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49.小屋に到着!
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ルイーツさんが一番目、僕とラグお姉さんが二番目でオルお兄さんとルナちゃんが三番目の順番に並んで出発する。
朝早くカステロッシのお城を出て、最初は馬を走らせながら明るい道を進む。
しばらく真っすぐ走っていると、大きな森が見えてくる。
森に近づくと、静かに薄暗い森の中へ入っていく。
この森は色々な魔物もいるんだって。
森にいる魔物たちに気づかれないように、森の中の道をお馬さんでゆっくりパカパカ進んでいく。
「馬も悪くはないけど、絶対にラグの背中に乗って飛んだ方が早かったわよね」
「私もこの場にいる全員を乗せて飛ぶのは無理だぞ? ドラゴンの私が空から行ったりしたら、フェニックスに余計に警戒されるに違いない」
ラグお姉さんは、ちょっと不機嫌そうなルナちゃんの顔を見るように少し振り返って話してあげてる。
ルナちゃんも別にいいけどって言っているから、本当に嫌って訳じゃないんだろうけど。
もしかしたら、おしりが痛くなってきちゃったのかな?
僕もちょっと、おしりがむずむずする。
「フィロ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。長い時間お馬さんに乗るのが初めてだから、おしりが……」
ラグお姉さんを見上げて笑うと、ラグお姉さんがなるほどなと言いながら僕の身体を引き寄せてくれた。
ぎゅっとされると安心するから、むずむずもなくなっちゃう気がする。
「もう半日以上馬の上ですからね。もう少し進んだところに我々がいつも使っている小屋がありますので、そこで一旦休みましょう」
ルイーツさんが振り返ったあとに、先を指さして小屋を教えてくれた。
みんなで少し進むと、小屋が見えてくる。
小屋に着くと、ゆっくりと止まってみんな馬の上から順番におりていく。
「ここまで大したものも食べてないし、お腹空いちゃったわ」
「そうだな。干し肉と水だけでは味気ない。小屋についたら獲物でも狩ってくるか」
ルナちゃんはぴょんっと馬から上手に下りてから、ぐぐっと背伸びをしてる。
オルお兄さんは、お馬さんのたずなを木の柱にくくりつけてから周りを見渡して狩りをするつもりみたいだ。
「小屋の中にも非常食はありますが、肉などの保存のきかないものは用意してませんので。お腹いっぱいたべるのならば、狩りをしてもいいかもしれません」
「つまり野菜などはあると思ってよさそうだな。ルイーツは食事の準備を頼む。私とオルで狩りをしてこよう」
「僕は料理のお手伝いをしますね」
ラグお姉さんとオルお兄さんを見送ってからルイーツさんの近くにいくと、ルイーツさんは少しおどろいたみたいだ。
「いいのですか? 休んでいただいて大丈夫ですよ?」
「僕も何かお手伝いがしたいんです。ね、ルナちゃん」
「え? 私まで巻き込まないでよ。もう、仕方ないわね。フィロほどできないけど、ラグやオルに何か言われるのも嫌だし。私も手伝うわ」
僕たちが張り切ると、ルイーツさんも笑ってくれる。
「では、遠慮なく。お手伝いをお願いします。私は水を汲んでから火を起こしてきますので、先に小屋の中へ入っていてください。今、カギをあけますね」
ルイーツさんは笑ってから、小屋の扉のところにぶら下がっているカギをカチャリと開けてくれた。
簡単なカギみたいだけど、無理やり壊そうとすると魔法がかかっていて身体がビリビリしちゃうカギなんだって。
それなら、小屋の中も荒らされたりしないからよかった。
朝早くカステロッシのお城を出て、最初は馬を走らせながら明るい道を進む。
しばらく真っすぐ走っていると、大きな森が見えてくる。
森に近づくと、静かに薄暗い森の中へ入っていく。
この森は色々な魔物もいるんだって。
森にいる魔物たちに気づかれないように、森の中の道をお馬さんでゆっくりパカパカ進んでいく。
「馬も悪くはないけど、絶対にラグの背中に乗って飛んだ方が早かったわよね」
「私もこの場にいる全員を乗せて飛ぶのは無理だぞ? ドラゴンの私が空から行ったりしたら、フェニックスに余計に警戒されるに違いない」
ラグお姉さんは、ちょっと不機嫌そうなルナちゃんの顔を見るように少し振り返って話してあげてる。
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もしかしたら、おしりが痛くなってきちゃったのかな?
僕もちょっと、おしりがむずむずする。
「フィロ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。長い時間お馬さんに乗るのが初めてだから、おしりが……」
ラグお姉さんを見上げて笑うと、ラグお姉さんがなるほどなと言いながら僕の身体を引き寄せてくれた。
ぎゅっとされると安心するから、むずむずもなくなっちゃう気がする。
「もう半日以上馬の上ですからね。もう少し進んだところに我々がいつも使っている小屋がありますので、そこで一旦休みましょう」
ルイーツさんが振り返ったあとに、先を指さして小屋を教えてくれた。
みんなで少し進むと、小屋が見えてくる。
小屋に着くと、ゆっくりと止まってみんな馬の上から順番におりていく。
「ここまで大したものも食べてないし、お腹空いちゃったわ」
「そうだな。干し肉と水だけでは味気ない。小屋についたら獲物でも狩ってくるか」
ルナちゃんはぴょんっと馬から上手に下りてから、ぐぐっと背伸びをしてる。
オルお兄さんは、お馬さんのたずなを木の柱にくくりつけてから周りを見渡して狩りをするつもりみたいだ。
「小屋の中にも非常食はありますが、肉などの保存のきかないものは用意してませんので。お腹いっぱいたべるのならば、狩りをしてもいいかもしれません」
「つまり野菜などはあると思ってよさそうだな。ルイーツは食事の準備を頼む。私とオルで狩りをしてこよう」
「僕は料理のお手伝いをしますね」
ラグお姉さんとオルお兄さんを見送ってからルイーツさんの近くにいくと、ルイーツさんは少しおどろいたみたいだ。
「いいのですか? 休んでいただいて大丈夫ですよ?」
「僕も何かお手伝いがしたいんです。ね、ルナちゃん」
「え? 私まで巻き込まないでよ。もう、仕方ないわね。フィロほどできないけど、ラグやオルに何か言われるのも嫌だし。私も手伝うわ」
僕たちが張り切ると、ルイーツさんも笑ってくれる。
「では、遠慮なく。お手伝いをお願いします。私は水を汲んでから火を起こしてきますので、先に小屋の中へ入っていてください。今、カギをあけますね」
ルイーツさんは笑ってから、小屋の扉のところにぶら下がっているカギをカチャリと開けてくれた。
簡単なカギみたいだけど、無理やり壊そうとすると魔法がかかっていて身体がビリビリしちゃうカギなんだって。
それなら、小屋の中も荒らされたりしないからよかった。
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