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第六章 バグる距離感
54.二度目の中間報告
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カティを適当に相手しながら、着替えの時はさすがに追い出してさっと着替える。
元気で可愛いのが取り柄なのかよく分からないが、本当にこれが妹の萌えなのか?
だとしたら、趣味が悪いとしか言いようがない。
こういうのはなんて言うんだったか……小悪魔系? それとも天然?
「ハル、おそーい! ほら、行こう」
「……」
返事をするのも面倒になってしまった。無言で頷くと、俺が眠いのだと勘違いしてくれたらしくカティは気にせず歩き始めた。
俺たちはまた神殿へ入り、集まっていた精霊たちと一緒に大鏡の前へ立つ。
前と同じように王様が映り、続いて俺たちの樹が画面に映し出された。
大きさは前回と比べても大分大きくなったから、俺らの背丈よりは高くなっていた。
「ほう、今回は二人ともよく育っているようだな。カティの樹はまた珍しい形の葉をした赤みがかった樹か。時折輝きが見える。して、ハルは……ふむ……」
王様の反応はイマイチだけど、カティより一回り大きく育っているはずだ。
ただ、見た目が普通で特徴がないからコメントしづらいんだよな? たぶん。
「前から見てたが、ハルの樹はそこら辺に生えてる樹と変わらないよな。それより、カティの方がカッコイイと思うぜ」
「ありがとう、ルカン! ルカンがいっぱい力を送ってくれたからだよ」
王様が観察してる間も、カティはヴォルカングと楽しそうに喋ってキャッキャしていた。
見かねたアウレリオルが咳払いすると、カティはごめんなさぁーいと言いながら大人しくなる。
王様には精霊の姿と声が見えないからな。カティがやたらとはしゃいでるだけに見えてしまうだろう。
王様は考え込んでから、ふむと呟いてしっかりと俺らの方を見る。
「今回はハルに褒美を与えよう。後で送っておくから受け取るように」
「ありがたく、頂戴します」
「えー、なんでですか王様! ボクの方がカッコイイですよね?」
一度言い渡された結果に、カティが不服そうに異議を申し立てる。
そうだそうだとヴォルカングが後ろからまくしたてると、アウレリオルが冷たい目線でヴォルカングをひと睨みした。
「カティよ。見た目だけではなく育ち方を見て判定した。ハルは見た目は地味かもしれぬが、樹は左右対称でしっかりと枝葉を伸ばしているようだ。それに、一回りハルの方が大きく見える」
「ええー……そうですか。残念」
カティは渋々といった表情で仕方なく結果を受け入れたらしい。
王様も頷いて、今回の中間報告は終了になった。
「以上だ。今回はハルの恵みの樹が良く育っていると判断されたようだが、これからもしっかりと育成に励むように」
「はい」
「はぁい」
アウレリオルは前ほど冷たい言い方をしなかったな。
思っていたより普通だった。前回は散々だったけど、今回は精霊たちの反応も違うみたいだ。
「私はハルの素朴な雰囲気もいいと思いますよ」
「俺様も。見た目だけ強そうでも中身がな」
イアリスとシアンは俺に対して好意的な意見を述べてくれる。
二人とも愛称呼びを許してくれてるから、俺に対しての内部好感度が高いからだろう。
「どっちも、育ててる人っぽい樹だと思う。昼寝するならハルの方」
ウィンはあくまで対等な立場だな。愛称呼びはあくまでイアリスとお揃いがいいってことだからな。
でも、昼寝の分だけ俺がリードしてるってことかな。
「で、ラウディは……って。言うまでもねぇな」
ラウディは……ずっと俺の方しか見ていない気がする。
神殿に来てからずっと見つめられてるのが分かってたから、恥ずかしくてラウディの方を向けなかった。
「ったく、お前らは見る目がないっての。俺っちはカティの樹がカッコイイと思うぜ! やっぱ尖ってるのって最高だよな」
「ルカンは分かってるー! レリオル様もそう思いますよね?」
カティはルカンに飛びつきながら、うるっと目線でアウレリオルに助けを求めている。
アウレリオルは、ため息を吐きながらカティに厳しい目線を向けた。
元気で可愛いのが取り柄なのかよく分からないが、本当にこれが妹の萌えなのか?
