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52.騎士さんってすごいなあ

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 みんなで食べるご飯はやっぱりすごくおいしい。
 僕とルイーツさんとで作ったご飯をほめてもらえたのもうれしかった。

「スープの中のお肉がホロホロ溶けるのは最高よね! 肉の臭みも消えてるしホントおいしい!」
「ルナちゃんもいっぱい食べてね。臭いを消すハーブも取ってきてもらったから、一緒に入れて煮込んだんだ」
「この辺りの森には、意外とハーブも生えてるんですよ」

 ルイーツさんは本当に普段から料理の当番をしているみたい。
 僕にも優しくいろんなことを教えてくれた。
 騎士さんって、戦うだけじゃないんだなあ。

「この姿の時だと野菜だけでも十分においしいが、肉があると元気が出るな」
「俺は肉がないと始まらない」

 ラグお姉さんもお酒を飲みながら食べてるし、オルお兄さんも静かだけど誰よりもたくさん食べてる気がする。
 焼いたお肉もバクバク食べてるし、だから誰よりも大きくって力持ちなのかもしれない。

「今日は一旦休んで、明日に備えましょう。この小屋からはそれほど遠くないので」

 ルイーツさんが言うと、ラグお姉さんもうなずく。
 
「そうか。私もフェニックスと対峙たいじしたことはないから、万全の状態で行くのがいいだろうな」
「ラグの言う通りね。あたしも実際にこの目で見るのは初めてだわ」

 ルナちゃんやラグお姉さんも見たことないフェニックスってどんな生き物なんだろう?
 オルお兄さんも首を振ってたから、見たことないんだろうな。

 +++

 みんなとお話しながらご飯を食べ終えて、片づける。
 寝る前にルイーツさんと一緒に馬へご飯とお水をあげに行く。
 この子たちも大人しくていい子だから、僕たちのご飯が終わるまで待っててくれたみたいだ。
 ルイーツさんのことも馬はちゃんと分かってるし、すごくおりこうさんだ。
 いつもありがとうって言ってるって教えてあげると、ルイーツさんが馬を優しくなで始める。

「馬にも感謝してもらえるとは。こっちこそ文句を言わず付き合ってもらってありがたいって伝えてください」
「大丈夫。騎士さんたちといることはお馬さんにとってもうれしいことなんだって」

 ルイーツさんたち騎士さんと一緒に色々な場所へ行くのは、馬たちの間でもすごいことなんだって。
 確かに毛並みもつやつやだし、足もしっかりしているから村にいる馬よりも強そうに見える。

「さて、ドラグネスさんとオルソさんも準備をしたら寝るそうなのでフィロさんもそろそろ休んでくださいね」
「はい、分かりました。でもルイーツさんはどうするんですか?」
「私は夜の間、小屋の周りの安全を確保するために見張ります。それも仕事ですから」

 もしかして、眠らないで僕たちを守ってくれるってことなのかな?
 心強いけど、ルイーツさんは眠らなくて大丈夫なのか心配だな。
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