも処世術の1つだろうが」
「それは、きちんと振る舞ってはいるつもりですけど。街の人はみんな良い人たちばかりですからね。師匠と違って。……っと、それより報告があるんだった」
相変わらず真面目なヤツ。
机の前で立って待ってたのか? じゃあ座らせてやらねぇとな?
俺は椅子にドカリと座って、指先でチョイチョイとレイヴンを呼びつける。
レイヴンは首を捻るが、素直に俺の側に寄ってくる。
俺はその手を引っ張って、膝の上にちょんと乗せた。
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