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第一章 積極的な魔塔主と翻弄される弟子
13.明け方に
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もぞもぞと動く気配がする。
まだ眠気が勝っているし面倒臭ぇからそのまま動かないでいると、どうやら目を覚ましたらしいレイヴンが居心地悪そうにしているのが分かった。
「……諦めてオッケーしちゃったけど、あそこまでガチでするとは思わなかった。途中からウロ覚えだけど、とりあえず……死にそう……色んな意味で……」
レイヴンは拘束から抜け出そうとして、無駄な抵抗を続けている。
全く……大人しくしてればいいのによ。
俺は逆に更に強く抱き込む。
背中越しでも困った顔が見える気がして、自然と口元が緩む。
「ちょっ…そうじゃなくて、放してほし……」
「っせぇなぁ…まだねみぃんだよ。子猫は子猫らしく、抱かれとけ」
「…誰が子猫ですか。今、何時だろ……うぅ…なんかベタベタするし、お腹空いたし…」
「お前ホント普段は色気ゼロだわ。ヤッた後、気を失ってたからまだ朝じゃねぇよ」
「嘘付き。明け方くらいでしょう? あぁ……この後どうしよう。服、グシャグシャだし。片付けるのどうせ俺だし疲れて魔法使う気にならないし、でも洗濯も面倒だし……」
「ぁー。今日休みなんだろ? ならいいじゃねぇか。もう少し寝てからで。煩いヤツだな」
「師匠は良くても俺は良くな……んっ」
煩いレイヴンの口を閉じてしまおうとレイヴンの身体を自分の方へと向けさせて、すぐさま頬を両手で挟んで無理矢理に口付ける。
抵抗してくるが、昨日の余韻もあって力が入らねぇのか舌で突いてやるとクッタリとして大人しくなる。
「……おっまえ、キスに弱すぎ。まぁ、気持ちいいけどよ? にしても弱すぎ」
「……っるさい。師匠とキスすると、煙草の味がするから、嫌なのに……」
「嫌なのに?」
俺が同じことを繰り返すと、ムッとした表情を隠すこともなく向けてくる。
そういうところが変に子どもじみてるんだよな。
「……そういうところが嫌いなんです。俺は恋人でも何でもないんですから、放っておいてください。師匠なら師匠らしく、毅然とした態度でいてくださいよ」
「恋人じゃねぇけど、レイちゃんのことは可愛がってるじゃねぇか。俺の腕の中でニャアニャア言ってるし? まぁ、もう既成事実作っちまったから何でもアリだろ」
「誰がにゃんこだよ……俺じゃなくたって、抱きたくなったら誰でも抱くでしょうに。そうやって騙された人が何人いるのか……って。はぁっ? 何でもって?」
わざわざ何でも発言に噛みついてくるレイヴンにおかしくなって額を突く。
不満げな表情をやっぱり隠そうともしない。
ホント、お子さまだな。他のヤツの前では真面目ぶってるのによ。
まだ眠気が勝っているし面倒臭ぇからそのまま動かないでいると、どうやら目を覚ましたらしいレイヴンが居心地悪そうにしているのが分かった。
「……諦めてオッケーしちゃったけど、あそこまでガチでするとは思わなかった。途中からウロ覚えだけど、とりあえず……死にそう……色んな意味で……」
レイヴンは拘束から抜け出そうとして、無駄な抵抗を続けている。
全く……大人しくしてればいいのによ。
俺は逆に更に強く抱き込む。
背中越しでも困った顔が見える気がして、自然と口元が緩む。
「ちょっ…そうじゃなくて、放してほし……」
「っせぇなぁ…まだねみぃんだよ。子猫は子猫らしく、抱かれとけ」
「…誰が子猫ですか。今、何時だろ……うぅ…なんかベタベタするし、お腹空いたし…」
「お前ホント普段は色気ゼロだわ。ヤッた後、気を失ってたからまだ朝じゃねぇよ」
「嘘付き。明け方くらいでしょう? あぁ……この後どうしよう。服、グシャグシャだし。片付けるのどうせ俺だし疲れて魔法使う気にならないし、でも洗濯も面倒だし……」
「ぁー。今日休みなんだろ? ならいいじゃねぇか。もう少し寝てからで。煩いヤツだな」
「師匠は良くても俺は良くな……んっ」
煩いレイヴンの口を閉じてしまおうとレイヴンの身体を自分の方へと向けさせて、すぐさま頬を両手で挟んで無理矢理に口付ける。
抵抗してくるが、昨日の余韻もあって力が入らねぇのか舌で突いてやるとクッタリとして大人しくなる。
「……おっまえ、キスに弱すぎ。まぁ、気持ちいいけどよ? にしても弱すぎ」
「……っるさい。師匠とキスすると、煙草の味がするから、嫌なのに……」
「嫌なのに?」
俺が同じことを繰り返すと、ムッとした表情を隠すこともなく向けてくる。
そういうところが変に子どもじみてるんだよな。
「……そういうところが嫌いなんです。俺は恋人でも何でもないんですから、放っておいてください。師匠なら師匠らしく、毅然とした態度でいてくださいよ」
「恋人じゃねぇけど、レイちゃんのことは可愛がってるじゃねぇか。俺の腕の中でニャアニャア言ってるし? まぁ、もう既成事実作っちまったから何でもアリだろ」
「誰がにゃんこだよ……俺じゃなくたって、抱きたくなったら誰でも抱くでしょうに。そうやって騙された人が何人いるのか……って。はぁっ? 何でもって?」
わざわざ何でも発言に噛みついてくるレイヴンにおかしくなって額を突く。
不満げな表情をやっぱり隠そうともしない。
ホント、お子さまだな。他のヤツの前では真面目ぶってるのによ。
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