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第一章 積極的な魔塔主と翻弄される弟子
2.流れで
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「ちょっと! いきなり触らないでくださいよ!」
「濡れてるか確かめてやってんだろー? ……ってか、相変わらず筋肉ねぇな」
容赦なく手を伸ばし、薄い白のシャツの下から手を潜り込ませる。
手のひらを当ててレイヴンの腹を触ると、レイヴンはコップを気にして遠ざけてから、俺の手を乱暴に振り払った。
「もう、大人しくしていて下さいよ! ローブ乾かしたら帰りますから」
「つれねぇなぁ。最近仕事が忙しくて、引っ掛ける暇もねぇし。抜いてねぇからご無沙汰なんだよなァ? レイちゃん、身体貸してくんねぇ?」
「はぁ? 何だよ身体って……俺で性欲処理しようとしないでくださいよ! 寝ぼけてんのも大概にしろっての」
「一人ですんのも飽きたんだって。別に減るもんじゃねぇし、たまにはいいだろ」
「頭まで酔ってんのかこのおっさんは……殴ってやろうか……」
俺のことを睨んでくるのが可愛くてついにやけちまった。
そんな顔しなくてもいいのによ。
「普段よりは飲んでるけどよー? お前一人くらいは、どうこう出来るくらいの余力はあるぜ?」
本当はもう少し経ってからモノにしようと思ってたが……まぁ、いいか。
酒も飲んで気分もいいし、俺は笑いながら姿勢を正してレイヴンへと寄る。
面食らった隙にレイヴンの腕を一括りにして、無理矢理床へと押し倒す。
更に起き上がれないように、足と身体の間の関節部に膝を入れて体重で押さえつけた。
「……ったぁ! ちょっと! いくら師匠でも、これ以上するなら大声だしますけど?」
「おーおー。可愛いねぇー。ちょっと髪の毛も乱れちゃったりして? 相変わらず隙だらけなんだよなァ。いいか、こうやって伸し掛かられると、主導権握られるから気をつけろよ。油断してると、ヤラれるからな」
「分かったから、いい加減開放してくださいよ! 普通に痛いって……!」
「ま、この部屋の空間閉じたから問題ねぇだろ。誰にも聞こえねぇよ」
「はぁっ? 魔法の無駄遣いしないでください……っく、ホントに動けないし……」
「押さえつけてんのは俺の自重だけだけどなァ? それにこの空間内で魔法使えねぇし」
レイヴンの力なんて、あってないようなもんだ。
俺に勝てるわけはないんだが、両足をバタつかせて逃げようとする。
最初はからかってやるつもりだけだったんだが……何か、ちょっとノッてきちまったな。
大人に襲いかかられたらどうするか? っていう見本を見せてやるのも一興か。
嫌がる美男子を食べるってのも、興奮するしな。
美味しくいただいてやろうと考えてると、やたらと舌舐めずりしちまう。
「どうすっかなー? でも、何かヤル気出たし。ちょっと食わせろ」
「な、なんでそうなる……むぐぅっ!?」
まずは軽く口を塞いでやる。
息ができないようにピッタリと塞いだあと、レイヴンが口を開きかけたところに追撃で舌を差し込み、口を押し開く。
嫌そうに眉を寄せてるのは、さっきまで吸ってた煙草の味でもしたか?