だとしたら、趣味が悪いとしか言いようがない。
こういうのはなんて言うんだったか……小悪魔系? それとも天然?
「ハル、おそーい! ほら、行こう」
「……」
返事をするのも面倒になってしまった。無言で頷くと、俺が眠いのだと勘違いしてくれたらしくカティは気にせず歩き始めた。
俺たちはまた神殿へ入り、集まっていた精霊たちと一緒に大鏡の前へ立つ。
前と同じように王様が映り、続いて俺たちの樹が画面に映し出された。
大きさは前回と比べても大分大きくなったから、俺らの背丈よりは高くなっていた。
「ほう、今回は二人ともよく育っているようだな。カティの樹はまた珍しい形の葉をした赤みがかった樹か。時折輝きが見える。して、ハルは……ふむ……」
王様の反応はイマイチだけど、カティより一回り大きく育っているはずだ。
ただ、見た目が普通で特徴がないからコメントしづらいんだよな? たぶん。
「前から見てたが、ハルの樹はそこら辺に生えてる樹と変わらないよな。それより、カティの方がカッコイイと思うぜ」
「ありがとう、ルカン! ルカンがいっぱい力を送ってくれたからだよ」
王様が観察してる間も、カティはヴォルカングと楽しそうに喋ってキャッキャしていた。
見かねたアウレリオルが咳払いすると、カティはごめんなさぁーいと言いながら大人しくなる。
王様には精霊の姿と声が見えないからな。カティがやたらとはしゃいでるだけに見えてしまうだろう。
王様は考え込んでから、ふむと呟いてしっかりと俺らの方を見る。
「今回はハルに褒美を与えよう。後で送っておくから受け取るように」
「ありがたく、頂戴します」
「えー、なんでですか王様! ボクの方がカッコイイですよね?」
一度言い渡された結果に、カティが不服そうに異議を申し立てる。
そうだそうだとヴォルカングが後ろからまくしたてると、アウレリオルが冷たい目線でヴォルカングをひと睨みした。
「カティよ。見た目だけではなく育ち方を見て判定した。ハルは見た目は地味かもしれぬが、樹は左右対称でしっかりと枝葉を伸ばしているようだ。それに、一回りハルの方が大きく見える」
「ええー……そうですか。残念」
カティは渋々といった表情で仕方なく結果を受け入れたらしい。
王様も頷いて、今回の中間報告は終了になった。
「以上だ。今回はハルの恵みの樹が良く育っていると判断されたようだが、これからもしっかりと育成に励むように」
「はい」
「はぁい」
アウレリオルは前ほど冷たい言い方をしなかったな。
思っていたより普通だった。前回は散々だったけど、今回は精霊たちの反応も違うみたいだ。
「私はハルの素朴な雰囲気もいいと思いますよ」
「俺様も。見た目だけ強そうでも中身がな」
イアリスとシアンは俺に対して好意的な意見を述べてくれる。
二人とも愛称呼びを許してくれてるから、俺に対しての内部好感度が高いからだろう。
「どっちも、育ててる人っぽい樹だと思う。昼寝するならハルの方」
ウィンはあくまで対等な立場だな。愛称呼びはあくまでイアリスとお揃いがいいってことだからな。
でも、昼寝の分だけ俺がリードしてるってことかな。
「で、ラウディは……って。言うまでもねぇな」
ラウディは……ずっと俺の方しか見ていない気がする。
神殿に来てからずっと見つめられてるのが分かってたから、恥ずかしくてラウディの方を向けなかった。
「ったく、お前らは見る目がないっての。俺っちはカティの樹がカッコイイと思うぜ! やっぱ尖ってるのって最高だよな」
「ルカンは分かってるー! レリオル様もそう思いますよね?」
カティはルカンに飛びつきながら、うるっと目線でアウレリオルに助けを求めている。
アウレリオルは、ため息を吐きながらカティに厳しい目線を向けた。
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