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75.これからもずっと一緒に

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 次の日、みんなが起きてご飯を済ませてからこの後はどこへ行って何をしようかの話し合いをした。
 僕が海を見てみたいと言ったから、まずは海を目指して旅立つことになった。

「でも、あたしも海は見たことないわ。この辺りにはないってことくらいしか分からないし」
「そうだな。俺も分からない」
「分からないのなら、調べればいいだけだ。皆、海に興味をもったのだろう?」

 ルナちゃんとオルお兄さんも海は分からないみたいだけど、僕が行きたいって言ったから考えてくれてるみたい。

「もし行きたくなかったら無理しないでね」
「そういう訳じゃないわよ。ただどこにあるのか知らないってだけ」
「俺もフィロと一緒ならばどこでも行くつもりだ」

 ルナちゃんとオルお兄さんもいいってことなのかな?
 だったら、一緒に行けたらうれしいな。

「なら、決まりだな。海を目指すとしようか」
「そうね。聞き込みすれば分かるかしら? 行ったことないから楽しみね」
「ああ。誰かしら知っているかもしれない。未知の土地へ行くのは良い経験になるはずだ」

 海へ行くことに決めて、ノイオゾの街から海へ行くにはどこを目指したらいいのか教えてもらうことにする。
 僕とラグお姉さん、ルナちゃんとオルお兄さんのペアで分かれてお話を聞くことになった。

 +++
 
 街の人たちに聞いた話を、オルお兄さんとラグお姉さんがまとめてくれた。
 ノイオゾから南の方角へずっと行けロトニスコっていう港町があるらしい。
 港町には船がいて、頼むとこの国じゃない別の国へ連れて行ってくれるらしい。

「なんだかおもしろそうじゃない。船が見られるだなんて」
「船という名前を聞いたことはあるが、実物は見たことないな」

 オルお兄さんとルナちゃんも、船っていうのを見たことがないみたいだ。
 乗り物なのは間違いなさそうだけど、場所が名前になるのなら有名なのかもしれない。
 
「みんな見たことないのならちょうどいい。次の目的地は港町ロトニスコだ」
「ピィ!」
 
 みんな笑顔でうなずいてくれる。
 ポイも張り切っているみたいだ。
 港町はどんなところなんだろう? すごく楽しみだ。

 僕たちはノイオゾの街を出て、新しい場所へ旅立つ。
 これからも色々なことがあるんだろうけど、みんなと一緒なら大丈夫だ。
 グラム村で友だちができなかった僕も、今は仲間と一緒に旅ができる。
 
 僕はうれしい気持ちを笑顔にして、ゆっくりと歩き出す。
 大人になっても、おじいちゃんになっても。
 ずっとみんなと一緒にいられたらいいな。
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みんなの感想(1件)

麗
2023.08.22

めーぷるさんの作品は、大好き💕後半からのめり込む。ドラ姐さん頑張ってください。

めーぷる
2023.08.22 めーぷる

麗さん、お読みいただきありがとうございます♡
大好き! 凄く嬉しいですーーヾ(*´∀`*)ノ
のめり込んでいただけて、感謝感謝でございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)

ドラ姐さんは、姉御肌を発揮してこれからもフィロとルナを引っ張っていきますよー!
これからも更新頑張りますので、よろしくお願いいたします(*´▽`*)

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