逃げようとする身体をさらに押さえつけて、顔も動かせないようにする。
軽く何度も同じことを繰り返してやると、唇がしっとりと濡れてくる。
どうなったかと顔を覗き込むと色味がさして、感じてきている手応えがあった。
まだ、抵抗は続けているみたいだがそれも時間の問題だろうな。
「……少しはその気になったみてぇだな?」
「……っはぁ。誰、が……」
言葉と表情が裏腹なんだよなぁ? 俺が囁いただけでビクビクしてるじゃねぇか。
それでも唇に噛みついてくるんだから大したもんだし、俺を睨む目は猫みてぇだ。
必死に威嚇してるがレイヴンの呼吸は荒い。
俺は血の滲んだ唇を舐めて、分からせるようにもう一度口付ける。
――無理矢理口を開かせて、舌で捕えて、掻き回す。その繰り返しだ。
暫く続けると、レイヴンの抵抗が弱まってきた。
唇を開放してやると、浅い呼吸をしながらぼんやりしているレイヴンが瞳に映る。
トロンとした顔しやがって。
こりゃあ感じてるな。
「濡れてるか確かめてやってんだろー? ……ってか、相変わらず筋肉ねぇな」
容赦なく手を伸ばし、薄い白のシャツの下から手を潜り込ませる。
手のひらを当ててレイヴンの腹を触ると、レイヴンはコップを気にして遠ざけてから、俺の手を乱暴に振り払った。
「もう、大人しくしていて下さいよ! ローブ乾かしたら帰りますから」
「つれねぇなぁ。最近仕事が忙しくて、引っ掛ける暇もねぇし。抜いてねぇからご無沙汰なんだよなァ? レイちゃん、身体貸してくんねぇ?」
「はぁ? 何だよ身体って……俺で性欲処理しようとしないでくださいよ! 寝ぼけてんのも大概にしろっての」
「一人ですんのも飽きたんだって。別に減るもんじゃねぇし、たまにはいいだろ」
「頭まで酔ってんのかこのおっさんは……殴ってやろうか……」
俺のことを睨んでくるのが可愛くてついにやけちまった。
そんな顔しなくてもいいのによ。
「普段よりは飲んでるけどよー? お前一人くらいは、どうこう出来るくらいの余力はあるぜ?」
本当はもう少し経ってからモノにしようと思ってたが……まぁ、いいか。
酒も飲んで気分もいいし、俺は笑いながら姿勢を正してレイヴンへと寄る。
面食らった隙にレイヴンの腕を一括りにして、無理矢理床へと押し倒す。
更に起き上がれないように、足と身体の間の関節部に膝を入れて体重で押さえつけた。
「……ったぁ! ちょっと! いくら師匠でも、これ以上するなら大声だしますけど?」
「おーおー。可愛いねぇー。ちょっと髪の毛も乱れちゃったりして? 相変わらず隙だらけなんだよなァ。いいか、こうやって伸し掛かられると、主導権握られるから気をつけろよ。油断してると、ヤラれるからな」
「分かったから、いい加減開放してくださいよ! 普通に痛いって……!」
「ま、この部屋の空間閉じたから問題ねぇだろ。誰にも聞こえねぇよ」
「はぁっ? 魔法の無駄遣いしないでください……っく、ホントに動けないし……」
「押さえつけてんのは俺の自重だけだけどなァ? それにこの空間内で魔法使えねぇし」
レイヴンの力なんて、あってないようなもんだ。
俺に勝てるわけはないんだが、両足をバタつかせて逃げようとする。
最初はからかってやるつもりだけだったんだが……何か、ちょっとノッてきちまったな。
大人に襲いかかられたらどうするか? っていう見本を見せてやるのも一興か。
嫌がる美男子を食べるってのも、興奮するしな。
美味しくいただいてやろうと考えてると、やたらと舌舐めずりしちまう。
「どうすっかなー? でも、何かヤル気出たし。ちょっと食わせろ」
「な、なんでそうなる……むぐぅっ!?」
まずは軽く口を塞いでやる。
息ができないようにピッタリと塞いだあと、レイヴンが口を開きかけたところに追撃で舌を差し込み、口を押し開く。
嫌そうに眉を寄せてるのは、さっきまで吸ってた煙草の味でもしたか?
逃げようとする身体をさらに押さえつけて、顔も動かせないようにする。
軽く何度も同じことを繰り返してやると、唇がしっとりと濡れてくる。
どうなったかと顔を覗き込むと色味がさして、感じてきている手応えがあった。
まだ、抵抗は続けているみたいだがそれも時間の問題だろうな。
「……少しはその気になったみてぇだな?」
「……っはぁ。誰、が……」
言葉と表情が裏腹なんだよなぁ? 俺が囁いただけでビクビクしてるじゃねぇか。
それでも唇に噛みついてくるんだから大したもんだし、俺を睨む目は猫みてぇだ。
必死に威嚇してるがレイヴンの呼吸は荒い。
俺は血の滲んだ唇を舐めて、分からせるようにもう一度口付ける。
――無理矢理口を開かせて、舌で捕えて、掻き回す。その繰り返しだ。
暫く続けると、レイヴンの抵抗が弱まってきた。
唇を開放してやると、浅い呼吸をしながらぼんやりしているレイヴンが瞳に映る。
トロンとした顔しやがって。
こりゃあ感じてるな。
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