上 下
104 / 110
第九章 真ハピエン後の追加エピソード

101.一緒になりたい※

しおりを挟む
 さすがにソッチは未経験だから、不安すぎて緊張してきた。
 俺がぎゅっと目を瞑っていると、ラウディが一度身体を起こして口づけてきた。

「……っふ」
「ん……大丈夫、力を抜いて?」
「んなこと、言われても……っ」

 往生際が悪いのは分かってるけど、怖いものは怖い。
 でも、何度もキスを繰り返されるうちにまた身体の力が抜けてきた。
 ラウディは俺の様子を見て安心したのか、ちゅっと優しく口づけてからもう一度俺の秘所をやんわりと指先でなぞり始めた。

「うぅ……」
「少しずつ、解していくから……」

 ラウディは手を伸ばすと、サイドテーブルに置いてあった何かのビンの蓋を器用に口で開ける。
 蓋を咥えたまま、俺の尻へ液体を垂らしてきた。

「ひっ! な、なに……?」
「ん……花で作った潤滑油。いい香りがするし、安心安全」

 ラウディはいつの間にか瓶の蓋まで戻して、使用済みのビンをテーブルへ戻す。
 妙に器用で手馴れているのは仕様なのか?
 乙女の妄想が詰まったゲームだからとか……?

 余計なことを考えさせないと言わんばかりに、ラウディの指が俺の秘所をくすぐって少しずつ指を侵入させてくる。
 異物感になれないけど、その間も様々な場所へキスしつづけられた。

「ぁう……んっ……」
「ん……少しずつ、解けてきた」
「はずかしぬぅぅ……」

 情けない顔をしているのは分かっているけど、自分でも触ったこともないところを解されているなんてどういう状況なんだか。
 しつこく触られているうちに、呼吸が苦しくなってくることに気付く。
 気付いた時には指の本数が増えていた。

「ひぁっ!」
「ここがいいの? いいよ、優しく触ってあげる」

 ラウディは楽しそうな声色で、俺が反応した部分を中心に押し上げてくる。
 触れられるたびに、自然と身体がビクビクとしてしまう。
 違和感しかなかったはずなのに、気づくとまた反応し始めた己自身に触れようとしていた。

「コッチも寂しいの? 一緒に触ってあげる」
「ふぇ? い、いいって……ぅあっ」

 自分の手と一緒にラウディに手を握り込まれてしまった。
 俺が感じているらしい部分と、とろりと蜜が溢れ出した己自身に同時に与えられる刺激に頭の奥がチカチカしてきた。

「も、はなしてぇ……っ」
「ここでやめると、ハルが辛くなるよ? 怖くないから、感じて?」

 ラウディの声まで甘く聞こえる。自分の身体が変えられていく不安と、これから与えられる刺激への興味で感情の交じり合いはピークへ達してきた。
 俺のナカのいい部分と俺の外のいい部分を同時に責められて、俺の感情は一気に噴き出した。

「も、むりぃ……っ!」

 ドクンと心臓の音が聞こえたような気がしたのと同時に、俺自身は果ててしまい俺のナカもきゅうっと力が入ってしまう。
 ラウディは指が汚れても気にせずに、また白濁をペロリと舐めながら満足気に微笑んだ。
 ぼーっとしている意識の中で、ラウディの瞳だけが深い色で輝いている気がする。

「ハル、ごめん。俺もハルと一緒になりたい」
「ラウディと……?」
「そう。なるべくゆっくりするから……」

 俺に話しかけながら、ラウディが自分の服を寛げたのが視界の端で見えた。
 ラウディ自身も、しっかりと存在を主張している。
 顔に似合わずなんて言ったら失礼だけど、立派なモノを……って。
 それが俺のナカにってこと?

「そ、それを……?」
「ハルのナカに、挿れる」

 ラウディははっきりと宣言すると、ばさりと自分の服を脱ぎ捨てた。
 そんなに筋肉はなさそうだけど、しなやかな身体は白くて薄明りの下でもキレイに見える。
 ラウディは改めて俺をベッドへ寝かせると、両腕で俺の身体を支えながらたかぶりを俺のナカへゆっくりと沈めてきた。

「うぅっ……」
「ゆっくり息を吐いて」
「……ふ、うぅぅ……」
「イイコ。あと、半分……」

 尻の辺りが焼けつくような感覚で、酷く苦しい。
 必死にラウディの言葉通りにしようとするけど、恐怖が勝って腰が逃げそうになってしまう。

「お願い、逃げないで……」
「そんな……こと、言われても……っ」

 はあはあと息を吐き出しながら、必死にラウディを見上げた。
 ラウディは困ったように微笑みながら、俺の頬を優しく撫でる。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!

冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。 「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」 前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて…… 演技チャラ男攻め×美人人間不信受け ※最終的にはハッピーエンドです ※何かしら地雷のある方にはお勧めしません ※ムーンライトノベルズにも投稿しています

僕はただの妖精だから執着しないで

ふわりんしず。
BL
BLゲームの世界に迷い込んだ桜 役割は…ストーリーにもあまり出てこないただの妖精。主人公、攻略対象者の恋をこっそり応援するはずが…気付いたら皆に執着されてました。 お願いそっとしてて下さい。 ♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎ 多分短編予定

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!

灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」 そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。 リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。 だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く。が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。 みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。 追いかけてくるまで説明ハイリマァス ※完結致しました!お読みいただきありがとうございました! ※11/20 短編(いちまんじ)新しく書きました! 時間有る時にでも読んでください

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)

黒崎由希
BL
   目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。  しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ? ✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻  …ええっと…  もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m .

囚われ王子の幸福な再婚

高菜あやめ
BL
【理知的美形宰相x不遇な異能持ち王子】ヒースダイン国の王子カシュアは、触れた人の痛みを感じられるが、自分の痛みは感じられない不思議な体質のせいで、幼いころから周囲に忌み嫌われてきた。それは側室として嫁いだウェストリン国でも変わらず虐げられる日々。しかしある日クーデターが起こり、結婚相手の国王が排除され、新国王の弟殿下・第二王子バージルと再婚すると状況が一変する……不幸な生い立ちの王子が、再婚によって少しずつ己を取り戻し、幸せになる話です

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

処理中です...