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15.依頼を頑張ろう

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 ギルドで登録できたから、僕たちみんな冒険者になれたみたい。
 これで依頼っていうのができるから、お仕事をしてお金をもらえるようになる。
 そうしたら、お泊りしたりご飯食べたりできる。
 僕がグラム村でお手伝いをする代わりに寝るところを貸してもらって、食べものをもらっていたのと似てるんだけど……。

 ラグお姉さんが、今度は好きなものを食べられるし好きなものが買えるようになるから違うんだって言ってた。
 ルナちゃんも好きに生きればいいんだって言ってるし、よく分からないけど二人と一緒に冒険者を続けるために頑張らなくっちゃ!

「はい、登録しました。このカードが冒険者の証明になるので持っていてくださいね」

 三人分同じカードを作ってもらったから、これで僕たちは冒険者になれたみたい。
 
「これでみんな登録できたようだな。ついでに初めてでもできそうな依頼を紹介してもらえたら助かるのだが」
「そうですね……じゃあ、このお使いはどうですか? 必要なものを買いそろえて依頼主の家へ届けるお使いですね。後は……」

 ギルドのお姉さんに簡単な依頼を何個か紹介してもらえたし、僕でも頑張ったらお金がもらえそうで良かった。
 強そうな魔物を倒す依頼もあるみたいだけど、ラグお姉さんがまずは冒険者に慣れるところからだろうって言ってた。
 ラグお姉さんなら強い魔物も倒せちゃうんだろうけど、急ぐことはないんだって。

「稼ぎたいがいきなり強いのを倒してしまったら、目立ってしまうからな。私たちが強いとはいえ目立つのは避けた方がいい」
「そうね。ただでさえラグは目立つし、あたしの可愛さも目立ちすぎちゃうもの」
「そうだね、二人はキレイで可愛いし、きっと二人とも強いから目立っちゃうもんね」

 僕たちは笑いながら頷き合って、依頼を頑張るためにギルドの建物から出る。
 依頼の紙を見ながら、お買い物するために街の中でお店を探すことになった。

 +++

 依頼のお買い物をしてお届けすると、お家の人は凄く喜んでくれた。
 お買い物をしたくても病気のおばあさんの側から長い時間離れられなくて、お薬とお料理用の材料を探しに行けなかったみたい。

 おばあさんは僕たちを見るととても喜んでくれて、おばあさんのために買ってきた果物を僕たちに分けてくれた。
 冒険者って言われてる人たちは、やっぱりいっぱいお金がもらえる魔物を倒す依頼をする人が多いんだって。
 だからお使いをしてくれる人はいないのが普通で、僕たちが引き受けたことでとっても喜んでもらえた。

「頼れる人もいないから、ギルドに頼むしかなくて。本当に助かりました」
「ギルドとはなんでも依頼を出せるところなのだな。役に立ったのなら良かった」
「母はいつ発作を起こすか分からないので側にいたくて。ギルドへ家から依頼する方法があるので依頼は出せたのですけど……」
「引き受ける冒険者の人がいなかったんですね。僕たちも初めてだったから良かったです」
 
 おばあさんの側にいてあげるのが、一番おばあさんも嬉しいんだろうな。
 今までは近所の人が助けてくれたりしてたけど、近所の人もいなくなっちゃったから頼ることができなくなっちゃったんだって。
 だから、僕たちがお手伝いできて本当によかった。
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